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第7章 南部編
渦
<ヴァーンベック視点>
コーキも剣姫も怪物も、そろって気配を消すことができる。
なら、この近くで皆が気配を消して戦っている可能性も?
「……」
しゃあねえな。
地道に周りを探すか。
で、どこから調べればいい?
何かヒントは?
コーキが怪物と対峙していた場所は、確かこの辺りだったよな。
まあ……。
当たり前だが、目の前にコーキがいるわけもねえ。
転がっているのは魔物の死骸ばかり。
ならばということで坂上に歩を進めても、魔物の死骸とレザンジュ兵の亡骸以外は目に入ってこない。
坂を越え、昨日休憩した空き地まで調べても結果は同じだった。
コーキの気配なんて、微塵も感じることができないまま。
ただ時間だけが過ぎていく。
「駄目だな」
「もう、この近辺には誰もいないんじゃねえの?」
思ったことがつい口に出てしまう。
返事をする相手もいないのに。
「……」
完全に潮時だろ。
仕方ねえな。
シアの待っている野営地に戻るとしよう。
空き地を出て、坂を下り、コーキと剣姫が怪物と戦っていた場所を通り過ぎた、その時。
ん……?
何だ、ありゃ?
「……」
渦、なのか?
空中に渦?
こんな渦初めて見たが……。
間違いねえ、拳大の渦だ。
しっかし、こんなものが空中に?
いったい何が?
って、まじいぞ!
渦がうねる様に拡大し、周りの空間が歪み始めている!
周りの空間を喰らい尽くそうとしている。
「……」
距離を置くべきか?
そうだな。
安全な場所から様子を眺めた方がいい。
少し離れた地点で立ち止まったまま、100を数える間渦を見続けたところ。
突然、渦の中に赤い光が?
と、次の瞬間。
眩いほどの赤光が渦の中から溢れ出てきた!
ィィィィン!!
溢れ出す赤光のあとに、間髪を入れず奇妙な音が聞こえ。
これでもかというくらいに渦が膨張!
「ちっ!」
こいつは、マズい!
後ろに数歩駆け、地面に伏せる。
と同時に。
パリィィィィン!!
激しい破裂音!
爆風が俺の頭上を通り過ぎていく!
「……」
すると。
すぐに赤光が消え、爆風が去り、渦も消えてしまった。
エビルズピークに静寂が戻ってくる。
俺の身体に異状はない。
問題ねえ。
けど、今のは?
ゆっくりと起き上がり、渦のあった場所を確認。
そんな俺の目に入ってきたのは……!?
「コーキ!!」
**********************
赤銅色の空が崩れ、鉄錆の大地が崩壊していく!
エビルズマリスの創った異界が崩れ落ちていく!!
「イリサヴィア様!」
「アリマ!」
お互いに注意を促し。
身体強化した足で鉄錆色の地面を強く踏みしめる。
衝撃に備える。
さらに。
「ストーンウォール!」
「ストーンウォール!」
「ストーンウォール!」
「ストーンウォール!」
石の壁で四方を固めてやる。
やれることはやった。
あとは、幸運を祈るばかり。
と……。
空と大地が崩れ落ちていく中。
赤く濁った空気が凄まじい奔流となって渦を巻き。
上空に集まっている。
その空間がとんでもない勢いで歪み。
そして……。
爆発!!
「っ!?」
「くっ!?」
爆発の衝撃を受け、身体に力が入ってしまう。
いや、緊張で力が入っているのか。
「……」
「……」
異界の崩壊。
空も大地も崩れ去ってしまった。
なのに、俺と剣姫は地面を踏みしめたまま。
大地は、足下にしっかりと存在している。
「アリマ?」
「……」
爆発により吹き荒れた砂塵が落ち着き、世界には視界が戻ってきた。
すると、そこに存在したのは……。
緑と茶色!
赤じゃない。
青々と茂った木々と、茶色い土砂が俺たちの目の中に!
普通の山に大地。
ここは……エビルズピーク?
コーキも剣姫も怪物も、そろって気配を消すことができる。
なら、この近くで皆が気配を消して戦っている可能性も?
「……」
しゃあねえな。
地道に周りを探すか。
で、どこから調べればいい?
何かヒントは?
コーキが怪物と対峙していた場所は、確かこの辺りだったよな。
まあ……。
当たり前だが、目の前にコーキがいるわけもねえ。
転がっているのは魔物の死骸ばかり。
ならばということで坂上に歩を進めても、魔物の死骸とレザンジュ兵の亡骸以外は目に入ってこない。
坂を越え、昨日休憩した空き地まで調べても結果は同じだった。
コーキの気配なんて、微塵も感じることができないまま。
ただ時間だけが過ぎていく。
「駄目だな」
「もう、この近辺には誰もいないんじゃねえの?」
思ったことがつい口に出てしまう。
返事をする相手もいないのに。
「……」
完全に潮時だろ。
仕方ねえな。
シアの待っている野営地に戻るとしよう。
空き地を出て、坂を下り、コーキと剣姫が怪物と戦っていた場所を通り過ぎた、その時。
ん……?
何だ、ありゃ?
「……」
渦、なのか?
空中に渦?
こんな渦初めて見たが……。
間違いねえ、拳大の渦だ。
しっかし、こんなものが空中に?
いったい何が?
って、まじいぞ!
渦がうねる様に拡大し、周りの空間が歪み始めている!
周りの空間を喰らい尽くそうとしている。
「……」
距離を置くべきか?
そうだな。
安全な場所から様子を眺めた方がいい。
少し離れた地点で立ち止まったまま、100を数える間渦を見続けたところ。
突然、渦の中に赤い光が?
と、次の瞬間。
眩いほどの赤光が渦の中から溢れ出てきた!
ィィィィン!!
溢れ出す赤光のあとに、間髪を入れず奇妙な音が聞こえ。
これでもかというくらいに渦が膨張!
「ちっ!」
こいつは、マズい!
後ろに数歩駆け、地面に伏せる。
と同時に。
パリィィィィン!!
激しい破裂音!
爆風が俺の頭上を通り過ぎていく!
「……」
すると。
すぐに赤光が消え、爆風が去り、渦も消えてしまった。
エビルズピークに静寂が戻ってくる。
俺の身体に異状はない。
問題ねえ。
けど、今のは?
ゆっくりと起き上がり、渦のあった場所を確認。
そんな俺の目に入ってきたのは……!?
「コーキ!!」
**********************
赤銅色の空が崩れ、鉄錆の大地が崩壊していく!
エビルズマリスの創った異界が崩れ落ちていく!!
「イリサヴィア様!」
「アリマ!」
お互いに注意を促し。
身体強化した足で鉄錆色の地面を強く踏みしめる。
衝撃に備える。
さらに。
「ストーンウォール!」
「ストーンウォール!」
「ストーンウォール!」
「ストーンウォール!」
石の壁で四方を固めてやる。
やれることはやった。
あとは、幸運を祈るばかり。
と……。
空と大地が崩れ落ちていく中。
赤く濁った空気が凄まじい奔流となって渦を巻き。
上空に集まっている。
その空間がとんでもない勢いで歪み。
そして……。
爆発!!
「っ!?」
「くっ!?」
爆発の衝撃を受け、身体に力が入ってしまう。
いや、緊張で力が入っているのか。
「……」
「……」
異界の崩壊。
空も大地も崩れ去ってしまった。
なのに、俺と剣姫は地面を踏みしめたまま。
大地は、足下にしっかりと存在している。
「アリマ?」
「……」
爆発により吹き荒れた砂塵が落ち着き、世界には視界が戻ってきた。
すると、そこに存在したのは……。
緑と茶色!
赤じゃない。
青々と茂った木々と、茶色い土砂が俺たちの目の中に!
普通の山に大地。
ここは……エビルズピーク?
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