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第7章 南部編
再会 2
<セレスティーヌ視点(姿は和見幸奈)>
「功己君、幸奈ちゃん、ご無沙汰だねぇ」
「マスター、お久しぶりです」
「ホント、ウチを忘れちゃったのかと思ったよ」
珈紅茶館マスターの穏やかな笑顔。
幸奈さんの知識から想像していたものとは少し違う。
けど、なぜか懐かしい。
初めて見るのに……。
「忘れるわけありませんよ。ねえ、セレ……幸奈」
えっ?
「……はい、決して忘れません」
「はは、ありがとうね」
ここで過ごした時間は、幸奈さんの記憶の中でも特別なものだ。
特にコーキさんとの会話は一際鮮烈で、幸奈さんの思いを知っている私にとっては赤面するくらいの記憶になっている。
こちらが恥ずかしくなるくらい楽しくて幸せな記憶。
忘れるわけがない。
「ほんと、ふたりとも元気そうで良かったよ」
「はあ、まあ何とか」
「うん、うん、何よりだ。で、いつものでいいかい?」
「はい、俺はホットで。……幸奈は?」
「私は……アイスコーヒーを」
「うん? 幸奈ちゃん、少し雰囲気が変わったね」
「っ!?」
「ちょっと大人びたというか、何というか」
「……」
「マスター、早く飲みたいんだけど」
「了解したよ」
そう答えて厨房に戻っていくマスター。
コーキさんが気遣ってくれたんだ。
「助かりました」
「いえ、私は何もしてませんよ」
「そんなことないです」
あなたの言葉は私を助けてくれるから。
今回だけじゃなく、いつも。
「……」
でも、珈紅茶館のマスター、私の雰囲気の違いに気付くなんて。
もっと気をつけないと。
「それで、私がいない間に何か問題はありませんでしたか? 今のように疑われるようなことは?」
「問題は……」
大きなことから些細なことまで、色々とあったけれど。
何を話していいのか?
幸奈さんが秘密にしたがっていることばかりなのに。
「ああ、すみません。慣れない世界ですから、問題くらいありますよね」
「いえ……」
「慣れない環境で、セレス様は御自身のことだけでも大変ですのに、幸奈のことも色々と考えてくださっている」
「それは……」
「本当にありがたいことです」
違う。
そんなことない。
結局私は自分のことばかり。
幸奈さんのことを考えていても、最終的には自分のことを考えてしまうのだから。
「ただ、これだけは忘れないでください」
「はい?」
「今ここで暮らしているのは幸奈ではなく、セレス様だということです」
幸奈さんではなく私……。
「どうか、御自身の心身を優先して過ごしてくださればと」
「……」
コーキさんの優しさに触れ、感謝の気持ちばかりが込み上げてくる。
こんな言葉では、まったく足りないけれど。
せめて一言だけでも。
「……ありがとうございます」
「いいえ」
ほんと、ありがとうの一言じゃ伝えきれない。
「とまあ、そういうことですので、気になることがありましたら何でも話してくださいね」
コーキさん……。
優しいその言葉に甘えたくなってしまう。
だから、つい。
「実は、父の幸奈さんへの態度がちょっと……」
「功己君、幸奈ちゃん、ご無沙汰だねぇ」
「マスター、お久しぶりです」
「ホント、ウチを忘れちゃったのかと思ったよ」
珈紅茶館マスターの穏やかな笑顔。
幸奈さんの知識から想像していたものとは少し違う。
けど、なぜか懐かしい。
初めて見るのに……。
「忘れるわけありませんよ。ねえ、セレ……幸奈」
えっ?
「……はい、決して忘れません」
「はは、ありがとうね」
ここで過ごした時間は、幸奈さんの記憶の中でも特別なものだ。
特にコーキさんとの会話は一際鮮烈で、幸奈さんの思いを知っている私にとっては赤面するくらいの記憶になっている。
こちらが恥ずかしくなるくらい楽しくて幸せな記憶。
忘れるわけがない。
「ほんと、ふたりとも元気そうで良かったよ」
「はあ、まあ何とか」
「うん、うん、何よりだ。で、いつものでいいかい?」
「はい、俺はホットで。……幸奈は?」
「私は……アイスコーヒーを」
「うん? 幸奈ちゃん、少し雰囲気が変わったね」
「っ!?」
「ちょっと大人びたというか、何というか」
「……」
「マスター、早く飲みたいんだけど」
「了解したよ」
そう答えて厨房に戻っていくマスター。
コーキさんが気遣ってくれたんだ。
「助かりました」
「いえ、私は何もしてませんよ」
「そんなことないです」
あなたの言葉は私を助けてくれるから。
今回だけじゃなく、いつも。
「……」
でも、珈紅茶館のマスター、私の雰囲気の違いに気付くなんて。
もっと気をつけないと。
「それで、私がいない間に何か問題はありませんでしたか? 今のように疑われるようなことは?」
「問題は……」
大きなことから些細なことまで、色々とあったけれど。
何を話していいのか?
幸奈さんが秘密にしたがっていることばかりなのに。
「ああ、すみません。慣れない世界ですから、問題くらいありますよね」
「いえ……」
「慣れない環境で、セレス様は御自身のことだけでも大変ですのに、幸奈のことも色々と考えてくださっている」
「それは……」
「本当にありがたいことです」
違う。
そんなことない。
結局私は自分のことばかり。
幸奈さんのことを考えていても、最終的には自分のことを考えてしまうのだから。
「ただ、これだけは忘れないでください」
「はい?」
「今ここで暮らしているのは幸奈ではなく、セレス様だということです」
幸奈さんではなく私……。
「どうか、御自身の心身を優先して過ごしてくださればと」
「……」
コーキさんの優しさに触れ、感謝の気持ちばかりが込み上げてくる。
こんな言葉では、まったく足りないけれど。
せめて一言だけでも。
「……ありがとうございます」
「いいえ」
ほんと、ありがとうの一言じゃ伝えきれない。
「とまあ、そういうことですので、気になることがありましたら何でも話してくださいね」
コーキさん……。
優しいその言葉に甘えたくなってしまう。
だから、つい。
「実は、父の幸奈さんへの態度がちょっと……」
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