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第7章 南部編
嵐のローンドルヌ大橋 1
<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
ヴァーンさんの意見は?
「第二報を受け取ってから考えたいところですが、嵐が止む前の決行となるとゆっくりしてられませんしねぇ」
その通りだと思う。
今は雨風ともに激しいけれど、いつまで続くかは分からないのだから。
「なので、一応街道を南下して、大橋の様子を確認しつつ最終決定といったところでしょうか」
「渡河するにしてもやめるにしても、今すぐ村を出て南下すると?」
「ええ」
そうかぁ。
ヴァーンさんも、そういう風に考えるんだ。
「アル君は?」
「ヴァーンさんの方針がいいと思います」
「……」
アル君、本当に考えたの?
あやしいけど、ヴァーンさんに賛成と言うなら、それでいい。
では、最後に。
「シアさんは?」
「わたしは……」
嵐の中、外に出たくないのは分かっている。
ただ、今は大事な話だから。
「セレス様に従います!」
「外は嵐ですよ?」
「……平気です、問題ありません」
あんなに雷を怖がっていたのに。
「わたしはいつもセレス様の傍にいますから」
「シアさん」
これまでも、ずっと傍にいてくれたシアさん。
気持ちはよく分かっている。
それでも、やっぱり……こんなに嬉しくなってしまう。
「さすが、シアだぜ」
「ほんと、やる時はやるよな、姉さん」
「もう! からかわないで、ふたりとも! 外に出るだけなんだから」
「嵐が怖い姉さんにとっては一大事だろ」
「だから、やめなさい、アル。ここには、みんないるのよ」
「隠しても外に出ればバレるんだから無駄だって」
「……」
仲がいいからこそのアル君の言葉。
でも、ここはやめてあげて。
「シアさん、大丈夫です。外では、わたしがずっと傍にいますよ。嵐からも守りますからね」
しっかりと手を握って、心を込めて。
「セレス様、それは、その……ありがとうございます」
「はは、立場逆転だな」
「ヴァーン……」
「って、時間もねえのに、脱線しまくりじゃねえか」
そうだった。
今はゆっくり話している時間はないんだ。
先に進めなきゃ。
「では、皆さん、今後の方針ですが」
わたしの考えは。
「今から南に向かい、道中で斥候からの報告を受ける。その報告次第で渡河の最終決定をくだす。これでいかがでしょう?」
「私はセレス様に従うのみです」
「もちろん、私も従います」
「私も」
「おれも」
「俺も従いますよ。まあ、同じ考えなんですけどね」
「セレスティーヌ様、ここにおらぬ騎士たちも思いは同じですので」
みんなが信用してくれる。
神娘の力を使えないわたしを。
「……」
本当にありがたいことだと思う。
「しっかし、こんな時にコーキの考えを聞ければ心強いんだけどなぁ」
「コーキさん対岸にいるんだから仕方ないって。文の投擲も難しいし、橋を渡って戻って来るのも……って、今なら戻れるんじゃ?」
「そうか! 王軍がいねえなら大橋を渡れるぞ」
「ひょっとすると、もう橋を渡ってるかもしれない。で、南下中に合流とか」
「だったら、鬼に金棒じゃねえか。けどよ、あいつ抜けてるとこあるからなぁ。気づいてない可能性もあり得るぞ」
「確かに……」
また脱線している。
時間がないと言いながら、みんな心のどこかでホッとしてるんだろうな。
王軍がローンドルヌから姿を消したという事実は、ほんとに大きいことだから。
「本当に誰もいない」
「……ああ」
「これはもう、簡単に渡河できそうだなぁ」
「かもしれねえ」
ローンドルヌ大橋は前方100歩の位置。
ここからは大橋の全容が見渡せる。
その橋の上には、アル君とヴァーンさんの言うように、レザンジュ兵は1人も見えない。
ひと安心だ。
ヴァーンさんの意見は?
「第二報を受け取ってから考えたいところですが、嵐が止む前の決行となるとゆっくりしてられませんしねぇ」
その通りだと思う。
今は雨風ともに激しいけれど、いつまで続くかは分からないのだから。
「なので、一応街道を南下して、大橋の様子を確認しつつ最終決定といったところでしょうか」
「渡河するにしてもやめるにしても、今すぐ村を出て南下すると?」
「ええ」
そうかぁ。
ヴァーンさんも、そういう風に考えるんだ。
「アル君は?」
「ヴァーンさんの方針がいいと思います」
「……」
アル君、本当に考えたの?
あやしいけど、ヴァーンさんに賛成と言うなら、それでいい。
では、最後に。
「シアさんは?」
「わたしは……」
嵐の中、外に出たくないのは分かっている。
ただ、今は大事な話だから。
「セレス様に従います!」
「外は嵐ですよ?」
「……平気です、問題ありません」
あんなに雷を怖がっていたのに。
「わたしはいつもセレス様の傍にいますから」
「シアさん」
これまでも、ずっと傍にいてくれたシアさん。
気持ちはよく分かっている。
それでも、やっぱり……こんなに嬉しくなってしまう。
「さすが、シアだぜ」
「ほんと、やる時はやるよな、姉さん」
「もう! からかわないで、ふたりとも! 外に出るだけなんだから」
「嵐が怖い姉さんにとっては一大事だろ」
「だから、やめなさい、アル。ここには、みんないるのよ」
「隠しても外に出ればバレるんだから無駄だって」
「……」
仲がいいからこそのアル君の言葉。
でも、ここはやめてあげて。
「シアさん、大丈夫です。外では、わたしがずっと傍にいますよ。嵐からも守りますからね」
しっかりと手を握って、心を込めて。
「セレス様、それは、その……ありがとうございます」
「はは、立場逆転だな」
「ヴァーン……」
「って、時間もねえのに、脱線しまくりじゃねえか」
そうだった。
今はゆっくり話している時間はないんだ。
先に進めなきゃ。
「では、皆さん、今後の方針ですが」
わたしの考えは。
「今から南に向かい、道中で斥候からの報告を受ける。その報告次第で渡河の最終決定をくだす。これでいかがでしょう?」
「私はセレス様に従うのみです」
「もちろん、私も従います」
「私も」
「おれも」
「俺も従いますよ。まあ、同じ考えなんですけどね」
「セレスティーヌ様、ここにおらぬ騎士たちも思いは同じですので」
みんなが信用してくれる。
神娘の力を使えないわたしを。
「……」
本当にありがたいことだと思う。
「しっかし、こんな時にコーキの考えを聞ければ心強いんだけどなぁ」
「コーキさん対岸にいるんだから仕方ないって。文の投擲も難しいし、橋を渡って戻って来るのも……って、今なら戻れるんじゃ?」
「そうか! 王軍がいねえなら大橋を渡れるぞ」
「ひょっとすると、もう橋を渡ってるかもしれない。で、南下中に合流とか」
「だったら、鬼に金棒じゃねえか。けどよ、あいつ抜けてるとこあるからなぁ。気づいてない可能性もあり得るぞ」
「確かに……」
また脱線している。
時間がないと言いながら、みんな心のどこかでホッとしてるんだろうな。
王軍がローンドルヌから姿を消したという事実は、ほんとに大きいことだから。
「本当に誰もいない」
「……ああ」
「これはもう、簡単に渡河できそうだなぁ」
「かもしれねえ」
ローンドルヌ大橋は前方100歩の位置。
ここからは大橋の全容が見渡せる。
その橋の上には、アル君とヴァーンさんの言うように、レザンジュ兵は1人も見えない。
ひと安心だ。
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