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第7章 南部編
嵐のローンドルヌ大橋 4
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今さらだよな。
使ってしまった時間遡行を悔やんでも何にもならない。
もう先に進むしかないのだから。
しかし、こんなことを考えるなんて……。
思っていた以上にやり直しに依存しているのか?
俺は?
「……」
この世界にやって来た当初。
セーブ&リセットの使用は控えようと思っていた。
それが今や精神的にも思考的にも頼り切っている。
リセットも時間遡行も超常の力なのに。
本来は持ちえない力なのに。
情けない。
心からそう思う。
けど……。
今のやり直しがきかない状況。
ちょうどいいかもしれない。
「……」
偵察でも、その後のローンドルヌ渡河でも、トゥレイズへの道中でも、もう遡行は使えない。
全てが一発勝負。
やり直しに依存した精神を鍛えなおす良い機会だろ。
よし。
まずは偵察任務から始めよう。
と思ったんだが、レザンジュ駐留部隊の偵察に関しては、遡行前にほぼ完了している。
なら、魔眼に視られるという危険を冒してまで大橋を渡ることはない、か。
ただし、みんなが無事に橋を渡ることができるように対岸でやっておきたいこともある。
そのためには……そうだよな。
やはり河を渡る必要がある。
「……」
ウラハムとの遭遇を避けた上での渡河。
となると……。
いっそ泳いで渡るのは?
岸にはレザンジュ兵の監視、水中には魔物が棲息しているローンドルヌ河。
泳ぎ渡るのは簡単なことじゃない。
とはいえ、大橋で魔眼に視られるよりはましだ。
そうと決まれば。
上流まで足を運び、監視兵のいない川幅が狭いルートを探さないとな。
うーん、これは……。
可能な限り上流まで足を運んだのだが、ここまで来ても対岸では監視兵が巡回を続けている。
その上、水中に潜む魔物の数も少なくない。
「……まいったな」
ここから水中に入ると、結構な数の魔物と戦闘になるだろう。
水中とはいえ戦闘の気配を完全に消し去ることはできない。
必然、対岸の監視兵に見つかる可能性も高くなる。
見つかった後、ウラハムを呼ばれたら……。
最悪だ。
ではどうする?
監視兵に見つからないよう、日没まで待って河に入るか?
暗闇の水中で魔物と戦闘になるが、それでも?
「……」
難しいところだぞ。
********************
<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
ドーン!
ガシャーン!
バーン!
馬車の外から聞こえる炸裂音。
激しい風雨の中でも、この音は聞き間違えようがない。
たくさんの魔法が王軍から放たれているんだ。
「「セレス様!」」
「……」
馬車の中に残っているのは、わたしとシアさんとユーフィリアさんの3人だけ。
他のみんなは外で戦っている。
「「「「「うわぁぁ!!」」」」
「「「「「おお!!」」」」」
ドガン!
ダーン!
密室である車内に響くのは、叫び声と戦闘音ばかり。
緊張感が避けようもなく襲ってくる。
……怖い。
なぜだか分からないけれど、エビルズピークで王軍と遭遇した時より。
魔物に襲われた時より。
今の方が恐怖を感じてしまう。
わたしは神娘なのに……。
「「「アイスアロー!!」」」
「「「ストーンボール!!」」」
外から聞こえる魔法発動の声。
と同時に!
ガン!
ガン、ドガン!
何らかの魔法が馬車に直撃!
魔法を受けた衝撃で馬車が大きく振動する。
暴風も相まって、横転しそうな勢い。
「セレス様、こちらへ!」
わたしを心配してくれるシアさんとユーフィリアさん。
左右から抱きしめてくれた。
衝撃から守るように強く優しく。
「……シアさん、ユーフィリアさん?」
恥ずかしいことだけど、とっても安心できる。
「大丈夫です。必ず護りますから!」
「護ります!」
ふたりとも、ありがとう。
でも……。
「このまま馬車の中にいても良いのでしょうか?」
使ってしまった時間遡行を悔やんでも何にもならない。
もう先に進むしかないのだから。
しかし、こんなことを考えるなんて……。
思っていた以上にやり直しに依存しているのか?
俺は?
「……」
この世界にやって来た当初。
セーブ&リセットの使用は控えようと思っていた。
それが今や精神的にも思考的にも頼り切っている。
リセットも時間遡行も超常の力なのに。
本来は持ちえない力なのに。
情けない。
心からそう思う。
けど……。
今のやり直しがきかない状況。
ちょうどいいかもしれない。
「……」
偵察でも、その後のローンドルヌ渡河でも、トゥレイズへの道中でも、もう遡行は使えない。
全てが一発勝負。
やり直しに依存した精神を鍛えなおす良い機会だろ。
よし。
まずは偵察任務から始めよう。
と思ったんだが、レザンジュ駐留部隊の偵察に関しては、遡行前にほぼ完了している。
なら、魔眼に視られるという危険を冒してまで大橋を渡ることはない、か。
ただし、みんなが無事に橋を渡ることができるように対岸でやっておきたいこともある。
そのためには……そうだよな。
やはり河を渡る必要がある。
「……」
ウラハムとの遭遇を避けた上での渡河。
となると……。
いっそ泳いで渡るのは?
岸にはレザンジュ兵の監視、水中には魔物が棲息しているローンドルヌ河。
泳ぎ渡るのは簡単なことじゃない。
とはいえ、大橋で魔眼に視られるよりはましだ。
そうと決まれば。
上流まで足を運び、監視兵のいない川幅が狭いルートを探さないとな。
うーん、これは……。
可能な限り上流まで足を運んだのだが、ここまで来ても対岸では監視兵が巡回を続けている。
その上、水中に潜む魔物の数も少なくない。
「……まいったな」
ここから水中に入ると、結構な数の魔物と戦闘になるだろう。
水中とはいえ戦闘の気配を完全に消し去ることはできない。
必然、対岸の監視兵に見つかる可能性も高くなる。
見つかった後、ウラハムを呼ばれたら……。
最悪だ。
ではどうする?
監視兵に見つからないよう、日没まで待って河に入るか?
暗闇の水中で魔物と戦闘になるが、それでも?
「……」
難しいところだぞ。
********************
<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
ドーン!
ガシャーン!
バーン!
馬車の外から聞こえる炸裂音。
激しい風雨の中でも、この音は聞き間違えようがない。
たくさんの魔法が王軍から放たれているんだ。
「「セレス様!」」
「……」
馬車の中に残っているのは、わたしとシアさんとユーフィリアさんの3人だけ。
他のみんなは外で戦っている。
「「「「「うわぁぁ!!」」」」
「「「「「おお!!」」」」」
ドガン!
ダーン!
密室である車内に響くのは、叫び声と戦闘音ばかり。
緊張感が避けようもなく襲ってくる。
……怖い。
なぜだか分からないけれど、エビルズピークで王軍と遭遇した時より。
魔物に襲われた時より。
今の方が恐怖を感じてしまう。
わたしは神娘なのに……。
「「「アイスアロー!!」」」
「「「ストーンボール!!」」」
外から聞こえる魔法発動の声。
と同時に!
ガン!
ガン、ドガン!
何らかの魔法が馬車に直撃!
魔法を受けた衝撃で馬車が大きく振動する。
暴風も相まって、横転しそうな勢い。
「セレス様、こちらへ!」
わたしを心配してくれるシアさんとユーフィリアさん。
左右から抱きしめてくれた。
衝撃から守るように強く優しく。
「……シアさん、ユーフィリアさん?」
恥ずかしいことだけど、とっても安心できる。
「大丈夫です。必ず護りますから!」
「護ります!」
ふたりとも、ありがとう。
でも……。
「このまま馬車の中にいても良いのでしょうか?」
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