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第7章 南部編
急行
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嵐の中、完全に濡れてしまった体で駆け続けていると、前方から奇妙な空気が流れてきた。
さらに、風雨に混じって異音も?
強烈な雨風の音が耳朶を叩くばかりで、他の物音などは上手く聞き取れない状態だけれど。
微かに剣戟と魔法の音が聞こえるような……。
まさか、戦闘音?
ローンドルヌ大橋から?
嫌な予感しかしない。
「……」
不吉な予感に、駆ける足を緩めてしまう。
そのまま立ち止まり耳を澄ませるも……。
嵐にかき消されて上手く聞き取れない。
それならばと、気配を探ってみるが、あまりの暴風に感知もままならない。
そんな難しい感知の中、僅かに感じ取れたのは。
かなりの大人数が前方に集まっているという一点のみ。
レザンジュ王軍が駐留しているローンドルヌ大橋。
そこに王軍兵が集まっているということなら、おかしいことじゃないが。
「……」
この暴風雨の状況で、平常時と同様の警備がなされているとは到底思えない。
やはり、異常事態なのか?
だとすると、戦闘が起こっている可能性も十分考えられる。
ローンドルヌ大橋での戦闘……。
っ!
悪い想像しか浮かんでこないぞ。
こうなるともう、一刻も早く確認するしかないな。
止めていた足を再び動かし、速度を上げ、街道を北上。
ローンドルヌ河に向かってひた走る。
しかし、本当に走りづらい。
雨もそうだが、この風が特に厄介だ。
まっすぐ走っていても、右に左に身体が振れてしまう。
逆風の時は進むのも大変なくらい。
俺のステータスでこれなんだからな。
そんな嵐の街道には、人の姿は見えない。
当たり前か。
こんな日に出歩くなんて、余程物好きなやつだけだろ。
ただ、だからこそ、前方に感じる多数の気配を不穏に感じてしまう。
大橋に近づくにつれ、異様な空気がさらに濃く感じられるようになってきた。
暴風雨の中、耳に入ってくるこの音も、多数の人の気配も……。
ほぼ間違いない!
多数の人が争ってる!
この極限の天候下で人が争っているなら。
それは、レザンジュ王軍とワディンの戦闘……。
「……」
くそっ!
どうしてだ?
俺が渡河可能と判断するまでは、待機するはずだったのに?
指示を待たず、橋を渡ったのはなぜなんだ?
しかも、こんな嵐の中を。
いや、嵐だからこそ渡ったのか?
好機と判断して。
俺からの手紙投擲は不可能と考えて。
それで、この戦闘に。
つまり、敵の罠にはまって!
ただでさえ、数で劣っている状況で。
王軍の計略通りに進んでいるとしたら……。
最悪の胸騒ぎを打ち消すように、ひたすらに駆け続ける。
すると。
目の前に、想像が現実として現れてしまった。
「っ!?」
ローンドルヌ大橋の上に広がる乱戦。
ワディン側が前後から挟撃されている。
しかも、敵の兵数は400どころじゃない。
その3倍はいる!
こんな兵数、俺は確認していないぞ。
どこから現れた?
いや、そんなことより、幸奈は無事なのか!?
シア、アル、ヴァーンは?
「……」
けど、これは?
何かがおかしい。
暴風雨の中でも、この距離なら分かる。
気配が違うんだ。
大橋の上に感知できる兵数は……敵味方合わせても500程度。
なのに、今目の前に広がる光景は?
感知と光景が一致しない。
何が起こってる?
幻?
幻術、幻影の類?
そうか。
トゥオヴィの能力だ。
彼女は幻術に近い魔法を使えたんだ。
ワディン騎士たちは幻術にはめられたに違いない!
くそっ!
露見ばかりに思考が傾いて、魔眼に気を取られて、軽視していた。
忘れていた。
俺の失態だ!
さらに、風雨に混じって異音も?
強烈な雨風の音が耳朶を叩くばかりで、他の物音などは上手く聞き取れない状態だけれど。
微かに剣戟と魔法の音が聞こえるような……。
まさか、戦闘音?
ローンドルヌ大橋から?
嫌な予感しかしない。
「……」
不吉な予感に、駆ける足を緩めてしまう。
そのまま立ち止まり耳を澄ませるも……。
嵐にかき消されて上手く聞き取れない。
それならばと、気配を探ってみるが、あまりの暴風に感知もままならない。
そんな難しい感知の中、僅かに感じ取れたのは。
かなりの大人数が前方に集まっているという一点のみ。
レザンジュ王軍が駐留しているローンドルヌ大橋。
そこに王軍兵が集まっているということなら、おかしいことじゃないが。
「……」
この暴風雨の状況で、平常時と同様の警備がなされているとは到底思えない。
やはり、異常事態なのか?
だとすると、戦闘が起こっている可能性も十分考えられる。
ローンドルヌ大橋での戦闘……。
っ!
悪い想像しか浮かんでこないぞ。
こうなるともう、一刻も早く確認するしかないな。
止めていた足を再び動かし、速度を上げ、街道を北上。
ローンドルヌ河に向かってひた走る。
しかし、本当に走りづらい。
雨もそうだが、この風が特に厄介だ。
まっすぐ走っていても、右に左に身体が振れてしまう。
逆風の時は進むのも大変なくらい。
俺のステータスでこれなんだからな。
そんな嵐の街道には、人の姿は見えない。
当たり前か。
こんな日に出歩くなんて、余程物好きなやつだけだろ。
ただ、だからこそ、前方に感じる多数の気配を不穏に感じてしまう。
大橋に近づくにつれ、異様な空気がさらに濃く感じられるようになってきた。
暴風雨の中、耳に入ってくるこの音も、多数の人の気配も……。
ほぼ間違いない!
多数の人が争ってる!
この極限の天候下で人が争っているなら。
それは、レザンジュ王軍とワディンの戦闘……。
「……」
くそっ!
どうしてだ?
俺が渡河可能と判断するまでは、待機するはずだったのに?
指示を待たず、橋を渡ったのはなぜなんだ?
しかも、こんな嵐の中を。
いや、嵐だからこそ渡ったのか?
好機と判断して。
俺からの手紙投擲は不可能と考えて。
それで、この戦闘に。
つまり、敵の罠にはまって!
ただでさえ、数で劣っている状況で。
王軍の計略通りに進んでいるとしたら……。
最悪の胸騒ぎを打ち消すように、ひたすらに駆け続ける。
すると。
目の前に、想像が現実として現れてしまった。
「っ!?」
ローンドルヌ大橋の上に広がる乱戦。
ワディン側が前後から挟撃されている。
しかも、敵の兵数は400どころじゃない。
その3倍はいる!
こんな兵数、俺は確認していないぞ。
どこから現れた?
いや、そんなことより、幸奈は無事なのか!?
シア、アル、ヴァーンは?
「……」
けど、これは?
何かがおかしい。
暴風雨の中でも、この距離なら分かる。
気配が違うんだ。
大橋の上に感知できる兵数は……敵味方合わせても500程度。
なのに、今目の前に広がる光景は?
感知と光景が一致しない。
何が起こってる?
幻?
幻術、幻影の類?
そうか。
トゥオヴィの能力だ。
彼女は幻術に近い魔法を使えたんだ。
ワディン騎士たちは幻術にはめられたに違いない!
くそっ!
露見ばかりに思考が傾いて、魔眼に気を取られて、軽視していた。
忘れていた。
俺の失態だ!
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