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第7章 南部編
ヒーロー 3
<セレスティーヌ視点(姿は和見幸奈)>
「でも、ここからは任せてね」
「お願いします」
にっこりと微笑んだ古野白さんが、私を庇うようにして前へ。
武上君も、古野白さんの隣にやって来た。
「くっ! おまえら、異能を知っているとは、何者だ!」
これは、氷系の異能者。
部下の後ろにいる壬生兄は動こうともしない。
「ん? 通りすがりのヒーローだけど?」
「馬鹿なことを!」
「馬鹿なこと? 事実、ヒーローだぞ」
「おまえ、何を言ってる?」
「だから、正義のヒーローだって」
「……」
「……」
「ちょっと! 恥ずかしいから、やめなさい」
「ああ? ホントのことだろ」
「あなたねぇ……」
武上君らしい。
そんな彼が異能者。
幸奈さんの記憶の中では、武上君はコーキさんの友人というだけで異能とは無縁の大学生だったはずなのに。
本当に驚いてしまう。
「おまえら、機関の者か?」
「そう、あなたたちみたいな無法者を取り締まることが仕事のね」
古野白さんは、コーキさんの紹介で初めて会った女性だけど。
とても颯爽としていて綺麗なひと。
頼りになる女性騎士みたい。
「無法は、おまえらだ!」
「そんなわけねえだろ。俺たちは正義のヒーローなんだぜ」
「……私は違うわよ」
「悪い、ヒロインだったな」
「……」
武上君……。
「戯言ばかりほざくんじゃないぞ」
「だから、ホントだって。正真正銘、正義の味方……ん?」
「武上君! 少し黙っててもらえるかしら!」
「どうしてだよ?」
「もう、いいから。……ということで、あなた達を拘束します」
「拘束? 馬鹿馬鹿しい」
素直に拘束されるつもりはないらしい。
「能力開発研究所には歯向かわない方がいいんじゃない?」
「……あの研究所か?」
「ええ、もちろん今回も上からの指示で動いてるわ」
「……」
「……」
強気を崩さなかった異能者ふたりが若干動揺している。
能力開発研究所という単語は、彼らのような異能者にとって効果があるみたい。
「壬生さん?」
「若?」
「狼狽えるな!」
「しかし」
「研究所が出張って来ようと問題などない。私は婚約者と話をしているだけだ」
話をしているだけ?
よくそんな嘘を。
「幸奈さんに異能も使ったわよね」
「……会話の一環に過ぎない」
「そんなわけないでしょ」
「うるさい! 私は壬生だぞ」
「……」
「能力開発研究所の指示? それがどうした」
「……」
「ふっ。どうせ、おまえらは壬生家門に手を出せないだろ」
壬生という家が異能界において大きな力を持っていることは私も知っている。
でも、ここまで強気に出ることができる家門なの?
貴族社会の公爵家のように?
「はあ? 今をいつの時代だと思ってんだ?」
「今も昔も同じ。我ら壬生にとってはな」
「あなた、正気?」
「無論だ」
「これだから古い家は始末が悪いわ」
「とんだ時代錯誤野郎だぜ」
お互いの認識がかなり違う。
古野白さんたちが正しければいいんだけど……。
「度し難いのは、お前たちの方だ。が、今すぐここを去れば今回だけは許してやろう」
「去るわけないでしょ」
「オレ様が、正義の味方が裁いてやらぁ」
「できもしないことを口にするな」
「すぐに分かることよ」
「分かってねえなぁ。正義のヒーローってもんをよ。いつの時代も最後はヒーローが勝つんだぜ」
「……」
「……」
武上君……。
「ヒーローが悪漢をやっつける。これで万事解決ってな」
みんなが呆れた目を向けているのに気にならないの?
「……ん? どうした?」
「ホント、やめてちょうだい!」
「何を?」
「そのヒーローブーム、やめなさいって言ってるの。いい加減、頭がおかしくなりそうよ」
「でも、ここからは任せてね」
「お願いします」
にっこりと微笑んだ古野白さんが、私を庇うようにして前へ。
武上君も、古野白さんの隣にやって来た。
「くっ! おまえら、異能を知っているとは、何者だ!」
これは、氷系の異能者。
部下の後ろにいる壬生兄は動こうともしない。
「ん? 通りすがりのヒーローだけど?」
「馬鹿なことを!」
「馬鹿なこと? 事実、ヒーローだぞ」
「おまえ、何を言ってる?」
「だから、正義のヒーローだって」
「……」
「……」
「ちょっと! 恥ずかしいから、やめなさい」
「ああ? ホントのことだろ」
「あなたねぇ……」
武上君らしい。
そんな彼が異能者。
幸奈さんの記憶の中では、武上君はコーキさんの友人というだけで異能とは無縁の大学生だったはずなのに。
本当に驚いてしまう。
「おまえら、機関の者か?」
「そう、あなたたちみたいな無法者を取り締まることが仕事のね」
古野白さんは、コーキさんの紹介で初めて会った女性だけど。
とても颯爽としていて綺麗なひと。
頼りになる女性騎士みたい。
「無法は、おまえらだ!」
「そんなわけねえだろ。俺たちは正義のヒーローなんだぜ」
「……私は違うわよ」
「悪い、ヒロインだったな」
「……」
武上君……。
「戯言ばかりほざくんじゃないぞ」
「だから、ホントだって。正真正銘、正義の味方……ん?」
「武上君! 少し黙っててもらえるかしら!」
「どうしてだよ?」
「もう、いいから。……ということで、あなた達を拘束します」
「拘束? 馬鹿馬鹿しい」
素直に拘束されるつもりはないらしい。
「能力開発研究所には歯向かわない方がいいんじゃない?」
「……あの研究所か?」
「ええ、もちろん今回も上からの指示で動いてるわ」
「……」
「……」
強気を崩さなかった異能者ふたりが若干動揺している。
能力開発研究所という単語は、彼らのような異能者にとって効果があるみたい。
「壬生さん?」
「若?」
「狼狽えるな!」
「しかし」
「研究所が出張って来ようと問題などない。私は婚約者と話をしているだけだ」
話をしているだけ?
よくそんな嘘を。
「幸奈さんに異能も使ったわよね」
「……会話の一環に過ぎない」
「そんなわけないでしょ」
「うるさい! 私は壬生だぞ」
「……」
「能力開発研究所の指示? それがどうした」
「……」
「ふっ。どうせ、おまえらは壬生家門に手を出せないだろ」
壬生という家が異能界において大きな力を持っていることは私も知っている。
でも、ここまで強気に出ることができる家門なの?
貴族社会の公爵家のように?
「はあ? 今をいつの時代だと思ってんだ?」
「今も昔も同じ。我ら壬生にとってはな」
「あなた、正気?」
「無論だ」
「これだから古い家は始末が悪いわ」
「とんだ時代錯誤野郎だぜ」
お互いの認識がかなり違う。
古野白さんたちが正しければいいんだけど……。
「度し難いのは、お前たちの方だ。が、今すぐここを去れば今回だけは許してやろう」
「去るわけないでしょ」
「オレ様が、正義の味方が裁いてやらぁ」
「できもしないことを口にするな」
「すぐに分かることよ」
「分かってねえなぁ。正義のヒーローってもんをよ。いつの時代も最後はヒーローが勝つんだぜ」
「……」
「……」
武上君……。
「ヒーローが悪漢をやっつける。これで万事解決ってな」
みんなが呆れた目を向けているのに気にならないの?
「……ん? どうした?」
「ホント、やめてちょうだい!」
「何を?」
「そのヒーローブーム、やめなさいって言ってるの。いい加減、頭がおかしくなりそうよ」
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