653 / 1,640
第7章 南部編
籠城 8
「「「「「「おおぉぉぉ!!」」」」」」
「「「「「「突撃!!」」」」」」
「「「「「「いっけぇぇぇ!!」」」」」
内壁の外から聞こえてくる王軍の喊声。
「ここで守りきるぞ!」
「駄目だぁ、もうもたねえ」
「大丈夫。勝負はここからだぁ!」
内壁の上の守備兵たちの叫声。
「きゃあぁぁぁ!!」
「門を開けろぉ!」
「俺は味方だぞ!」
「ぎゃあぁぁ!!」
門の外に溢れる悲鳴も……。
「うう、助けてくれぇ」
「ああぁぁぁ」
喊声に怒号、叫声、喚声、剣戟音に魔法の炸裂音。
内壁の周辺はとんでもないことになっている。
それでも、今のところは王軍の猛攻を何とかしのいでいる、のか?
ざっと内壁を見渡す限り。
綻びは見えない。
当然王軍は侵入できていない。
「……」
この内壁は外壁と同じく防御魔法が付与された強化壁。
今はその内壁の門が固く閉ざされた状態だ。
なら……。
現時点で、すぐにここを突破されることもないだろう。
「「「「「おおぉぉぉ!!」」」」」
「「「「「進め、進めぇ!!」」」」」
常識的判断ではそうなるが、王軍のこの大攻勢。
規模の小さい内壁で、いつまで守りきれるんだ?
「……」
約束通り子爵邸に戻る前に、少しだけ時間を稼ぐことにしよう。
いつも以上に入念に魔力を練り。
集中し……。
「雷撃!」
まずは十八番の魔法。
続いて。
「雷波!」
横幅15メートル以上の帯電した波がうねる様に進み、門の前にいた王軍に襲いかかる。
「「「「「ぎゃあぁぁ」」」」」
「「「「「うわぁぁぁ」」」」」
効いてるな。
それじゃ、次も。
「雷波!」
もっとだ。
「雷波!」
まだだ。
「雷波!」
「雷波!」
っ!
さすがに、苦しくなってきたぞ。
けど、もう少しだけ。
「雷波!」
「雷波!」
はあ、はあ。
これ以上は連続では放てない、か。
ただ、今のこの状況は。
「止まれぇぇ!!」
「一度下がるんだぁ!」
「立て直すぞ!」
内壁の正門から、王軍が離れていく。
「……」
悪くないな。
だったら、最後にもう一発プレゼントを。
「ふぅぅぅ」
深呼吸で魔力を整えて。
「炎波!!」
これも大規模の範囲攻撃。
「「「「「うわぁぁぁ!!」」」」」
よーし。
これで時間を稼げたはず。
幸奈のもとに戻るぞ!
********************
<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
「えっ、トゥレイズを離れるのですか?」
「うむ。外壁が破られた現状、トゥレイズがいつまで耐えることができるか分からぬのだ。最悪、明日まで持たない可能性も考えねばならん」
「理解ください」
お父様と子爵の眼に迷いは見えない。
「……」
「セレスよ、分かってくれるか?」
「お父様……」
「「「「「「突撃!!」」」」」」
「「「「「「いっけぇぇぇ!!」」」」」
内壁の外から聞こえてくる王軍の喊声。
「ここで守りきるぞ!」
「駄目だぁ、もうもたねえ」
「大丈夫。勝負はここからだぁ!」
内壁の上の守備兵たちの叫声。
「きゃあぁぁぁ!!」
「門を開けろぉ!」
「俺は味方だぞ!」
「ぎゃあぁぁ!!」
門の外に溢れる悲鳴も……。
「うう、助けてくれぇ」
「ああぁぁぁ」
喊声に怒号、叫声、喚声、剣戟音に魔法の炸裂音。
内壁の周辺はとんでもないことになっている。
それでも、今のところは王軍の猛攻を何とかしのいでいる、のか?
ざっと内壁を見渡す限り。
綻びは見えない。
当然王軍は侵入できていない。
「……」
この内壁は外壁と同じく防御魔法が付与された強化壁。
今はその内壁の門が固く閉ざされた状態だ。
なら……。
現時点で、すぐにここを突破されることもないだろう。
「「「「「おおぉぉぉ!!」」」」」
「「「「「進め、進めぇ!!」」」」」
常識的判断ではそうなるが、王軍のこの大攻勢。
規模の小さい内壁で、いつまで守りきれるんだ?
「……」
約束通り子爵邸に戻る前に、少しだけ時間を稼ぐことにしよう。
いつも以上に入念に魔力を練り。
集中し……。
「雷撃!」
まずは十八番の魔法。
続いて。
「雷波!」
横幅15メートル以上の帯電した波がうねる様に進み、門の前にいた王軍に襲いかかる。
「「「「「ぎゃあぁぁ」」」」」
「「「「「うわぁぁぁ」」」」」
効いてるな。
それじゃ、次も。
「雷波!」
もっとだ。
「雷波!」
まだだ。
「雷波!」
「雷波!」
っ!
さすがに、苦しくなってきたぞ。
けど、もう少しだけ。
「雷波!」
「雷波!」
はあ、はあ。
これ以上は連続では放てない、か。
ただ、今のこの状況は。
「止まれぇぇ!!」
「一度下がるんだぁ!」
「立て直すぞ!」
内壁の正門から、王軍が離れていく。
「……」
悪くないな。
だったら、最後にもう一発プレゼントを。
「ふぅぅぅ」
深呼吸で魔力を整えて。
「炎波!!」
これも大規模の範囲攻撃。
「「「「「うわぁぁぁ!!」」」」」
よーし。
これで時間を稼げたはず。
幸奈のもとに戻るぞ!
********************
<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
「えっ、トゥレイズを離れるのですか?」
「うむ。外壁が破られた現状、トゥレイズがいつまで耐えることができるか分からぬのだ。最悪、明日まで持たない可能性も考えねばならん」
「理解ください」
お父様と子爵の眼に迷いは見えない。
「……」
「セレスよ、分かってくれるか?」
「お父様……」
あなたにおすすめの小説
ひだまりのFランク冒険者
みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。
そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。
そんな中
冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。
その名は、リルド。
彼は、特に何もない感じに毎日
「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。
この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
[完]異世界銭湯
三園 七詩
ファンタジー
下町で昔ながらの薪で沸かす銭湯を経営する一家が住んでいた。
しかし近くにスーパー銭湯が出来てから客足が激減…このままでは店を畳むしかない、そう思っていた。
暗い気持ちで目覚め、いつもの習慣のように準備をしようと外に出ると…そこは見慣れた下町ではなく見たことも無い場所に銭湯は建っていた…
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。