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第7章 南部編
欲しかったもの
<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
「私は幸せものだな」
「……」
「セレスのような娘を持てて、本当に幸せだ」
幸せなのは、わたしの方です。
お父様の温かい腕に抱かれて、こんな気持ちをもらって。
「それなのに、これまでは神娘として扱ってばかりで……。心から申し訳ないと思っている」
お父様が謝ることじゃない。
神娘が神娘として扱われるのは当然なのだから。
「セレスは神娘である前に私の娘だ」
「……」
「そんな簡単なことも分からずに私は!」
「……」
「愚かな父を許しておくれ」
ああぁ……。
わたしこそ。
わたしの方こそ、もっと心を開くべきでした。
神娘として閉じこもらず、色々と話すべきでした。
そう思うのに、今も言葉が出てこない。
初めて抱く感情に、心が乱れるばかりで……。
「セレス、命より大切な我が娘」
「……」
「愛しているよ」
「っ! わたしも!」
「セレス」
「わたしも愛しています!」
言えた。
やっと口に出せた。
「ありがとう」
「お父様……」
嫌だ!
離れたくない。
この人を孤独にさせたくない!
お父様は、わたしのお父様。
この世にひとりだけのお父様。
こんなにわたしのことを思ってくれる父親は、お父様だけなんだから。
……。
……。
不思議。
こんなに悲しいのに?
どうして、こんなに嬉しいの?
お父様の愛情は知っていた。
どんな形であれ、確かに存在していると分かっていた。
それなのに、今どうしてこんな気持ちを?
っ!?
頭が痛い!?
でも、駄目。
今は知られちゃ駄目。
もう少しこのままでいたいから。
だから、顔に出ないように耐えないと。
目を瞑って我慢を。
「……」
「……」
温かい。
目を瞑ると余計に実感できる。
お父様の腕の中、ほんとに気持ちがいい。
頭は痛いけど。
朦朧とするけど。
そんなことより……。
……。
……。
わたし……。
わたしは……。
そう……。
わたしは、愛されたかった。
お父様とお母様に愛されたかった。
ふたりの愛情が欲しかった。
ただそれだけ。
わたしが欲しかったのはそれだけ。
それだけなのに……。
駄目だった。
愛してもらえなかった。
きっと、わたしがいけない子だったから。
出来の悪い娘だったから。
力を持っていないから。
だから、愛してくれない。
振り向いてくれない。
いつもひとり。
いつも……。
いつも……寂しかった。
……。
……。
……。
えっ!?
何?
今のは何?
この信じられないような絶望感は?
わたしは、お父様に愛されているのに!
「セレス、大丈夫かい?」
「お父様……」
そうよ。
わたしは、今も昔もお父様に愛されている。
こんなにも深く愛されている。
ずっともらい続けている。
お父様から。
欲しかったものを。
何より欲しかったものを!
ああ、光が!
溢れてくる!
「……」
駄目。
また涙が!
止まらない。
「私は幸せものだな」
「……」
「セレスのような娘を持てて、本当に幸せだ」
幸せなのは、わたしの方です。
お父様の温かい腕に抱かれて、こんな気持ちをもらって。
「それなのに、これまでは神娘として扱ってばかりで……。心から申し訳ないと思っている」
お父様が謝ることじゃない。
神娘が神娘として扱われるのは当然なのだから。
「セレスは神娘である前に私の娘だ」
「……」
「そんな簡単なことも分からずに私は!」
「……」
「愚かな父を許しておくれ」
ああぁ……。
わたしこそ。
わたしの方こそ、もっと心を開くべきでした。
神娘として閉じこもらず、色々と話すべきでした。
そう思うのに、今も言葉が出てこない。
初めて抱く感情に、心が乱れるばかりで……。
「セレス、命より大切な我が娘」
「……」
「愛しているよ」
「っ! わたしも!」
「セレス」
「わたしも愛しています!」
言えた。
やっと口に出せた。
「ありがとう」
「お父様……」
嫌だ!
離れたくない。
この人を孤独にさせたくない!
お父様は、わたしのお父様。
この世にひとりだけのお父様。
こんなにわたしのことを思ってくれる父親は、お父様だけなんだから。
……。
……。
不思議。
こんなに悲しいのに?
どうして、こんなに嬉しいの?
お父様の愛情は知っていた。
どんな形であれ、確かに存在していると分かっていた。
それなのに、今どうしてこんな気持ちを?
っ!?
頭が痛い!?
でも、駄目。
今は知られちゃ駄目。
もう少しこのままでいたいから。
だから、顔に出ないように耐えないと。
目を瞑って我慢を。
「……」
「……」
温かい。
目を瞑ると余計に実感できる。
お父様の腕の中、ほんとに気持ちがいい。
頭は痛いけど。
朦朧とするけど。
そんなことより……。
……。
……。
わたし……。
わたしは……。
そう……。
わたしは、愛されたかった。
お父様とお母様に愛されたかった。
ふたりの愛情が欲しかった。
ただそれだけ。
わたしが欲しかったのはそれだけ。
それだけなのに……。
駄目だった。
愛してもらえなかった。
きっと、わたしがいけない子だったから。
出来の悪い娘だったから。
力を持っていないから。
だから、愛してくれない。
振り向いてくれない。
いつもひとり。
いつも……。
いつも……寂しかった。
……。
……。
……。
えっ!?
何?
今のは何?
この信じられないような絶望感は?
わたしは、お父様に愛されているのに!
「セレス、大丈夫かい?」
「お父様……」
そうよ。
わたしは、今も昔もお父様に愛されている。
こんなにも深く愛されている。
ずっともらい続けている。
お父様から。
欲しかったものを。
何より欲しかったものを!
ああ、光が!
溢れてくる!
「……」
駄目。
また涙が!
止まらない。
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