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第8章 南部動乱編
黒都カーンゴルム 4
<ヴァルター視点>
「話さないなら、このまま憂鬱な薔薇の拠点に行くまでのこと」
「それは、ちょっと……」
「だったら、喋ればいい」
「その……あんたが……」
「何?」
「あんたが、カーンゴルムで何をしてるのかと思って」
「……」
「ホントなんだって。今回は私の独断で、パーティーは関係ないから」
信じがたいな。
「幻影のヴァルターがカーンゴルムで何もせずに長期滞在しているから、それで気になって……」
憂鬱な薔薇のメンバーが、そんな理由で?
「ほんとに、ホントだから」
簡単に信じられる内容じゃないが、嘘を言っているようにも見えない。
「それだけか?」
「……」
やはり、薔薇のリーダーシャリエルンと話をした方が良さそうだ。
********************
<レザンジュ王国第一王子アイスタージウス視点>
「トゥレイズ城塞の征圧が完了しました」
想定通りだな。
「神娘セレスティーヌについては、現在捜索中です」
「……」
セレスティーヌの生存は嬉しい誤算だったが、まさかトゥレイズから逃してしまうとは……。
が、生きているなら大きな問題じゃない。
手に入れればいいだけ。
簡単なことだ。
「ただ、近い内に見つけ出すことも可能かと」
「ふむ。近い内とは?」
「はっ、10日以内には可能との報告がありました」
「10日……」
ワディナートとトゥレイズを落とした今、残すは神娘だけ。
ならば、すぐに片が付くということであろう。
それにだ。
トゥレイズでの報告で10日以内と言うことなら、今頃は既に捕えている可能性もある。
神娘が我が手に。
ふっ、悪くないな。
「南部方面については、今後ワディナートとトゥレイズの統治に専念することになりそうです」
「陛下のお考えか?」
「はい」
「……」
これで、南部問題はほぼ終わったと見ていい。
もう憂いはない。
ふふ。
何もないな。
「下がって良いぞ」
「はっ」
頭を下げたまま、勅任官が部屋を出て行く。
残ったのは私と腹心のみ。
「殿下、これで整いましたな」
「南部はな。宮はどうだ?」
「無論、終えております」
「うむ」
「こちらについては、心配は無用です」
「……」
長く続けてきた準備も全て終わり、これで先に進める。
ようやくだ。
本当に長かった。
「ただ、エリシティア様が」
「あやつのことは、捨て置けばよい」
いまだキュベルリアに健在のエリシティア。
誤算と言えば誤算だが、それももう大きな問題ではない。
「ですな」
「うむ。今はもう全てが整ったと考えてよいだろう」
時は今か。
「「殿下!」」
「「御決断を!」」
「……」
これまでのことを考えると、万感の思いが込み上げてくる。
抑えきれないその感情の中に、ただひとつ……。
もし可能なら、避けることができるなら。
この手段だけは。
「……」
今さらだな。
そう、詮無きことだ。
「ふふ」
「殿下?」
「ああ、何でもない」
私の中にもまだこんな心が存在する、か。
「それでは?」
だが、それもここまで。
ここでお別れ。
「……決行だ。5日後に決行する!」
過去の私とも、今とも決別!
「万端、怠るなよ」
「「「ははっ!」」」
「話さないなら、このまま憂鬱な薔薇の拠点に行くまでのこと」
「それは、ちょっと……」
「だったら、喋ればいい」
「その……あんたが……」
「何?」
「あんたが、カーンゴルムで何をしてるのかと思って」
「……」
「ホントなんだって。今回は私の独断で、パーティーは関係ないから」
信じがたいな。
「幻影のヴァルターがカーンゴルムで何もせずに長期滞在しているから、それで気になって……」
憂鬱な薔薇のメンバーが、そんな理由で?
「ほんとに、ホントだから」
簡単に信じられる内容じゃないが、嘘を言っているようにも見えない。
「それだけか?」
「……」
やはり、薔薇のリーダーシャリエルンと話をした方が良さそうだ。
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「トゥレイズ城塞の征圧が完了しました」
想定通りだな。
「神娘セレスティーヌについては、現在捜索中です」
「……」
セレスティーヌの生存は嬉しい誤算だったが、まさかトゥレイズから逃してしまうとは……。
が、生きているなら大きな問題じゃない。
手に入れればいいだけ。
簡単なことだ。
「ただ、近い内に見つけ出すことも可能かと」
「ふむ。近い内とは?」
「はっ、10日以内には可能との報告がありました」
「10日……」
ワディナートとトゥレイズを落とした今、残すは神娘だけ。
ならば、すぐに片が付くということであろう。
それにだ。
トゥレイズでの報告で10日以内と言うことなら、今頃は既に捕えている可能性もある。
神娘が我が手に。
ふっ、悪くないな。
「南部方面については、今後ワディナートとトゥレイズの統治に専念することになりそうです」
「陛下のお考えか?」
「はい」
「……」
これで、南部問題はほぼ終わったと見ていい。
もう憂いはない。
ふふ。
何もないな。
「下がって良いぞ」
「はっ」
頭を下げたまま、勅任官が部屋を出て行く。
残ったのは私と腹心のみ。
「殿下、これで整いましたな」
「南部はな。宮はどうだ?」
「無論、終えております」
「うむ」
「こちらについては、心配は無用です」
「……」
長く続けてきた準備も全て終わり、これで先に進める。
ようやくだ。
本当に長かった。
「ただ、エリシティア様が」
「あやつのことは、捨て置けばよい」
いまだキュベルリアに健在のエリシティア。
誤算と言えば誤算だが、それももう大きな問題ではない。
「ですな」
「うむ。今はもう全てが整ったと考えてよいだろう」
時は今か。
「「殿下!」」
「「御決断を!」」
「……」
これまでのことを考えると、万感の思いが込み上げてくる。
抑えきれないその感情の中に、ただひとつ……。
もし可能なら、避けることができるなら。
この手段だけは。
「……」
今さらだな。
そう、詮無きことだ。
「ふふ」
「殿下?」
「ああ、何でもない」
私の中にもまだこんな心が存在する、か。
「それでは?」
だが、それもここまで。
ここでお別れ。
「……決行だ。5日後に決行する!」
過去の私とも、今とも決別!
「万端、怠るなよ」
「「「ははっ!」」」
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