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第9章 推理編
玉璽
<ウィル視点>
「ただ、黒都には極秘の脱出路が存在しますから」
「秘密通路を通ればカーンゴルムの外に出れるんだな?」
「その通りです」
外に出ることが可能。
「……」
「お嬢?」
「ウィルミネア様?」
目の前にいる侍従が全面的に信用できる相手とは限らない。
けれど、陛下に信用され重用されていた彼の言葉。そして今の状況的にも……。
「ウィル様、私も脱出した方が良いと思います」
カロリナもそう考えるのね。
「……分かりました」
「では?」
「ここを出ましょう」
「ウィルミネア様、よくぞ、ご決心を」
ええ、今はそれが最善だと思えるから。
「ってことで、案内を頼むぜ」
「もちろんです。ただ、その前にこちらを」
彼が取り出したのは、絢爛な装飾が施されたとても立派な箱。
片手で持てるほどの大きさではあるものの、非常に高価なものだと一目で分かる。
「これは?」
「どうぞ、お開けください」
これまでの人生で見たこともないような豪華な箱に、恐る恐る手を触れ開いてみると。
「……」
「……国璽?」
「ウィルミネア様、こちらは王位の証たる玉璽にございます」
偽物には見えない。
本物の玉璽なの?
「どうして、これをあなたが?」
「陛下に託されました」
「そんな余裕があったのか?」
「陛下は常に非常時に備えておりましたので」
「……」
「で、これをどうしろと? お嬢にレザンジュの王になれとでもいうのかよ?」
「いえ……」
「なら?」
「勝手なこととは存じておりますが、白都にいらっしゃるエリシティア様に届けていただきたいのです」
コーキさんと白都に向かっていたあの道中で出会ったエリシティア様。
異母姉であるエリシティア様にこの玉璽を?
私が届ける?
「……」
「……」
*********************
<エリシティア視点>
「ギリオン殿の腕、見事なもので」
「ああ、大したものだ」
力に頼った荒い剣だが、それでも上手く使いこなしておる。
大口を叩くだけのことはある、ということか。
「ウォーライルよ、そなたが戦ったらどうかな?」
「……簡単ではありませんね」
なるほど。
勝つ自信があると。
「戦ってみるか」
「いえ、ギリオン殿も疲れているでしょうし」
「ふむ、もう5試合目であったな」
我が騎士たちと剣を交わしたいというギリオンの希望をかなえるために開いた即席の剣合わせ。その大言が嘘でないことを、存分に見せてくれた。
が、さすがに疲労が溜まっているか?
「姫様、オレはまだまだやれるぜ!」
中庭の中央で仁王立ちのギリオン。
息は荒いものの、活力は漲っておる。
「次の相手は誰だ?」
「ウォーライルよ、まだやれそうだぞ」
「……」
「早く出てこねえと、身体が冷えちまうぜ」
「どうする?」
「……では、私が」
「ふむ、楽しませてもらおう」
「はっ」
ウォーライルとギリオン。
はは……。
面白い。
「おっ、次はウォーライルかよ」
キュベルリアでの滞在が想像以上に長引き無聊をかこっておったが、ギリオンが我が屋敷に来てからというもの、退屈など何処かにいってしまったようだな。
中でも、この2人の試合。
心躍るものがあるではないか。
「ただ、黒都には極秘の脱出路が存在しますから」
「秘密通路を通ればカーンゴルムの外に出れるんだな?」
「その通りです」
外に出ることが可能。
「……」
「お嬢?」
「ウィルミネア様?」
目の前にいる侍従が全面的に信用できる相手とは限らない。
けれど、陛下に信用され重用されていた彼の言葉。そして今の状況的にも……。
「ウィル様、私も脱出した方が良いと思います」
カロリナもそう考えるのね。
「……分かりました」
「では?」
「ここを出ましょう」
「ウィルミネア様、よくぞ、ご決心を」
ええ、今はそれが最善だと思えるから。
「ってことで、案内を頼むぜ」
「もちろんです。ただ、その前にこちらを」
彼が取り出したのは、絢爛な装飾が施されたとても立派な箱。
片手で持てるほどの大きさではあるものの、非常に高価なものだと一目で分かる。
「これは?」
「どうぞ、お開けください」
これまでの人生で見たこともないような豪華な箱に、恐る恐る手を触れ開いてみると。
「……」
「……国璽?」
「ウィルミネア様、こちらは王位の証たる玉璽にございます」
偽物には見えない。
本物の玉璽なの?
「どうして、これをあなたが?」
「陛下に託されました」
「そんな余裕があったのか?」
「陛下は常に非常時に備えておりましたので」
「……」
「で、これをどうしろと? お嬢にレザンジュの王になれとでもいうのかよ?」
「いえ……」
「なら?」
「勝手なこととは存じておりますが、白都にいらっしゃるエリシティア様に届けていただきたいのです」
コーキさんと白都に向かっていたあの道中で出会ったエリシティア様。
異母姉であるエリシティア様にこの玉璽を?
私が届ける?
「……」
「……」
*********************
<エリシティア視点>
「ギリオン殿の腕、見事なもので」
「ああ、大したものだ」
力に頼った荒い剣だが、それでも上手く使いこなしておる。
大口を叩くだけのことはある、ということか。
「ウォーライルよ、そなたが戦ったらどうかな?」
「……簡単ではありませんね」
なるほど。
勝つ自信があると。
「戦ってみるか」
「いえ、ギリオン殿も疲れているでしょうし」
「ふむ、もう5試合目であったな」
我が騎士たちと剣を交わしたいというギリオンの希望をかなえるために開いた即席の剣合わせ。その大言が嘘でないことを、存分に見せてくれた。
が、さすがに疲労が溜まっているか?
「姫様、オレはまだまだやれるぜ!」
中庭の中央で仁王立ちのギリオン。
息は荒いものの、活力は漲っておる。
「次の相手は誰だ?」
「ウォーライルよ、まだやれそうだぞ」
「……」
「早く出てこねえと、身体が冷えちまうぜ」
「どうする?」
「……では、私が」
「ふむ、楽しませてもらおう」
「はっ」
ウォーライルとギリオン。
はは……。
面白い。
「おっ、次はウォーライルかよ」
キュベルリアでの滞在が想像以上に長引き無聊をかこっておったが、ギリオンが我が屋敷に来てからというもの、退屈など何処かにいってしまったようだな。
中でも、この2人の試合。
心躍るものがあるではないか。
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