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第9章 推理編
あの時間へ 2
これまでは、なるべく前回の流れに沿うように動いてきた。
が、この直前なら。
「……ヴァーン、警戒は緩めないでくれ」
「ん? まあ……コーキがそう言うなら」
ヴァーンたちが警戒を強めても影響はないはず。
「頼むぞ」
「おうよ」
となると、今の俺がすべきは警戒に加え、犯人を探すこと。
この状況下で、試合以外に気を取られている者はいないか?
セレスさんに意識が向いている者の存在は?
そんなやつがいれば、犯人の可能性が高い。
さあ、尻尾を出せ。
いつまでも隠れてないで、表に出てこい。
「覚悟!」
「あんたこそ、観念……しなさい!」
最後の攻防が始まった。
「たぁ!!」
エレナさんの打突。
それを上段から一閃。
カーン!!
叩き落とすディアナ。
追撃の豪剣がエレナさんの胸元へ。
ガッゴン!!
弾かれた自身の木剣で胸をしたたかに打つエレナさん。
「くっ!!」
全く同じ展開。
何ひとつ変化はない。
「これで最後だ!」
ガゴン!!
「……」
「……」
「それまで!」
試合が終わった。
「「「「「「「「わあぁぁ!!」」」」」」」」
「「「「「「「「おおぉぉ!!」」」」」」」」
ディアナの勝利に沸き立つワディン騎士。
セレス様は!?
「セレス様……?」
「コーキさん、ディアナが勝ちましたよ!」
「……」
「とっても素晴らしい試合でした」
変わることのない血色のよさ。
目にも力がある。
咳もない。
「……」
分かっていた。
ずっと傍で護っていたんだから、毒を口にしていないことなど。
それでも、不安が完全に消えることはなかったんだ。
けど、今回は切り抜けることができたぞ。
セレス様を救うことが……。
溢れ出る安堵に、体と心が弛緩してしまう。
「……」
いや、違う。
まだ終わっていない。
この後に毒が、襲撃があるかもしれないんだ。
何より、犯人を見つけ出せていないんだ。
しっかりしろ。
「「「「「やったぞ!!!」」」」」
「「「「「ディアナ!!!」」」」」
「凄い!」
「ああ、いい試合だった」
盛り上がるワディン騎士たち。
その中におかしな動きをする者は見えない。
「「「「「「……」」」」」
静まりかえる冒険者たち。
やはり、あやしい様子はなし。
エンノアも同じ……。
「ディアナ、よくやった!」
「最高だぜ、ディアナさん!」
ヴァーンたちも喜んでいるだけだ。
「……」
今この瞬間、犯人は動いていないと。
「勝ちました! ディアナさん素敵でした! セレス様!」
「ええ」
「さすがです。さすが、ディアナさんですよ!」
「そうね。でも、ちょっと落ち着いて、シア」
「えっ? あっ……すみません」
「謝らなくていいのよ。ただ、ちょっと腕が痛かったから」
「セレス様の腕を、わたし……申し訳ありません」
興奮のあまり、シアがセレス様の腕を引っ張ってしまったようだ。
平和な眺めだが……。
「だから、謝らなくてもいいの」
「……はい」
「ふふ、シアったら」
「セレス様……」
「さあ、ディアナを迎えましょ」
「はい!」
試合を終えたディアナが戻って来る。
「「「「「「「「わあぁぁ!!」」」」」」」」
勝者を迎え、また歓声が。
そんな歓声の中。
「コホッ」
……えっ!?
が、この直前なら。
「……ヴァーン、警戒は緩めないでくれ」
「ん? まあ……コーキがそう言うなら」
ヴァーンたちが警戒を強めても影響はないはず。
「頼むぞ」
「おうよ」
となると、今の俺がすべきは警戒に加え、犯人を探すこと。
この状況下で、試合以外に気を取られている者はいないか?
セレスさんに意識が向いている者の存在は?
そんなやつがいれば、犯人の可能性が高い。
さあ、尻尾を出せ。
いつまでも隠れてないで、表に出てこい。
「覚悟!」
「あんたこそ、観念……しなさい!」
最後の攻防が始まった。
「たぁ!!」
エレナさんの打突。
それを上段から一閃。
カーン!!
叩き落とすディアナ。
追撃の豪剣がエレナさんの胸元へ。
ガッゴン!!
弾かれた自身の木剣で胸をしたたかに打つエレナさん。
「くっ!!」
全く同じ展開。
何ひとつ変化はない。
「これで最後だ!」
ガゴン!!
「……」
「……」
「それまで!」
試合が終わった。
「「「「「「「「わあぁぁ!!」」」」」」」」
「「「「「「「「おおぉぉ!!」」」」」」」」
ディアナの勝利に沸き立つワディン騎士。
セレス様は!?
「セレス様……?」
「コーキさん、ディアナが勝ちましたよ!」
「……」
「とっても素晴らしい試合でした」
変わることのない血色のよさ。
目にも力がある。
咳もない。
「……」
分かっていた。
ずっと傍で護っていたんだから、毒を口にしていないことなど。
それでも、不安が完全に消えることはなかったんだ。
けど、今回は切り抜けることができたぞ。
セレス様を救うことが……。
溢れ出る安堵に、体と心が弛緩してしまう。
「……」
いや、違う。
まだ終わっていない。
この後に毒が、襲撃があるかもしれないんだ。
何より、犯人を見つけ出せていないんだ。
しっかりしろ。
「「「「「やったぞ!!!」」」」」
「「「「「ディアナ!!!」」」」」
「凄い!」
「ああ、いい試合だった」
盛り上がるワディン騎士たち。
その中におかしな動きをする者は見えない。
「「「「「「……」」」」」
静まりかえる冒険者たち。
やはり、あやしい様子はなし。
エンノアも同じ……。
「ディアナ、よくやった!」
「最高だぜ、ディアナさん!」
ヴァーンたちも喜んでいるだけだ。
「……」
今この瞬間、犯人は動いていないと。
「勝ちました! ディアナさん素敵でした! セレス様!」
「ええ」
「さすがです。さすが、ディアナさんですよ!」
「そうね。でも、ちょっと落ち着いて、シア」
「えっ? あっ……すみません」
「謝らなくていいのよ。ただ、ちょっと腕が痛かったから」
「セレス様の腕を、わたし……申し訳ありません」
興奮のあまり、シアがセレス様の腕を引っ張ってしまったようだ。
平和な眺めだが……。
「だから、謝らなくてもいいの」
「……はい」
「ふふ、シアったら」
「セレス様……」
「さあ、ディアナを迎えましょ」
「はい!」
試合を終えたディアナが戻って来る。
「「「「「「「「わあぁぁ!!」」」」」」」」
勝者を迎え、また歓声が。
そんな歓声の中。
「コホッ」
……えっ!?
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