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第9章 推理編
火事 2
さすがのセレス様も2人の断固たる表情を前にして足が出ないようだ。
「私は……」
ただし、セレス様の表情は諦めた者のそれじゃない。
納得できないと語っている。
「……」
仕方ない、か。
「セレス様、この先には当然火の危険が存在しますし、襲撃の可能性もまだ消えていません」
その上、因果収束の恐れもある。
セレス様が火元に向かうなんて許可できるわけがない。
「ここは自重を」
「ですが!」
「お願いします!」
幻視経験のあるセレス様は他の皆とは違う。
分かってくれるはず。
「どうか!」
「っ……コーキさんがそこまで強く言われるなら」
よかった。
不承不承ながらも受け入れてくれたようだ。
「「セレス様……」」
セレス様と俺が僅かに弛緩する中、呟くディアナとアル。
2人の空気はこちらとは異なっている。
それも当然かもしれないな。
と、その時。
「ユーリア!!」
通路の奥から悲痛な声が響いてきた。
「ユーリアが、ユーリアが火の中に!!」
この声は……フォルディさんだ。
「ユーフィリア?」
「ユーフィリアに何か!?」
ユーフィリア?
セレス様とディアナの耳には、そう聞こえている?
まさか、俺が聞き誤ったのか?
「セレス様、ユーフィリアが魔法に失敗したのかもしれません」
「っ! 助けに行かないと!」
「……私が向かいますので、セレス様はここでお待ちください」
「私も行きます!」
「ですから、この先は危険だと!」
言い争う2人に。
「ユーリアァァ!!」
再びフォルディさんの悲痛な声が届く。
「「!?」」
今度こそ間違いない。
強化した耳で、しっかりと音を拾ったぞ。
「セレス様、あれはユーリアと叫んでいます。ユーフィリアではありません」
「ユーリアさん?」
「以前私が話したエンノアの少女です」
フォルディさんを兄と慕う少女。
俺がブラッドウルフから救ったユーリアだ。
「そう、なのですか?」
「はい。ですので……」
ユーフィリアが無事だとしても、ユーリアが窮地に陥っているという事実は避けられないだろう。
もちろん今の俺が優先すべきはセレス様だと分かっている。が、ユーリアを見捨てていいとも思えない。
「ですので、私が様子を見に行きます」
目的地はすぐそこ。俺が走れば数秒だ。
何かあってもすぐに戻って来れる距離であり、今は近くに犯人らしき者の気配も感じられない。この場にはアルとディアナもいる。
なら、さっきまでの考えを覆してでも俺が行くべき。
ただし、セレス様から離れるのは僅かな時間に限定しなきゃならない。
「分かりました。お願いします、コーキさん」
「私は……」
ただし、セレス様の表情は諦めた者のそれじゃない。
納得できないと語っている。
「……」
仕方ない、か。
「セレス様、この先には当然火の危険が存在しますし、襲撃の可能性もまだ消えていません」
その上、因果収束の恐れもある。
セレス様が火元に向かうなんて許可できるわけがない。
「ここは自重を」
「ですが!」
「お願いします!」
幻視経験のあるセレス様は他の皆とは違う。
分かってくれるはず。
「どうか!」
「っ……コーキさんがそこまで強く言われるなら」
よかった。
不承不承ながらも受け入れてくれたようだ。
「「セレス様……」」
セレス様と俺が僅かに弛緩する中、呟くディアナとアル。
2人の空気はこちらとは異なっている。
それも当然かもしれないな。
と、その時。
「ユーリア!!」
通路の奥から悲痛な声が響いてきた。
「ユーリアが、ユーリアが火の中に!!」
この声は……フォルディさんだ。
「ユーフィリア?」
「ユーフィリアに何か!?」
ユーフィリア?
セレス様とディアナの耳には、そう聞こえている?
まさか、俺が聞き誤ったのか?
「セレス様、ユーフィリアが魔法に失敗したのかもしれません」
「っ! 助けに行かないと!」
「……私が向かいますので、セレス様はここでお待ちください」
「私も行きます!」
「ですから、この先は危険だと!」
言い争う2人に。
「ユーリアァァ!!」
再びフォルディさんの悲痛な声が届く。
「「!?」」
今度こそ間違いない。
強化した耳で、しっかりと音を拾ったぞ。
「セレス様、あれはユーリアと叫んでいます。ユーフィリアではありません」
「ユーリアさん?」
「以前私が話したエンノアの少女です」
フォルディさんを兄と慕う少女。
俺がブラッドウルフから救ったユーリアだ。
「そう、なのですか?」
「はい。ですので……」
ユーフィリアが無事だとしても、ユーリアが窮地に陥っているという事実は避けられないだろう。
もちろん今の俺が優先すべきはセレス様だと分かっている。が、ユーリアを見捨てていいとも思えない。
「ですので、私が様子を見に行きます」
目的地はすぐそこ。俺が走れば数秒だ。
何かあってもすぐに戻って来れる距離であり、今は近くに犯人らしき者の気配も感じられない。この場にはアルとディアナもいる。
なら、さっきまでの考えを覆してでも俺が行くべき。
ただし、セレス様から離れるのは僅かな時間に限定しなきゃならない。
「分かりました。お願いします、コーキさん」
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