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第9章 推理編
治療 4
明らかにさっきまでとはシアの様子が違う。
まだ苦しげな素振りは見えるが、それでも状況が改善していることに疑いはない。
「ぅ……」
よし。
これなら、何とかなる。
今ここで剣を抜き、魔法薬を使えば!
……と?
「ゴホッ!」
なっ!?
「ゴホッ!」
咳?
「ゴホッ、ゴホッ……ゴボッ!」
咳と……喀血!
「おい! どうした!?」
「ディアナ!」
セレス様じゃない。
ディアナが血を!
「ゴホッ、ゴホゥ!!」
「ディアナ、おめえ、今度は何しやがった!」
この症状は、ニレキリの毒!
「ヴァーン、毒だ。毒を飲んだんだ」
「な、んだと! てめえ、自決のつもりか!」
「ゴホッ……もう……意味も、ない……ゴホッ」
「この野郎……」
「ゴホッ、ゴホゥ!!」
このまま死なせるわけにはいかないが、ニレキリの毒に対処する術もない。
俺の力では……。
「コーキさん!」
傍らには、シアから目を逸らそうともしないセレス様。
「早く剣を!」
この状況でも揺らいでいない。
さすがだよ。
「抜いてください!」
「……了解です」
「ディアナ……あの毒ですよね」
そうか。
セレス様は幻視で毒の症状を見ているんだった。
「だと思います」
「分かりました。では、ディアナは私に任せてコーキさんはシアを!」
なっ?
セレス様がディアナのもとに?
「セレス様?」
確かに、今の祝福ならニレキリの毒を抑えることが可能かもしれない。
シアの容態も安定している。
それでも……。
「コーキさんは、シアを!」
セレス様の思いが伝わってくる。
「お願いします!」
これが正解かは分からない。
成否も分からない。
が……。
やるしかないか。
ああ、最善を尽くすのみだな。
「了解しました」
「ゴホッ、ゴホッ……セレスティーヌ様?」
「祝福で治療します」
「ゴホッ……不要です。私はあなたを狙ったのですよ……ゴホッ!!」
「それでも治療します」
「……」
「セレスさん、いいのかよ」
「セレスティーヌ様?」
「先ほどの凶行は許せるものじゃありません。けれど、だからといって、ディアナを見捨てることもできません」
「……」
「これまでの全てが消えるわけではありませんから」
「セレスティーヌ様……ゴホッ、ゴホゥ!!」
「話は後です。今は大人しく治療を受け入れなさい」
「……」
シアを包んだ温もりと同じ温もり。
それがディアナをゆっくりと包み込んでいく。
ニレキリの毒にも対抗できる。
そう思わせてくれる温もりだ。
「……」
こっちも始めよう。
「シア、始めるぞ」
「先生……お願いします」
「シア!」
ディアナをセレス様に任せたヴァーンがシアの傍らに。
シアの右手を両手で包み、励まそうとしている。
「ヴァーン……」
「必ず助けてやるからな、シア。頑張るんだ!」
「……うん、ありがと、ヴァーン」
今のシアは安定状態。
ここで剣を抜き、傷口に魔法薬をかければ出血を最小限に留めることができるだろう。
なら、助けることも可能。
そのはずだ!
「……抜くぞ!」
「はい」
まだ苦しげな素振りは見えるが、それでも状況が改善していることに疑いはない。
「ぅ……」
よし。
これなら、何とかなる。
今ここで剣を抜き、魔法薬を使えば!
……と?
「ゴホッ!」
なっ!?
「ゴホッ!」
咳?
「ゴホッ、ゴホッ……ゴボッ!」
咳と……喀血!
「おい! どうした!?」
「ディアナ!」
セレス様じゃない。
ディアナが血を!
「ゴホッ、ゴホゥ!!」
「ディアナ、おめえ、今度は何しやがった!」
この症状は、ニレキリの毒!
「ヴァーン、毒だ。毒を飲んだんだ」
「な、んだと! てめえ、自決のつもりか!」
「ゴホッ……もう……意味も、ない……ゴホッ」
「この野郎……」
「ゴホッ、ゴホゥ!!」
このまま死なせるわけにはいかないが、ニレキリの毒に対処する術もない。
俺の力では……。
「コーキさん!」
傍らには、シアから目を逸らそうともしないセレス様。
「早く剣を!」
この状況でも揺らいでいない。
さすがだよ。
「抜いてください!」
「……了解です」
「ディアナ……あの毒ですよね」
そうか。
セレス様は幻視で毒の症状を見ているんだった。
「だと思います」
「分かりました。では、ディアナは私に任せてコーキさんはシアを!」
なっ?
セレス様がディアナのもとに?
「セレス様?」
確かに、今の祝福ならニレキリの毒を抑えることが可能かもしれない。
シアの容態も安定している。
それでも……。
「コーキさんは、シアを!」
セレス様の思いが伝わってくる。
「お願いします!」
これが正解かは分からない。
成否も分からない。
が……。
やるしかないか。
ああ、最善を尽くすのみだな。
「了解しました」
「ゴホッ、ゴホッ……セレスティーヌ様?」
「祝福で治療します」
「ゴホッ……不要です。私はあなたを狙ったのですよ……ゴホッ!!」
「それでも治療します」
「……」
「セレスさん、いいのかよ」
「セレスティーヌ様?」
「先ほどの凶行は許せるものじゃありません。けれど、だからといって、ディアナを見捨てることもできません」
「……」
「これまでの全てが消えるわけではありませんから」
「セレスティーヌ様……ゴホッ、ゴホゥ!!」
「話は後です。今は大人しく治療を受け入れなさい」
「……」
シアを包んだ温もりと同じ温もり。
それがディアナをゆっくりと包み込んでいく。
ニレキリの毒にも対抗できる。
そう思わせてくれる温もりだ。
「……」
こっちも始めよう。
「シア、始めるぞ」
「先生……お願いします」
「シア!」
ディアナをセレス様に任せたヴァーンがシアの傍らに。
シアの右手を両手で包み、励まそうとしている。
「ヴァーン……」
「必ず助けてやるからな、シア。頑張るんだ!」
「……うん、ありがと、ヴァーン」
今のシアは安定状態。
ここで剣を抜き、傷口に魔法薬をかければ出血を最小限に留めることができるだろう。
なら、助けることも可能。
そのはずだ!
「……抜くぞ!」
「はい」
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