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第9章 推理編
治療 6
「何つっていいか……」
そうか。
ヴァーンはそこまでシアのことを。
「とにかく、あれだ」
「……」
「ありがとよ」
「いや……今回はセレス様の祝福があったからこそだ」
俺の力だけで助けるのは難しかった。
それは間違いない。
「もちろん、セレスさんにも感謝してる」
「ああ」
そのセレス様は少し離れた位置でディアナの治療中。
「シア、もう大丈夫なのですね?」
祝福を切らすことなく、一瞬だけ視線をシアに向けてくる。
「はい。セレス様のおかげです。本当にありがとうございました」
「何を言っているの。あなたが私を助けてくれたのに」
「それは、当然のことですから。あっ、わたしも手伝います」
言葉とともに立ち上がろうとするシア。
が、足元がおぼつかない。
「何してんだ、シア。まだ動ける状態じゃねえんだぞ」
「でも……」
「でもじゃねえ!」
「……」
「ヴァーンの言う通りだ。シアはゆっくり休んでくれ」
「先生……分かりました」
「ヴァーン、シアはこのまま寝かせてやれよ」
治療が上手くいったとはいえ、身体には大きな負担がかかっているだろう。
それに、ここまでの治療の影響で眠くなるはずだからな。
一度睡眠をとった方がいい。
「分かってる」
「任せたぞ」
「ああ」
症状の落ち着いたシアをヴァーンに任せ、俺はセレス様のもとへ。
「ゴホッ、ゴホッ!」
先程から祝福を受け続けているディアナだが、依然咳は止まっていない。
ただ喀血の症状は治まっているような……。
「ゴホッ」
俺の治癒魔法でも魔法薬を使っても、治癒することができなかったこの症状。
過去数度に渡って自身の命を奪ってきたニレキリ毒を治癒しようとしているセレス様。ただ、今の祝福の力をもってしても簡単なことじゃないはず。
それなのに……。
やはり、喀血が止まっているように見える。
ディアナの毒症状が改善しているのか?
「……」
ディアナの命を助けることができるかどうかはまだ分からない。
それでも、祝福の治療効果が出ていることだけは確かだ。
「コホッ……」
シアの治療といい、ニレキリの解毒といい、祝福にここまでの治療効果があるとは嬉しい誤算だ。全てはセレス様の成長ゆえなのだろうな。
と、ディアナが落ち着いてきたところに。
「ディアナ、喋れるようになったんなら、きっちり話してもらうぞ」
シアの傍らからヴァーンの声。
その刺々しさはさっきと変わっていない。
シアは、ヴァーンに守られて眠っているようだ。
「……シア殿を傷つけるつもりはなかった」
「そいつはもう分かってる」
「……」
「どうしてセレス様を狙った? ユーフィリアの言うように忠義が本物なら理由があんだろうよ」
「ヴァーンには関係ない……ゴホッ」
「この期に及んで何言ってやがる」
「……」
「てめえ、まさか……誰かの指示で動いてんじゃねえよな?」
それは俺も疑っていたこと。
今回のディアナの凶行については腑に落ちない点が多いからだ。
そうか。
ヴァーンはそこまでシアのことを。
「とにかく、あれだ」
「……」
「ありがとよ」
「いや……今回はセレス様の祝福があったからこそだ」
俺の力だけで助けるのは難しかった。
それは間違いない。
「もちろん、セレスさんにも感謝してる」
「ああ」
そのセレス様は少し離れた位置でディアナの治療中。
「シア、もう大丈夫なのですね?」
祝福を切らすことなく、一瞬だけ視線をシアに向けてくる。
「はい。セレス様のおかげです。本当にありがとうございました」
「何を言っているの。あなたが私を助けてくれたのに」
「それは、当然のことですから。あっ、わたしも手伝います」
言葉とともに立ち上がろうとするシア。
が、足元がおぼつかない。
「何してんだ、シア。まだ動ける状態じゃねえんだぞ」
「でも……」
「でもじゃねえ!」
「……」
「ヴァーンの言う通りだ。シアはゆっくり休んでくれ」
「先生……分かりました」
「ヴァーン、シアはこのまま寝かせてやれよ」
治療が上手くいったとはいえ、身体には大きな負担がかかっているだろう。
それに、ここまでの治療の影響で眠くなるはずだからな。
一度睡眠をとった方がいい。
「分かってる」
「任せたぞ」
「ああ」
症状の落ち着いたシアをヴァーンに任せ、俺はセレス様のもとへ。
「ゴホッ、ゴホッ!」
先程から祝福を受け続けているディアナだが、依然咳は止まっていない。
ただ喀血の症状は治まっているような……。
「ゴホッ」
俺の治癒魔法でも魔法薬を使っても、治癒することができなかったこの症状。
過去数度に渡って自身の命を奪ってきたニレキリ毒を治癒しようとしているセレス様。ただ、今の祝福の力をもってしても簡単なことじゃないはず。
それなのに……。
やはり、喀血が止まっているように見える。
ディアナの毒症状が改善しているのか?
「……」
ディアナの命を助けることができるかどうかはまだ分からない。
それでも、祝福の治療効果が出ていることだけは確かだ。
「コホッ……」
シアの治療といい、ニレキリの解毒といい、祝福にここまでの治療効果があるとは嬉しい誤算だ。全てはセレス様の成長ゆえなのだろうな。
と、ディアナが落ち着いてきたところに。
「ディアナ、喋れるようになったんなら、きっちり話してもらうぞ」
シアの傍らからヴァーンの声。
その刺々しさはさっきと変わっていない。
シアは、ヴァーンに守られて眠っているようだ。
「……シア殿を傷つけるつもりはなかった」
「そいつはもう分かってる」
「……」
「どうしてセレス様を狙った? ユーフィリアの言うように忠義が本物なら理由があんだろうよ」
「ヴァーンには関係ない……ゴホッ」
「この期に及んで何言ってやがる」
「……」
「てめえ、まさか……誰かの指示で動いてんじゃねえよな?」
それは俺も疑っていたこと。
今回のディアナの凶行については腑に落ちない点が多いからだ。
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