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第9章 推理編
解除して!
<壬生伊織視点>
「お兄様?」
「……そうだな。私はもう充分に働いたからな」
「ええ」
「あとの処理は、おまえがやっておけよ」
「お任せください。お兄様はごゆるりと」
「ああ」
兄が2人の異能者を引き連れ、この場を離れていく。
これで、愚かな邪魔者はいなくなったと。
「さて、吾妻さん、状況を説明していただけますかしら?」
「……4人を捕えている」
「それは聞きましたわ」
「ここに連れてくるべきだったか?」
「ふふ、どうなんでしょ」
「必要なら、今すぐ戻るが?」
「おふたりとも、ちょっと待ってください」
吾妻の後ろに控えていた空間異能者が慌てている。
「何ですの?」
「さすがに少し休まないと、上手く力を使えませんよ」
「あら、そう?」
「そうなんです。移動はほんと大変なんですから」
特に人を連れての位相移動は力を大量に消費すると言っていたな。
「ならば、少し休むとしよう。空間に戻るのは、そのあとだ」
*************************
<和見幸奈視点>
「早くふたりを助けなきゃ! 武志もそう思うでしょ!」
「……」
「結界を解いて!」
「……解除はしない」
「このまま放っておけないわ!」
「古野白さんも武上さんも、姉さんを護るために戦ってる。もちろん、僕も。分かるだろ!」
そんなこと分かってる。
でも、倒れているふたりを見て何もしないなんて!
「……」
わたしが外に出ても何もできないかもしれない。
足手まといになるだけかもしれない。
けど、テポレン山で発動したあの異能を使えれば。
少しの間、敵の動きを止めることができるはず。
その隙に、ふたりを助けることも。
「古野白さんと武上君がこっちに逃げてきたら、結界内に取り込むことはできるかな?」
「無理だ。一度結界を解除したら、すぐに再発動はできない」
「そんな……」
結界でふたりを護れないなんて。
敵の動きを止める意味が……。
いいえ。
意味は、あるわ。
まったく動けない敵相手なら、何とかなる。
わたしでも攻撃できる。
問題は、今のわたしが異能を使いこなせるか?
仮に発動したとして、あの恐ろしい異能者を完全に止める力があるのかってこと?
「……」
分からない。
けど、ここで黙って見ているよりはまし。
「姉さん?」
身体の奥底が騒ぎ出している。
今も残るセレスさんの残滓がわたしを促している。
「我慢してくれよ、姉さん」
「武志……」
ごめん。
もう我慢できそうにない。
今すぐにでも……。
ガシャーーン!!
「!?」
何?
「まずいぞ! アンチUPが破壊された!」
破壊された?
アンチUPが?
「っ! 武志、早く解除して!」
「……」
「外に出して! ふたりが危ないの!」
「姉さんも危ないだろ!」
「わたしは大丈夫!」
「何言ってんだよ……って、ちょっと待って」
「……」
「あいつら、出て行く気か?」
「お兄様?」
「……そうだな。私はもう充分に働いたからな」
「ええ」
「あとの処理は、おまえがやっておけよ」
「お任せください。お兄様はごゆるりと」
「ああ」
兄が2人の異能者を引き連れ、この場を離れていく。
これで、愚かな邪魔者はいなくなったと。
「さて、吾妻さん、状況を説明していただけますかしら?」
「……4人を捕えている」
「それは聞きましたわ」
「ここに連れてくるべきだったか?」
「ふふ、どうなんでしょ」
「必要なら、今すぐ戻るが?」
「おふたりとも、ちょっと待ってください」
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「何ですの?」
「さすがに少し休まないと、上手く力を使えませんよ」
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「……」
「結界を解いて!」
「……解除はしない」
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そんなこと分かってる。
でも、倒れているふたりを見て何もしないなんて!
「……」
わたしが外に出ても何もできないかもしれない。
足手まといになるだけかもしれない。
けど、テポレン山で発動したあの異能を使えれば。
少しの間、敵の動きを止めることができるはず。
その隙に、ふたりを助けることも。
「古野白さんと武上君がこっちに逃げてきたら、結界内に取り込むことはできるかな?」
「無理だ。一度結界を解除したら、すぐに再発動はできない」
「そんな……」
結界でふたりを護れないなんて。
敵の動きを止める意味が……。
いいえ。
意味は、あるわ。
まったく動けない敵相手なら、何とかなる。
わたしでも攻撃できる。
問題は、今のわたしが異能を使いこなせるか?
仮に発動したとして、あの恐ろしい異能者を完全に止める力があるのかってこと?
「……」
分からない。
けど、ここで黙って見ているよりはまし。
「姉さん?」
身体の奥底が騒ぎ出している。
今も残るセレスさんの残滓がわたしを促している。
「我慢してくれよ、姉さん」
「武志……」
ごめん。
もう我慢できそうにない。
今すぐにでも……。
ガシャーーン!!
「!?」
何?
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破壊された?
アンチUPが?
「っ! 武志、早く解除して!」
「……」
「外に出して! ふたりが危ないの!」
「姉さんも危ないだろ!」
「わたしは大丈夫!」
「何言ってんだよ……って、ちょっと待って」
「……」
「あいつら、出て行く気か?」
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