965 / 1,640
第9章 推理編
六感?
<古野白楓季視点>
確かに感じるこの気配。
「幸奈さんなの?」
『良かった! 喋れるんですね』
腕を伸ばして、幸奈さんに触れて……いるか分かるわけもないか。
『それに動ける!』
でも、そこに幸奈さんがいる。
きっといる。
そう思えるだけで、失いかけていた自分を取り戻すことが……っ!?
「幸奈さん、離れて! 敵がいるのよ!」
そうだ。
近くには吾妻がいる。
幸奈さんに危険が!
『……』
「早く離れて!」
っ!
幸奈さんの気配が消えない。
私の声が聞こえないの?
それとも、私の錯覚?
もう離れた?
『……大丈夫です』
違う。
幸奈さんは、まだ傍にいるわ。
どうして?
「吾妻は?」
『もういません』
「吾妻と他の異能者は?」
『ですから、もういません』
「幸奈さん、大丈夫? 大丈夫なの?」
『……』
「怪我してない? 武志君は?」
『まさか……聞こえないんですか!?』
もちろん、声なんて聞こえない。
ただ、この感じは……。
幸奈さんは落ち着いている?
危険を感じていない?
『見えないんですか!』
「安全、なのね?」
『……』
何が起こっているのか分からない。
吾妻が考えていることも理解できない。
でも、危険がないのなら現状を伝えないと。
「異能を受けた影響で、一時的に感覚を、五感を失っているの」
『えっ!?』
「……」
幸奈さんが私の声を聞いているのか、会話が成り立っているのかどうか?
全てが不明な中。
今は一方的に話すしか。
「喋ることはできるのだけれど、幸奈さんの声は聞こえないし姿も見えない。触れても感じることができないから」
『そんな!』
「幸奈さんは平気なのよね? もし危険があるなら、自分のことだけ考えて」
『古野白さん……』
「私は大丈夫。異能の効力が切れれば元に戻るはずよ」
きっと、すぐに五感は回復する。
これ以上吾妻が異能を使わないのなら、大丈夫。
でも、異能を使わないなんて?
この状況で安全だなんて?
やっぱり、信じられない。
いったい、どういうことなの?
「……」
まったく見当もつかないわよ。
**********************
<和見幸奈視点>
「古野白さんと武上君、敵の異能で五感を失っているみたい」
「うん。五感を全て奪う異能か」
そんな異能、考えたこともなかった。
「どうすればいいと思う?」
「待つしかないよ。異能の効力なんて、そう長くは続かないはずだし」
「敵が戻ってきたら?」
「僕が結界で守る」
「……」
「姉さん、ごめん。他にできることがないんだ」
「武志は何も悪くないわ」
謝らなきゃいけないのは、わたしの方。
「でも、僕に攻撃手段があれば」
「凄い結界を使えるじゃない。こうして無事でいられるのは、武志のおかげなのよ。本当に感謝してるの」
心からそう思う。
だから、そんな顔しないで。
「姉さん……」
「安心して、わたしも頑張るから」
確かに感じるこの気配。
「幸奈さんなの?」
『良かった! 喋れるんですね』
腕を伸ばして、幸奈さんに触れて……いるか分かるわけもないか。
『それに動ける!』
でも、そこに幸奈さんがいる。
きっといる。
そう思えるだけで、失いかけていた自分を取り戻すことが……っ!?
「幸奈さん、離れて! 敵がいるのよ!」
そうだ。
近くには吾妻がいる。
幸奈さんに危険が!
『……』
「早く離れて!」
っ!
幸奈さんの気配が消えない。
私の声が聞こえないの?
それとも、私の錯覚?
もう離れた?
『……大丈夫です』
違う。
幸奈さんは、まだ傍にいるわ。
どうして?
「吾妻は?」
『もういません』
「吾妻と他の異能者は?」
『ですから、もういません』
「幸奈さん、大丈夫? 大丈夫なの?」
『……』
「怪我してない? 武志君は?」
『まさか……聞こえないんですか!?』
もちろん、声なんて聞こえない。
ただ、この感じは……。
幸奈さんは落ち着いている?
危険を感じていない?
『見えないんですか!』
「安全、なのね?」
『……』
何が起こっているのか分からない。
吾妻が考えていることも理解できない。
でも、危険がないのなら現状を伝えないと。
「異能を受けた影響で、一時的に感覚を、五感を失っているの」
『えっ!?』
「……」
幸奈さんが私の声を聞いているのか、会話が成り立っているのかどうか?
全てが不明な中。
今は一方的に話すしか。
「喋ることはできるのだけれど、幸奈さんの声は聞こえないし姿も見えない。触れても感じることができないから」
『そんな!』
「幸奈さんは平気なのよね? もし危険があるなら、自分のことだけ考えて」
『古野白さん……』
「私は大丈夫。異能の効力が切れれば元に戻るはずよ」
きっと、すぐに五感は回復する。
これ以上吾妻が異能を使わないのなら、大丈夫。
でも、異能を使わないなんて?
この状況で安全だなんて?
やっぱり、信じられない。
いったい、どういうことなの?
「……」
まったく見当もつかないわよ。
**********************
<和見幸奈視点>
「古野白さんと武上君、敵の異能で五感を失っているみたい」
「うん。五感を全て奪う異能か」
そんな異能、考えたこともなかった。
「どうすればいいと思う?」
「待つしかないよ。異能の効力なんて、そう長くは続かないはずだし」
「敵が戻ってきたら?」
「僕が結界で守る」
「……」
「姉さん、ごめん。他にできることがないんだ」
「武志は何も悪くないわ」
謝らなきゃいけないのは、わたしの方。
「でも、僕に攻撃手段があれば」
「凄い結界を使えるじゃない。こうして無事でいられるのは、武志のおかげなのよ。本当に感謝してるの」
心からそう思う。
だから、そんな顔しないで。
「姉さん……」
「安心して、わたしも頑張るから」
あなたにおすすめの小説
ひだまりのFランク冒険者
みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。
そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。
そんな中
冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。
その名は、リルド。
彼は、特に何もない感じに毎日
「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。
この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!
TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。
その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。
競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。
俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。
その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。
意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。
相変わらずの豪華客船の中だった。
しかし、そこは地球では無かった。
魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。
船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。
ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ……
果たして、地球と東の運命はどうなるの?
[完]異世界銭湯
三園 七詩
ファンタジー
下町で昔ながらの薪で沸かす銭湯を経営する一家が住んでいた。
しかし近くにスーパー銭湯が出来てから客足が激減…このままでは店を畳むしかない、そう思っていた。
暗い気持ちで目覚め、いつもの習慣のように準備をしようと外に出ると…そこは見慣れた下町ではなく見たことも無い場所に銭湯は建っていた…
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。
ネット小説やファンタジー小説が好きな少年、洲河 慱(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りに雑談をしていると突然魔法陣が現れて光に包まれて…
幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は【勇者】【賢者】【剣聖】【聖女】という素晴らしいジョブを手に入れたけど、僕はそれ以上のジョブと多彩なスキルを手に入れた。
王宮からは、過去の勇者パーティと同じジョブを持つ幼馴染達が世界を救うのが掟と言われた。
なら僕は、夢にまで見たこの異世界で好きに生きる事を選び、幼馴染達とは別に行動する事に決めた。
自分のジョブとスキルを駆使して無双する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」で、慱が本来の力を手に入れた場合のもう1つのパラレルストーリー。
11月14日にHOT男性向け1位になりました。
応援、ありがとうございます!
病弱設定されているようです
との
恋愛
『あのようにご立派な家門にお産まれになられたのに⋯⋯お可哀想なご令嬢だそうですのよ』
なんて噂が流れているけれど、誰も会ったことがないミリー・ミッドランド侯爵令嬢。
ネグレクトなんて言葉はない時代に生まれ落ちて、前世の記憶を取り戻したら⋯⋯。
前世の記憶と共に無双します!
再開しました。完結まで続投です。
ーーーーーー
恋愛小説大賞27位、ありがとうございました(感謝)
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定。
完結確定、R15は念の為・・