1,002 / 1,640
第10章 位相編
出動
「楓季ちゃん、何があったの?」
「また野良の異能者か?」
「今回は違うわ」
「ってことは異形?」
「……ええ」
近くで異形が出たんだな。
「そうか、異形討伐かぁ。はっ、腕が鳴るぜ」
「3人での実戦は久しぶりだもんね」
「だな」
しかし、15歳の異能者が異形討伐に参加するとは……。
「でもさ、なぜボクたちなの? ベテランの皆さんは?」
「今は手が足りない状況みたい。さあ、ふたりとも早く準備して」
「了解だ。で、集合は1階でいいのか?」
「ええ、玄関で待ってるわ」
その返事に頷き、駆け出すふたり。
後を追うように古野白さんも地下の訓練室を出ようとしている。
当然、俺たちも3人について行く。
すると、扉に手をかけた古野白さんが振り返り。
「あなたたちは、ここで待ってて」
「いいや、一緒に行く」
「駄目。ここから先は私たちの仕事なの。危険なの」
「怪物と戦うから危ないのか?」
「あなた……どこまで知って?」
「特に何も」
「ほんとに?」
「一般人の俺が詳しく知っているわけないだろ」
ただし、多少の知識は頭に入っている。
研究所で異形の生態について話を聞いたことがあるし、討伐にも1度だけ同行経験があるからな。
「あなたが本当に一般人、普通人ならね」
「なら、間違いない」
「……はぁぁ」
そんな大きな溜息はつかないでくれ。
というか、15歳の少女にそれは似合わないぞ。
「とにかく、異形は危険なの。だから、ふたりはここにいて」
「君も武上君も戦うのに?」
「……」
「君たち中高生が戦うのを黙って見てはいられないな」
「それは違う。私たちは異能を持っているし特別な訓練も受けてるから、普通の学生とは違うのよ」
「普通じゃないから、戦う力があると?」
「ええ」
「そういうことなら、普通じゃない武上君に模擬戦で勝った一般人にも戦う力量があるってことになる」
「……」
「その上、身分証明用のカードも持ってるんだ。君たち異能者と行動を共にしても問題ないんじゃないか?」
「有馬さん……。確かにあなたの力は認めるわ。けれど、異形は人とは違うの。異能なしで戦うなんてあり得ないことなのよ」
「大丈夫。そこは気にしなくていい」
こっちには魔力もあるからな。
「どうして……」
ん?
「どうして、そこまでして戦いたいの?」
「何が何でも戦いたい、というわけでもないぞ」
「だったら?」
君たちのことが気になるのと、鷹郷さんに一刻も早く会いたいからだよ。
「ところで、急いでいるんだろ?」
「……」
「さあ、1階に行こう」
「えっ、えっ? ちょっと?」
躊躇している古野白さんを連れ出すように訓練室を出て階上へ向かう。
多少強引なのは許してほしい。
「また野良の異能者か?」
「今回は違うわ」
「ってことは異形?」
「……ええ」
近くで異形が出たんだな。
「そうか、異形討伐かぁ。はっ、腕が鳴るぜ」
「3人での実戦は久しぶりだもんね」
「だな」
しかし、15歳の異能者が異形討伐に参加するとは……。
「でもさ、なぜボクたちなの? ベテランの皆さんは?」
「今は手が足りない状況みたい。さあ、ふたりとも早く準備して」
「了解だ。で、集合は1階でいいのか?」
「ええ、玄関で待ってるわ」
その返事に頷き、駆け出すふたり。
後を追うように古野白さんも地下の訓練室を出ようとしている。
当然、俺たちも3人について行く。
すると、扉に手をかけた古野白さんが振り返り。
「あなたたちは、ここで待ってて」
「いいや、一緒に行く」
「駄目。ここから先は私たちの仕事なの。危険なの」
「怪物と戦うから危ないのか?」
「あなた……どこまで知って?」
「特に何も」
「ほんとに?」
「一般人の俺が詳しく知っているわけないだろ」
ただし、多少の知識は頭に入っている。
研究所で異形の生態について話を聞いたことがあるし、討伐にも1度だけ同行経験があるからな。
「あなたが本当に一般人、普通人ならね」
「なら、間違いない」
「……はぁぁ」
そんな大きな溜息はつかないでくれ。
というか、15歳の少女にそれは似合わないぞ。
「とにかく、異形は危険なの。だから、ふたりはここにいて」
「君も武上君も戦うのに?」
「……」
「君たち中高生が戦うのを黙って見てはいられないな」
「それは違う。私たちは異能を持っているし特別な訓練も受けてるから、普通の学生とは違うのよ」
「普通じゃないから、戦う力があると?」
「ええ」
「そういうことなら、普通じゃない武上君に模擬戦で勝った一般人にも戦う力量があるってことになる」
「……」
「その上、身分証明用のカードも持ってるんだ。君たち異能者と行動を共にしても問題ないんじゃないか?」
「有馬さん……。確かにあなたの力は認めるわ。けれど、異形は人とは違うの。異能なしで戦うなんてあり得ないことなのよ」
「大丈夫。そこは気にしなくていい」
こっちには魔力もあるからな。
「どうして……」
ん?
「どうして、そこまでして戦いたいの?」
「何が何でも戦いたい、というわけでもないぞ」
「だったら?」
君たちのことが気になるのと、鷹郷さんに一刻も早く会いたいからだよ。
「ところで、急いでいるんだろ?」
「……」
「さあ、1階に行こう」
「えっ、えっ? ちょっと?」
躊躇している古野白さんを連れ出すように訓練室を出て階上へ向かう。
多少強引なのは許してほしい。
あなたにおすすめの小説
ひだまりのFランク冒険者
みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。
そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。
そんな中
冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。
その名は、リルド。
彼は、特に何もない感じに毎日
「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。
この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!
TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。
その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。
競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。
俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。
その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。
意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。
相変わらずの豪華客船の中だった。
しかし、そこは地球では無かった。
魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。
船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。
ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ……
果たして、地球と東の運命はどうなるの?
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル
14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった
とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり
奥さんも少女もいなくなっていた
若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました
いや~自炊をしていてよかったです
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
[完]異世界銭湯
三園 七詩
ファンタジー
下町で昔ながらの薪で沸かす銭湯を経営する一家が住んでいた。
しかし近くにスーパー銭湯が出来てから客足が激減…このままでは店を畳むしかない、そう思っていた。
暗い気持ちで目覚め、いつもの習慣のように準備をしようと外に出ると…そこは見慣れた下町ではなく見たことも無い場所に銭湯は建っていた…