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第10章 位相編
邪狼狗 2
「えっ、晴海??」
「母さん!?」
「晴海、あなたがどうしてこんな所に?」
どうやら、一般人の中に里村少年の母親もいたようだ。
そういえば、実家がこの近くだと里村は言っていたな。
「どうして?」
「……」
戸惑う里村少年に鷹郷さんが顔を寄せ。
「……」
耳打ちを?
「……はい」
「……」
「……そうですね。すぐ始めます」
頷く里村少年の横には困惑した表情の母親。
まだ呆然と立ち尽くしている。
里村少年の母親だけじゃない。
「いったい? どういうこと?」
「何が起こって……?」
一般人の女性ふたりも色を失っている。
明らかに喪心状態だ。
「あなたたち、何?」
「あれは何だったの?」
まさか、異形を見たのか?
簡単には見えないはずの異形の姿を?
「私たちをどうするつもり?」
「やめて、触らないで!」
「皆さん、大丈夫です。落ち着いてください」
「何が大丈夫なのよ!」
かなり厄介な状況だ。
が、ここには里村少年がいる。
記憶消去の異能があれば、問題はないはず。
「里村」
「了解です」
表情を消した里村少年。
まずは母親に手をかざそうとした、その時!?
「!?」
「っ!!」
「えっ?」
「これは!?」
「何!?」
一斉に動きを止める異能者たち。
「……」
この空気を感じ取ったのなら当然か。
「あれは!?」
「何なんだ!?」
巨大蜘蛛が砕け散った落とし穴の中。
そこに、蜘蛛以上の威圧感を発する化け物が現れたのだから。
「異形……」
「また異形が……」
どこからともなく姿を現したのは、2つの尻尾を持つ人型の異形。
巫女のような衣装に、美しい銀の毛並みの尻尾と耳という和風獣人のような姿をしている。
「「「「……」」」」
体躯は普通の女性と変わりはない。
見た目は、2つの尻尾を持つ狼系女性獣人そのものだ。
ただ、その身から発する圧力が尋常ならざる者だと告げてくる。
『フフ、ハハ *〇&……』
「えっ!?」
「笑い声?」
『フフ……$%@ 解放してくれた&●◇』
「なっ!?」
「喋ったぞ!?」
「異形が??」
所どころ聞こえない箇所もあるが、間違いない。
異形が日本語を話している。
『 〇%& おぬしたち □&』
「頭が?」
「何なんだ?」
いや、違うのか?
これは、脳に直接響いてる?
テレパシー?
『フフ、ハハ……ここまで△#&%〇』
やはり、テレパシーだ。
『感謝 #&〇 □』
「うっ!」
「っ!」
『@¥&#なるまいな』
しかし、分かりづらいぞ。
何を言ってる?
『が、封じたのも *@□%〇#!!』
っと?
「「!?」」
「「えっ!?」」
威圧感が増した!
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