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第10章 位相編
邪狼狗 3
「おまえ……言葉を扱えるのか?」
圧力を受け、鷹郷さんの声もかすれている。
『人語 $#*、容易いもの』
「……里村、皆さんを連れて後ろへ」
「分かりました! 母さん、皆さん、それに幸奈さんも、こっちに来てください」
「晴海!?」
「説明は後でするから、とりあえずこっちに」
「何なの、もう、何なの??」
「いや、やめて!」
女性たちの混乱が増している。
「急いでください」
そんな3人を強制的に連れ出し、幸奈とともに後退して行く里村少年。
『無駄な 〇@&。皆殺しの運命は #:@□&#$』
「……我々も少し退くぞ。退いて態勢を整える」
「「「「はい」」」」
『無駄だと言って &%$』
銀狼の異形が穴の中から跳躍。
一瞬で後退する鷹郷さんたち5人の面前に。
「「「「……」」」」
『土蜘蛛を下すとは □*‘$#。おかげで封も解け、〇%‘&□』
「……蜘蛛の中に封印されていたと?」
『そう 〇$*;@の祖によって 〇&*+ の中にな』
異形の中に異形が封印されていたのか?
『△●百年もの□@¥&』
「百年……まさか、邪狼狗?」
『久しぶりに聞く □@*』
「邪狼狗……」
どこかで聞いたような……。
「鷹郷さん、それ何なんです?」
「異能者の先達が数百年前に封印したとされる大異形だ」
「先達が封印??」
「大異形??」
「詳しい資料は残っていないが、こいつが普通の異形でないことだけは確かだろう」
「「「「……」」」」
大異形邪狼狗。
やはり、どこで聞いたのか思い出せない。
それでも、こいつが邪狼狗であることは間違いない。
俺の鑑定にそう表示されているのだから。
邪狼狗
???
???
???
HP 215
SP ???
STR ???
AGI 181
INT ???
<スキル>
???
しかし、まいったな。
不明な点が多すぎるぞ。
これじゃ、戦略を考えるのが難しくなってしまう。
ただ、こいつのHP(生命力)とAGI(敏捷性)は……。
並じゃないことだけは明らかだな。
それに何より、発する気が尋常じゃない。
さっきの巨大蜘蛛とは比べ物にならないものがある。
とはいえ、異世界の超常と比べたら……。
『フフ、封緘の恨、解放の謝恩。どちらが上 %$‘@』
「「「「「……」」」」」
凄惨妖艶な銀狼の笑みに、息を飲む異能者たち。
『〇*@、苦しまずに送って $□:%』
と、ここでまた威圧感が増した。
戦意も上昇している。
「っ! 古野白、武上、おまえたちは退け!」
「鷹郷さんは?」
「……残る」
「そんな!」
「構わず退くんだ!」
「でも、私たちだけ……」
「見習いのおまえたちには荷が勝ちすぎている。里村のもとに急げ!」
「鷹郷さん!」
「早くしろ!」
「……いやだ」
「武上!」
「オレは逃げねえ!」
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