30年待たされた異世界転移

明之 想

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第10章 位相編

集団戦 1


「撃て、撃てぇ!」

 ダンッ!
 ダンッ!
 ダンッ!
 ダンッ!
 ダンッ!

 新たに5発の銃弾が放たれるも結果は同じ。
 壁に飲み込まれていくだけ。

「「っ!」」

「「「なっ!」」」

 和見家の手下たちは防御壁の強度に驚きを隠せていない。
 一方、鷹郷さんたちは。

「よし、次の壁も準備しておけよ」

「「了解」」

 まだ余裕が見られる。
 拳銃持ちと交戦しているというのに、焦りなど全く感じられない。

 異能者の集団戦闘についてはこれまでも何度か目にしてきたが、やっぱり素晴らしいものがあるな。拳銃を持った橘と俺が初対峙した時とは大違いだ。

「くそっ!」

 おっ、敵も現実を認識しはじめたようだ。

「回り込め、回って撃つんだ!」

「「「「「はっ」」」」」

 和見家秘書の一声で左右に散開する射撃者たち。

「あんたらも、異能を頼む!」

「ああ」

「……」

 後ろに控えていた敵異能者たちは。

「ウォーターボール!」

「アイスアロー!」

 真正面から異能を放ってきた。

 ドン!
 ドカン!

 放たれた水弾と氷矢が轟音を立てて壁に激突。

「「鷹郷さん?」」

「……問題ない」

 防御には成功したものの、壁には亀裂が走っている。
 ただ、これならあと数撃は耐えられるか?

「おまえたちは次に備えてくれ」

「もう準備は終えてますよ……サンドウォール!」

「アイスウォール!」

 2人によって新たな防御壁が構築されていく。
 正面じゃない。鷹郷さんと俺の左右にだ。

 構築が完了したところに。
 銃弾が飛来。

 ダンッ!
 ダンッ!

 ダンッ!
 ダンッ!
 ダンッ!

 当然、これらも壁に吸い込まれるだけ。
 問題なく切り抜けることができた。

 が、まだ終わらない。

「ウォーターボール!」

「アイスアロー!」

 立て続けに正面から異能攻撃が飛んでくる。
 左右にいた射撃者たちも俺たちの後ろに回り込もうとしている。

「ウインド!」

 そんな彼らに対するのは鷹郷さんの異能。
 防御壁の中から操風の異能攻撃が放たれた。

「ウインド!」

 完全に乱戦状態だ。

 となると、俺はどこで動くべき?
 どこまでやればいい?
 難しいな。




*******************************

<古野白楓季視点>



 10メートル先に見える空間の歪み。
 これまでと同じものに見える。
 つまり、現れるのは有馬君ではなく吾妻たち。

「こいつぁ、敵だろうな」

「ええ」

「ってことは」

「作戦通り、一気に攻めるわよ」

「おう、任せとけ!」

「武志君も、状況によってはお願いね」

「分かってます」

 今回は武志君の結界の異能も戦闘に使わせてもらう。
 何としても吾妻を倒さないといけないのだから。

「出てくんぞ!」

「武上君、もう少し待って」

 今にも駆け出そうとする武上君を止めたところで、歪みが……裂けた!

「今よ! 炎弾!」

「うおぉぉ!!」

 空中から姿を現したのは予想通り。
 ただし、前回よりひとり少ない。
 吾妻と空間異能者のふたりだけだ。

 彼らに向かって炎弾と武上君が猛進する!!


感想 11

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