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第10章 位相編
残された手段
「ぅ……」
幸奈の目が開いた!
「幸奈?」
「うぅ……こ……き?」
ただ、目の光が弱い。
意識が混濁しているのか?
「ぅぅ……」
「少しずつ魔法が効いてるからな」
「ぅ……」
「すぐに楽になるからな」
「う……ん……」
囁くような声を漏らし、また目を閉じてしまった。
「幸奈……」
テポレン山やオルドウで、俺は多くの死を見てきた。
親しい人の死も、そのあとの救命も経験した。
信じられないような経験をたくさん積んできた。
けど、慣れなんてしない。
こんなの、慣れるわけがない。
だから、幸奈。
「ぅぅ……」
たのむ。
早く戻ってきてくれ!
「……」
「……」
「……こう、き?」
3度目。
3度目の覚醒だ。
しかも、今回は焦点が合ってる!
「功己、なの?」
「ああ、俺だ。功己だ」
「功己が、来てくれた?」
意識もはっきりしている。
生気も。
「……ありがと」
「いや、遅れてごめん」
「そんなこと……っ? みんなは?」
半身を起こし、周囲を見渡す幸奈。
当然、その目に映るのは。
「えっ!?」
倒れ伏す3人の姿。
「武志! 古野白さん! 武上君!」
「……」
「みんな……」
幸奈の顔に戻っていた血色が消えていく。
「あいつ……バケモノがみんなを……」
バケモノ?
「吾妻か? 吾妻にやられたのか?」
「うっ、うぅ……」
「幸奈? どうした幸奈?」
「くるし……」
なっ?
悪化した?
「う、ううぅ……」
まさか、血の気が引いたのは現状を認識したからじゃない?
治癒は成功してなかったのか?
「ぐっ、うっ、ううぅぅ……」
息が荒い。
「ううぅぅ……」
治癒魔法だ。
もう一度、治癒魔法を!
「はあ、はあ……」
強力な魔法を!
「ううぅぅ……」
「……」
「うっ、ううぅ……」
「……」
遅い。
効果が出るのが遅すぎる。
だったら、他に何か?
何か術は?
「はあ、はあ……うぅ……」
魔法薬だ。
低級しか残ってないけど、今はもうこれしか。
「幸奈、魔法薬だぞ」
「……」
意識を失いかけている幸奈の口へ魔法薬を流し入れてやる。
もちろん、治癒魔法も切らしはしない。
「うぅぅ……」
効いてくれ。
「ぅ……」
頼む。
「……」
「……」
呼吸が落ち着いた?
よし、効果があるぞ。
ただ、脈は弱いまま。
顔色も良くない。
「……」
これでいいのか?
このままで、大丈夫なのか?
駄目だ。
安心なんてできるわけない。
最悪の想像が頭に……。
「ぅぅ……」
「幸奈!」
治癒魔法、魔法薬。
それ以外に手は?
幸奈を救う手段は?
「……」
ある。
1つだけ残っている。
最後の手段、切り札が。
ただ、この時点で使うのは……。
幸奈の目が開いた!
「幸奈?」
「うぅ……こ……き?」
ただ、目の光が弱い。
意識が混濁しているのか?
「ぅぅ……」
「少しずつ魔法が効いてるからな」
「ぅ……」
「すぐに楽になるからな」
「う……ん……」
囁くような声を漏らし、また目を閉じてしまった。
「幸奈……」
テポレン山やオルドウで、俺は多くの死を見てきた。
親しい人の死も、そのあとの救命も経験した。
信じられないような経験をたくさん積んできた。
けど、慣れなんてしない。
こんなの、慣れるわけがない。
だから、幸奈。
「ぅぅ……」
たのむ。
早く戻ってきてくれ!
「……」
「……」
「……こう、き?」
3度目。
3度目の覚醒だ。
しかも、今回は焦点が合ってる!
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「ああ、俺だ。功己だ」
「功己が、来てくれた?」
意識もはっきりしている。
生気も。
「……ありがと」
「いや、遅れてごめん」
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半身を起こし、周囲を見渡す幸奈。
当然、その目に映るのは。
「えっ!?」
倒れ伏す3人の姿。
「武志! 古野白さん! 武上君!」
「……」
「みんな……」
幸奈の顔に戻っていた血色が消えていく。
「あいつ……バケモノがみんなを……」
バケモノ?
「吾妻か? 吾妻にやられたのか?」
「うっ、うぅ……」
「幸奈? どうした幸奈?」
「くるし……」
なっ?
悪化した?
「う、ううぅ……」
まさか、血の気が引いたのは現状を認識したからじゃない?
治癒は成功してなかったのか?
「ぐっ、うっ、ううぅぅ……」
息が荒い。
「ううぅぅ……」
治癒魔法だ。
もう一度、治癒魔法を!
「はあ、はあ……」
強力な魔法を!
「ううぅぅ……」
「……」
「うっ、ううぅ……」
「……」
遅い。
効果が出るのが遅すぎる。
だったら、他に何か?
何か術は?
「はあ、はあ……うぅ……」
魔法薬だ。
低級しか残ってないけど、今はもうこれしか。
「幸奈、魔法薬だぞ」
「……」
意識を失いかけている幸奈の口へ魔法薬を流し入れてやる。
もちろん、治癒魔法も切らしはしない。
「うぅぅ……」
効いてくれ。
「ぅ……」
頼む。
「……」
「……」
呼吸が落ち着いた?
よし、効果があるぞ。
ただ、脈は弱いまま。
顔色も良くない。
「……」
これでいいのか?
このままで、大丈夫なのか?
駄目だ。
安心なんてできるわけない。
最悪の想像が頭に……。
「ぅぅ……」
「幸奈!」
治癒魔法、魔法薬。
それ以外に手は?
幸奈を救う手段は?
「……」
ある。
1つだけ残っている。
最後の手段、切り札が。
ただ、この時点で使うのは……。
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