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第10章 位相編
一人暮らし
「わたし、狭いのなんて気にしないよ」
「……」
「功己?」
「その……あれだ、同棲は和見の人たちも許してくれないだろ」
和見の父だけじゃない。母親も武志も反対するはず。
「それは、まあ……」
「だから幸奈、一人暮らしはどうかな?」
「ひとりかぁ……」
これで納得してくれ。
「うーん、分かった」
よし!
「功己の隣の部屋ならいいよ」
なっ?
隣?
「空いてたよね?」
まあ、空いてはいる。
「功己の隣で一人暮らし。うん、悪くないかも」
「……」
「隣なら、何かあっても守ってもらえるしね」
確かに、その通りだ。
ただ……。
「ねっ、隣で暮らしてもいいでしょ?」
「……」
「功己は嫌なの?」
「……いや」
そういうことじゃなく。
「なら、いいよね?」
これはもう……。
仕方ないな。
「分かった。とりあえず、隣室で一人暮らし始めるか」
「うん、うん!」
満面に笑みがこぼれ出ている。
全身で飛び跳ねる勢いだ。
「よかったぁ」
幸奈、ここまで思ってくれるんだな。
何というか……。
「……」
「あっ!?」
と、いきなり幸奈の小躍りが止まり、頭を抱えだした。
「ああぁぁぁ」
「どうした?」
「……ごめん、功己」
何を謝ってるんだ?
「わたし……お金がない」
「……」
「自由にできるお金が殆どないの。家賃なんて……」
和見の家は裕福な家だが、幸奈は違う。
定期的なお小遣いもなく、アルバイトもできない状況だったのだから当然だ。
「せっかくの話なのに、ごめん」
「問題ない」
「えっ?」
「費用については俺が何とかする」
「だめだよ、そんなの!」
「どうしてだ?」
「だって、わたしたち、その……そんな関係じゃないし」
「大切な幼馴染って関係だろ」
「大切……」
「とにかく、俺に任せてほしい」
「でも……功己もお金はギリギリなんでしょ?」
「幸奈も知ってるように、俺はあっちで結構稼いでる。それを巧く使えば、こっちの世界でも、な」
2つの世界間で商売みたいなことをするつもりはないが、必要経費のためなら多少融通するのもやぶさかではない。
「……」
「任せてくれるか?」
「……ちょっと、考えさせて」
そうだな。
即答できることじゃないよな。
「でも、もし、わたしが一人暮らしするならアルバイト始めるから。だから、その場合は初期費用だけ……」
「分かった。ゆっくり考えてくれ」
「……うん」
この様子。
前向きではあるようだ。
「……」
「功己?」
「その……あれだ、同棲は和見の人たちも許してくれないだろ」
和見の父だけじゃない。母親も武志も反対するはず。
「それは、まあ……」
「だから幸奈、一人暮らしはどうかな?」
「ひとりかぁ……」
これで納得してくれ。
「うーん、分かった」
よし!
「功己の隣の部屋ならいいよ」
なっ?
隣?
「空いてたよね?」
まあ、空いてはいる。
「功己の隣で一人暮らし。うん、悪くないかも」
「……」
「隣なら、何かあっても守ってもらえるしね」
確かに、その通りだ。
ただ……。
「ねっ、隣で暮らしてもいいでしょ?」
「……」
「功己は嫌なの?」
「……いや」
そういうことじゃなく。
「なら、いいよね?」
これはもう……。
仕方ないな。
「分かった。とりあえず、隣室で一人暮らし始めるか」
「うん、うん!」
満面に笑みがこぼれ出ている。
全身で飛び跳ねる勢いだ。
「よかったぁ」
幸奈、ここまで思ってくれるんだな。
何というか……。
「……」
「あっ!?」
と、いきなり幸奈の小躍りが止まり、頭を抱えだした。
「ああぁぁぁ」
「どうした?」
「……ごめん、功己」
何を謝ってるんだ?
「わたし……お金がない」
「……」
「自由にできるお金が殆どないの。家賃なんて……」
和見の家は裕福な家だが、幸奈は違う。
定期的なお小遣いもなく、アルバイトもできない状況だったのだから当然だ。
「せっかくの話なのに、ごめん」
「問題ない」
「えっ?」
「費用については俺が何とかする」
「だめだよ、そんなの!」
「どうしてだ?」
「だって、わたしたち、その……そんな関係じゃないし」
「大切な幼馴染って関係だろ」
「大切……」
「とにかく、俺に任せてほしい」
「でも……功己もお金はギリギリなんでしょ?」
「幸奈も知ってるように、俺はあっちで結構稼いでる。それを巧く使えば、こっちの世界でも、な」
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「……」
「任せてくれるか?」
「……ちょっと、考えさせて」
そうだな。
即答できることじゃないよな。
「でも、もし、わたしが一人暮らしするならアルバイト始めるから。だから、その場合は初期費用だけ……」
「分かった。ゆっくり考えてくれ」
「……うん」
この様子。
前向きではあるようだ。
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