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第11章 陰謀編
右拳
「ヴァーンのことはなぁ!」
っ!
「やめろ、ギリオン!」
だめだ。
俺の声なんか耳に入っちゃいない。
「馬鹿にすんじゃねえ!!」
レイリュークさんに向かって飛び込んだ!
そのまま剣を……。
抜かせるわけにはいかない。
飛び込むギリオンの後ろから手を伸ばし、強引に剣を剣帯ごと引きはがしてやる。
「なっ!?」
剣を奪われ、一瞬立ち止まるギリオン。
が、そのまま動き出してしまった。
素手でレイリュークさんの前へ。
そして。
「先生!」
「手を出すな」
ギリオンの右拳がレイリュークさんの顔面に。
バシィィィ!!
叩き込まれた。
「ぐっ」
「先生!」
「「「「「「「「先生!」」」」」」」」
傍らの長身剣士、さらには道場から出て様子を窺っていた門弟たちが声をあげる。
駆け寄ろうとする。
「「「「「おおぉ!」」」」」
周りに集まっていた数人の野次馬からも声が。
「……問題ない」
門弟を制するように腕を振るレイリュークさん。
「「「「「「「「しかし」」」」」」」」
「大丈夫だ」
「「「「「「「「……」」」」」」」」
剛腕ギリオンの右拳。
顔面でまともに受けたら立っていられるもんじゃない。
けれど、そこは達人のレイリュークさん。
上手く勢いを殺しながら顔で拳を受けたんだ。
「コーキ、何しやがる!」
対するギリオンは、取り押さえた俺の腕の中。
なおも拳を出そうと、もがいている。
とりあえず、2撃目を阻むことはできたが。
「放せ!」
「気持ちは分かるけどな、今は冷静になってくれ」
「……」
「おまえが拳を振るう相手は、あの剣士だろ」
「……放せ」
「レイリュークさんは罪を犯してないんだぞ」
真実は分からないものの、この場ではギリオンとヴァーンを馬鹿にしただけだ。
「……」
確かに気持ちのいいもんじゃないが、彼は言葉を発しただけ。剣も拳も振るっていない。手を出していない。それどころか、自らギリオンの拳を受けようとする素振りすらあった。
「ギリオン、これ以上手を出したら、おまえが罪人になってしまう」
「……」
「こんな所で犯罪者になっていいのか?」
ギリオンの力が緩んできた。
少しは冷静さを取り戻してくれたようだ。
っと、レイリュークさんが近寄って来る。
「やってくれたな」
「……」
「申し訳ありません。こいつ、頭に血が上ってたんです」
「……オレは悪かねえ」
「ギリオン、今は黙ってろ」
「……」
「レイリュークさん、先の行為については謝罪します。私で良ければ治療もいたします。ですので、どうか」
「言葉での謝罪など、受け入れられないな」
「ですから、治療も」
「不要だ」
取り付く島もない。
これは……。
「兄さん、ちっとマズいぞ」
言葉が出てこない俺にジンクの声がかかる。
「ほら」
その声に振り返ると。
「……」
ピイィィィィ!!
笛の音が夕暮れの空に響き渡る。
衛兵の警笛だ。
っ!
「やめろ、ギリオン!」
だめだ。
俺の声なんか耳に入っちゃいない。
「馬鹿にすんじゃねえ!!」
レイリュークさんに向かって飛び込んだ!
そのまま剣を……。
抜かせるわけにはいかない。
飛び込むギリオンの後ろから手を伸ばし、強引に剣を剣帯ごと引きはがしてやる。
「なっ!?」
剣を奪われ、一瞬立ち止まるギリオン。
が、そのまま動き出してしまった。
素手でレイリュークさんの前へ。
そして。
「先生!」
「手を出すな」
ギリオンの右拳がレイリュークさんの顔面に。
バシィィィ!!
叩き込まれた。
「ぐっ」
「先生!」
「「「「「「「「先生!」」」」」」」」
傍らの長身剣士、さらには道場から出て様子を窺っていた門弟たちが声をあげる。
駆け寄ろうとする。
「「「「「おおぉ!」」」」」
周りに集まっていた数人の野次馬からも声が。
「……問題ない」
門弟を制するように腕を振るレイリュークさん。
「「「「「「「「しかし」」」」」」」」
「大丈夫だ」
「「「「「「「「……」」」」」」」」
剛腕ギリオンの右拳。
顔面でまともに受けたら立っていられるもんじゃない。
けれど、そこは達人のレイリュークさん。
上手く勢いを殺しながら顔で拳を受けたんだ。
「コーキ、何しやがる!」
対するギリオンは、取り押さえた俺の腕の中。
なおも拳を出そうと、もがいている。
とりあえず、2撃目を阻むことはできたが。
「放せ!」
「気持ちは分かるけどな、今は冷静になってくれ」
「……」
「おまえが拳を振るう相手は、あの剣士だろ」
「……放せ」
「レイリュークさんは罪を犯してないんだぞ」
真実は分からないものの、この場ではギリオンとヴァーンを馬鹿にしただけだ。
「……」
確かに気持ちのいいもんじゃないが、彼は言葉を発しただけ。剣も拳も振るっていない。手を出していない。それどころか、自らギリオンの拳を受けようとする素振りすらあった。
「ギリオン、これ以上手を出したら、おまえが罪人になってしまう」
「……」
「こんな所で犯罪者になっていいのか?」
ギリオンの力が緩んできた。
少しは冷静さを取り戻してくれたようだ。
っと、レイリュークさんが近寄って来る。
「やってくれたな」
「……」
「申し訳ありません。こいつ、頭に血が上ってたんです」
「……オレは悪かねえ」
「ギリオン、今は黙ってろ」
「……」
「レイリュークさん、先の行為については謝罪します。私で良ければ治療もいたします。ですので、どうか」
「言葉での謝罪など、受け入れられないな」
「ですから、治療も」
「不要だ」
取り付く島もない。
これは……。
「兄さん、ちっとマズいぞ」
言葉が出てこない俺にジンクの声がかかる。
「ほら」
その声に振り返ると。
「……」
ピイィィィィ!!
笛の音が夕暮れの空に響き渡る。
衛兵の警笛だ。
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