1,115 / 1,578
第11章 陰謀編
衛兵
しおりを挟む
「こいつぁ、本格的にマズいぜ」
ピイィィィィ!!
ジンクの声をかき消すように響き渡る警笛。
鋭く伸びる無機質な高音が、事態の深刻さを告げてくる。
俺の腕の中では、もがいていたギリオンも嘘のように動きを止め。
「コーキ」
振り向いた目の中には、滅多に見せない動揺さえ感じ取れる。
そういう状況だ。
ピイィィィィ!!
警笛とともに聞こえる足音。
野次馬の後ろから近づいてきた。
「兄さん、衛兵だぞ」
「……みたいですね」
今はもう、はっきりと視認できる。
衛兵たちの姿が。
「どうする、コーキ?」
ここで取れる選択は?
最善手は?
「……」
さっきの広場とは状況が違う。
大人数の観衆に囲まれ姿を捉えられていなかった広場からの逃走に対して、今は完全に捕捉されている。その上、ギリオンの素性を知る目撃者も多数……。
「逃げっか?」
「兄さん、逃げるなら今だぜ」
ギリオンもジンクも逃走を提案してくるが。
「おまえたち、逃げても無駄だぞ」
その通り。
身元は割れているんだ。
ここで逃げても、いずれ衛兵に見つかるだろう。
本気で逃げるなら、白都を出るしかない。
「潔く裁かれるべきだな」
「裁かれんのは、そっちの剣士とおめえだ」
「ふふ、愚かなことを」
「黙りやがれ!」
ただ、白都を脱したとしても、レイリュークさんが衛兵にギリオンの素性を告げれば、オルドウまで手が伸びる可能性は高い。さらには、逃走という事実が事態を悪化させることも。
なら、ここは取り調べに応じるべき?
「……」
そうだな、ギリオンが手を出したと言っても素手の1発のみなんだ。
これまでの経緯を踏まえれば、大きな問題はないはず。
いや、それどころか、ギリオンが広場で斬りつけられた事実を証明できれば……。
ピイィィィィ!!
「時間がないぞ、兄さん」
「コーキ!」
「……私たちはここに残ります」
「おい、残んのかよ」
「ああ、そうしよう」
「……ちっ」
それで。
「ジンクさんは?」
「……この後も仕事があるんだわ」
できれば、一緒に残って証言してほしいが。
レイリュークさん同様、衛兵からも仲間認定される可能性が高いか。
だったら、まあ……。
「なもんで、失礼させてもらうぜ」
「分かりました。気をつけて」
「兄さんたちこそな」
「おめえだけ、逃げんのかよ」
「ああ、悪いが、ここまでだ」
その言葉を残し、走り去っていくジンク。
入れ替わるように、現れたのが衛兵。
「動くな!」
結構な人数だな。
ピイィィィィ!!
ジンクの声をかき消すように響き渡る警笛。
鋭く伸びる無機質な高音が、事態の深刻さを告げてくる。
俺の腕の中では、もがいていたギリオンも嘘のように動きを止め。
「コーキ」
振り向いた目の中には、滅多に見せない動揺さえ感じ取れる。
そういう状況だ。
ピイィィィィ!!
警笛とともに聞こえる足音。
野次馬の後ろから近づいてきた。
「兄さん、衛兵だぞ」
「……みたいですね」
今はもう、はっきりと視認できる。
衛兵たちの姿が。
「どうする、コーキ?」
ここで取れる選択は?
最善手は?
「……」
さっきの広場とは状況が違う。
大人数の観衆に囲まれ姿を捉えられていなかった広場からの逃走に対して、今は完全に捕捉されている。その上、ギリオンの素性を知る目撃者も多数……。
「逃げっか?」
「兄さん、逃げるなら今だぜ」
ギリオンもジンクも逃走を提案してくるが。
「おまえたち、逃げても無駄だぞ」
その通り。
身元は割れているんだ。
ここで逃げても、いずれ衛兵に見つかるだろう。
本気で逃げるなら、白都を出るしかない。
「潔く裁かれるべきだな」
「裁かれんのは、そっちの剣士とおめえだ」
「ふふ、愚かなことを」
「黙りやがれ!」
ただ、白都を脱したとしても、レイリュークさんが衛兵にギリオンの素性を告げれば、オルドウまで手が伸びる可能性は高い。さらには、逃走という事実が事態を悪化させることも。
なら、ここは取り調べに応じるべき?
「……」
そうだな、ギリオンが手を出したと言っても素手の1発のみなんだ。
これまでの経緯を踏まえれば、大きな問題はないはず。
いや、それどころか、ギリオンが広場で斬りつけられた事実を証明できれば……。
ピイィィィィ!!
「時間がないぞ、兄さん」
「コーキ!」
「……私たちはここに残ります」
「おい、残んのかよ」
「ああ、そうしよう」
「……ちっ」
それで。
「ジンクさんは?」
「……この後も仕事があるんだわ」
できれば、一緒に残って証言してほしいが。
レイリュークさん同様、衛兵からも仲間認定される可能性が高いか。
だったら、まあ……。
「なもんで、失礼させてもらうぜ」
「分かりました。気をつけて」
「兄さんたちこそな」
「おめえだけ、逃げんのかよ」
「ああ、悪いが、ここまでだ」
その言葉を残し、走り去っていくジンク。
入れ替わるように、現れたのが衛兵。
「動くな!」
結構な人数だな。
34
あなたにおすすめの小説
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~
やみのよからす
ファンタジー
病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。
時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。
べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。
月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ?
カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。
書き溜めは100話越えてます…
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜
鮒捌ケコラ
ファンタジー
入学式から3週間目にして『退学」を言い渡された。
(早くない?RTAじゃないんだからさ。)
自分で言うのもアレだけど、入学してからは結構真面目に通ってた。
けど、どうやら教員の不況を買ってしまったらしい。
幸か不幸か、退学まで1週間の執行猶予が与えられた。
けど、今更どう足掻いても挽回する事は不可能だろうし、
そもそも挽回する気も起こらない。
ここまでの学園生活を振り返っても
『この学園に執着出来る程の魅力』
というものが思い当たらないからだ。
寧ろ散々な事ばかりだったな、今日まで。
それに、これ以上無理に通い続けて
貴族とのしがらみシミッシミの薬師になるより
故郷に帰って自由気ままな森番に復職した方が
ずっと実りある人生になるだろう。
私を送り出した公爵様も領主様も、
アイツだってきっとわかってくれる筈だ。
よし。決まりだな。
それじゃあ、退学するまでは休まず毎日通い続けるとして……
大人しくする理由も無くなったし、
これからは自由気ままに、我儘に、好き勝手に過ごす事にしよう。
せっかくだし、教員達からのヘイトをカンストさせるのも面白そうだ。
てな訳で………
薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。
…そう息巻いて迎えた執行猶予満了日、
掲示板に張り出された正式な退学勧告文を
確認しに行ったんだけど……
どういう事なの?これ。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる