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第11章 陰謀編
尋問
「何も知らない。分からない」
喋れるようになったオルセーの口から出るのは、意味のない言葉ばかり。
まったく話が進まない。
「嘘じゃない。本当だ」
「……」
「ずっとこの部屋にいたんだ」
顔は青ざめ、汗にまみれている。
オルセーはこの状態でも虚言を吐けるのだろうか?
いや、とてもそうは思えない。
「一歩も外に出てないんだぞ」
「……」
「頼む、信じてくれ」
ただ、相手はオルセーな んだ。
芝居している可能性も否定できない、か。
であれば。
「あいつが消えたという事実も今初めて知ったんだ」
「そうか」
「おお、分かってくれたんだな」
「いいや」
「えっ?」
「素直に話す気にさせてやろうと思ってな」
気は進まないが、躊躇してる場合じゃない。
「アイスニードル」
鋭利な氷の針を空中に発現。
「なっ、やめろ!」
威力を加減して発射。
オルセーの右頬表面を抉りながら飛び去っていく。
「うぐっ」
傷は浅いが、痛みはそれなりにあるだろう。
「次は左頬か? それとも眼にするか?」
「ひっ! やめてくれ!」
「なら、話せ」
「本当に知らないんだ。何も知らない。何もしてない!」
「……」
「頼む、お願いだ、やめてくれ」
ここまでやっても口を割る素振りがない。
怯える様子も同じ。
ということは、本当に知らないのか?
「やめてくれ、やめてくれ」
しかし、オルセーが知らないなら、誰が知ってるというんだ?
ギリオンの身に何が起こってる?
「もう駄目なんだ。次に死んだら終わりなんだ」
ん?
次に死ぬ?
「二度と生き返れない。だから、頼む、助けてくれ」
そうか。
やっぱり、あの国境近くの戦いで一度命を落としていたんだな。
その後、レンヌ家で蘇ったと。
「……」
常識ではあり得ないことだ。
それでも、レンヌ家のオルセーならば可能なんだろう。
「蘇生の魔道具か宝具を使ったのか?」
「違う」
魔道具でも宝具でもない。
「魔法か?」
「違う、蘇生の魔法なんて聞いたこともない」
「では、どうやって蘇生した?」
「それは……」
ロープで縛られ床に転がったまま苦悶の表情を浮かべている。
「どうした?」
「……頼む、次はないんだ。見逃してくれ」
「先に蘇生法を答えろ」
「助けてくれ、見逃してくれ」
質問には答えず、懇願を続けるオルセー。
「お願いだ!」
このままじゃ埒が明かない。
なら、言葉を変えて。
「二度とない、次はないってことは、一度きりの蘇生だったんだな?」
「……」
「魔道具でも宝具でもない、魔法でもない一度だけの蘇生か?」
「助けてくれ!」
「こちらの問い掛けを無視して懇願ばかりしても通ることはないぞ」
「……もう逆らわない。二度と手を出さない。だから、お願いだ」
ほんと、話にならないな。
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