30年待たされた異世界転移

明之 想

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第11章 陰謀編

攻防 1


 敵はバケモノと化したオルセーを倒したレンヌ家当主。
 中途半端に戦える相手じゃない。
 しかも、責任重大な局面。
 手加減なく戦わせてもらうぞ。

「まいる!」

「……」

「おぉ!」

 剣を抜き放つやいなや、居合のような剣が飛来する。
 やはり、速い。
 それでも、オルセーとの戦いで動きは既に確認済みだ。
 剣速も付与魔力も見当はついている。

 キン!

 だから、こうして剣を合わせることができる。

 キン、キン!

 連撃にも対応できる。

 キン、キン、キン!

 とはいえ、想像していた以上の剣撃だ。
 薄く赤みがかった剣身には素晴らしい精度の魔力が付与されているのだろう。


「……受けきったか」

 7連撃を放った直後。
 数歩後退して距離を取る宗主。

「やはり、並ではないな」

 そっちこそだろ。
 剣技も剣速も、魔力を纏った剣撃も並の剣士のそれじゃない。

「サヴィアリーナ様が目を掛けるだけのことはある」

「……」

「だが、我が屋敷での勝手な振る舞いを許すわけにはいかぬ」

 纏う空気に凄みが増していく。
 まだ上があるんだな。

「報いを受けてもらおう」

 その言葉とともに放たれたのは真正面からの突き。
 もちろん、速度は跳ね上がっている。
 ただし目視は可能だ。
 なら、剣を弾き軌道を外してやればいい。
 相手の剣身に横から剣を当て。

 キッ!

 重い!
 上手く弾けない?

「おおぉ!」

 剣身を合わせたまま、強引に剣を突き入れてくる宗主。
 刺突の軌道は僅かに逸れたものの、剣先が正面に迫ってきた!

 こうなるともう剣では防げない。
 体捌きで避けるしか。

「っ!」

 剣先が届く寸前、上半身だけを右横にずらしてやる。
 と、胸先をかすめながら強剣が通過していく。

 よし。
 ギリギリだが回避できたぞ。
 が、この体勢なら当然。
 剣を横に振るってくるよな。
 分かってるさ。

「おおぉぉ!」

 胸前を通過していた剣身を床面と水平にし、追撃を放ってくる。
 ほぼゼロ距離からの剣撃だ。
 が、一瞬の間と予測のおかげで対処は可能。刺突回避で傾いた体勢のまま右方に身を投げ出す。

 ブンッ!

 直後に宗主の剣が一閃され、最前までいた空間が薙ぎ払われた。
 無理やりな一撃でこの威力とは恐ろしいが、こっちは既に離脱成功している。
 次撃へ向け体勢も整っている。

 ならば。
 攻守交代だ。

 突きから一転、猛烈な勢いで剣を横に払った影響で宗主の剣は左に振り切られ、重心も左に片寄った状態。不安定なその体勢から剣と体を戻す僅かな時間が勝負になる。

 一足で距離を詰め、下段から剣を一閃。
 宗主の剣は間に合わない。


感想 11

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