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第11章 陰謀編
三対一
<ヴァーンベック視点>
「ヴァルター、どうした?」
「……バシモス」
「んん??」
「こいつは、バシモスという男だ」
まさか、知ってる男だったとは。
「知り合いかよ」
「……ああ」
こんな屋敷で知人に会うなんて、偶然とは思えない。
ヴァルターは地下通路の存在も知っていたようだし、やはりこの家とは何らかの関係があるんだろう。
「んで、そいつはバケモンにやられたのか?」
「おそらくは」
「そうか。人を襲ったとなりゃ、倒すしかねえよな」
「うむ」
「よーし、やってやるぜ!」
どんな時もぶれないギリオンの思考。
この状況で単純に戦闘モードになれるのは、ある意味羨ましいぞ。
「オオォォ!」
そんなギリオンが迷いもせず剣を振り上げた瞬間。
怪物が声を上げた。
瞳に若干の理性が見える。
ギリオンを敵だと明確に認識している目だ。
「くるぞ、ギリオン!」
「おうよ!」
身を屈める怪物。
筋肉で覆われた右腕を振り回すようにして、ギリオンに襲い掛かってきた。
対するギリオンは後ろに下がることで攻撃を躱し、振るわれた腕に向かって剣を放つ。
「だぁ!」
隙だらけの怪物の右腕に斬りつけるのは難しいことじゃない。
案の定、ギリオンの剣が敵の腕をとらえた、が!
ギン!
腕に斬りつけたとは思えない硬質な音を発してギリオンの剣が弾かれ。
「何だ?」
驚くギリオンに、怪物の左腕。
間を置くことのない連続攻撃が襲いかかる。
左腕の薙ぎ払いだ。
「ちっ!」
左腕を避け、後ろに大きく跳躍するギリオン。
今回は回避のみ。
だが、そこに参戦したのが。
「加勢するぞ」
怪物の後方から駆けつけたヴァルター。
真上から叩き斬るような強烈な一振りが怪物の左腕に激突する。
ガン!
しかし、これでも足りない。
斬り裂けない。
「……硬いな」
「ああ、ただの皮膚じゃねえ」
剣が通らなかったギリオンとヴァルターが怪物から数歩距離を取っている。
怪物は再び突進の姿勢。
その前に、俺の出番だ。
怪物が足を踏み出したところに、火の玉を放ってやる。
「ファイヤーボール!」
初手から高威力の一撃。
この炎なら硬い皮膚でも効くだろ。
ドガン!
狙い通り胸に炸裂。
「$#@オォォ!」
怪物から悲鳴が上がった。
ただ、その胸は……表面が若干赤くなっているのみ。
まさか、効いてないのか?
「オオォォォ!」
真っ赤に染まる怪物の瞳。
さっきまでとは全く違う。
明白な殺意がこもっている。
「……」
厄介なことになりそうだ。
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