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第11章 陰謀編
待つだけ
<ヴァーンベック視点>
このとんでもないバケモノにどうやったら勝てるのか?
先が見えない状況の中、ようやく光が見えてきたんだ。
「分かるだろ、ギリオン?」
「ああ? 分かんねえぞ」
「……俺たちは2人だけか?」
「ヴァルターを入れて3人だな」
「そういうことじゃない」
「なら、何なんだ? さっさと話しやがれ」
「俺たちにはもう1人頼りになる仲間がいる。ずっとおまえと一緒にいた仲間がな」
「……いんのか? 近くに?」
「多分」
黒い澱みのせいで、今は上手く感知が働かない。
それでも、感じるんだ。
「だから、ここは俺に任せて休んどけ」
「……おめえ、魔力は足りてんだろうな?」
「当然だろ」
こっちは長期戦を覚悟して戦ってたんだ。
魔力残量くらい計算してる。
「……ちっ、しゃあねえ。少しだけ待ってやらぁ。けどよ、不甲斐ない戦いしやがったら、すぐ出るかんな」
「分かってる」
「やられんじゃねえぞ」
「当たり前だ」
よし、ギリオンは説得できた。
次は。
「ヴァルターさんも?」
納得してくれるか?
「……うむ」
ありがたい。
説明もしていないのに、頷いてくれた。
「待機しよう」
その上、ギリオンを連れ通路の奥に退いていく。
さすが凄腕冒険者。状況理解も超一流だ。
ということで、舞台の再調整は完了。
あとは俺が時間を稼ぐだけ。
そう身構えたものの……。
敵には動く素振りが見えない。
作戦を練っているのか、回復に努めているのか?
全く動こうとしない。
通路の上で、ただ空を睨むばかり。
「……」
いったい、何を考えてる?
ほんと、行動が読めない怪物だぜ。
でもなぁ、ここで時間を使うのは悪手だと思うぞ。
「ォォ」
ん?
動いた?
片足をひき、半身になっている。
その体勢、後方を気にしてるのか?
気づいたのか?
ってことは。
「……」
駄目だ。
やっぱり上手く感知できねえ。
ただ、さっきより近づいてる感じはする。
「ォォォ」
そんな状況でも、怪物は動かない。
気味の悪い唸り声だけが響いてくる。
もちろん、こっちにはありがたいことだが……。
「ヴァーン、おめえの出る幕はなさそうだなぁ」
「いや、油断はできない」
「違えよ、オレ様の出番ってこった」
「……少しは回復したのか?」
「おう、完璧だぜ」
手持ちの回復薬は効果の高いものじゃない。残量も多くはない。
それをヴァルターと2人で使うんだ。
完調になるわけないだろ。
それでも、ギリオンの大口には張りが戻ってる。
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