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第11章 陰謀編
問題山積
階下に戻った後のレンヌ家との会談は微妙なものになってしまった。今回の不始末に対する補償、今後の対応に関しては大半がこちらの希望通りに進みそうなので特に文句はないのだが、これらについては最前の話し合いでほぼ決まっていたことばかり。一方、オルセーの変貌、兇神関係については得られるものが全くなかったからだ。
結局、兇神エビルズマリスについては何の進展もなく。
エビルズピーク後と同じように、現状はどうすることもできない状況になっている。
もちろん、2回に渡る兇神関係の事件が単なる偶然で今後姿を現さないというのなら特に問題はないし、その可能性もないわけじゃない。というか、むしろそうあってほしいくらいだ。
が、これが偶然でないなら。
遠くない将来、また兇神関係の事件に巻き込まれると考えるべきだろう。
はぁぁ。
ただでさえ問題は山積みだというのに。
「……」
シアの視力回復、ワディンの領都奪還。
和見家と幸奈を含む日本の異能者関係。
加えて兇神。
難題は減るどころか、増える一方だ。
これら全てに対処し、満足できる結果まで導けるのだろうか?
正直、自信は持てない。
けど、まあ、最善を尽くすしかないよな。
これは俺が選択したこと、望んでいた冒険なのだから。
「……」
前回の人生の30年。
俺はただ異世界の冒険を追いかけるだけだった。
かなわない夢を求め、ひたすら鍛錬に励み、人間関係を無視し、不要なものは切り捨て、全てを異世界行のために捧げてきた。
結果、30年後の俺に残ったのは、途方もない精神的疲労と失望、絶望と諦念。
最終的には、かなり病んでいたと思う。
あの暗黒の時間に比べれば、今の問題山積の時間なんて愛おしいくらいだ。
それに、未解決の問題だけではないだろ。
行方不明だったギリオンを見つけたばかりじゃないか。
だから、この先も焦らず進めれば何とかなるはず。
悩むことも不安に思うこともない。
1つずつ向き合うだけだ。
とはいえ、兇神関係はもう勘弁してほしい。
前回も今回も何とか乗り切れたが、分からないこと、不可解なことが多すぎる。これが3度4度と続くとなると……。
***********************
<ギリオン視点>
「どうした?」
長期間の勾留から解放され、ようやく戻ることができたエリシティアの屋敷。
そこに足を踏み入れた途端、ヴァルターが固まっちまった。
「何か問題か?」
エリシティアたちがレザンジュに向かった今。
屋敷に残っているのはわずか数人の使用人だけ。
そんな屋敷で何があるってんだ?
「……魔報だな」
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