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第12章 激闘編
蒼鱗の魔物 3
<エリシティア視点>
複数の魔法を身に受けても止まらない。
平然とこちらに向かってくる蒼鱗の魔物。
「魔法が……」
「効かない?」
「ばかな……」
魔法を防がれた後衛は顔色を失くしている。
詠唱も止んでしまった。
それでも。
「魔法が駄目でも剣がある」
「おう、まだまだこっからだ!」
前衛は怯んでいない。
「よし、左右から進めぇ!」
指示に素早く反応する左右の近衛騎士たち。
鳥翼で包み込むように蒼鱗の魔物を囲んでいく。
「正面からも突撃!」
魔物を囲い込んだ状態で一斉に放たれる剣撃。
ガッ!
ガン!
ダッ!
ガリ!
騎士たちの剣身が蒼鱗を打ち、激しい打音が平原に響き渡る。
ダン!
ガン!
ガン!
ガッ!
ガッ!
ガリッ!
様々な剣撃の音が奏でられ。
完璧な攻勢が続いていく。
「ォォォ」
それなのに、魔物は変わらない。
歩みは止まらない。
ガン!
ガッ!
ガキッ!
そして。
バキッ!
バリン!
バリーーン!
「「「剣が?」」」
「「「俺の剣が!」」」
いくつもの剣がひび割れ。
そのまま……。
折れてしまった。
「そんな……」
「嘘だろ」
味方の折れた剣を見て、手が止まる騎士たち。
「魔法も剣も通用しない?」
「なら、どうすれば……」
前衛、後衛の多くが立ち尽くしている。
「っ! 鶴翼第二陣形だ!」
「「「「「……」」」」」
「折られた者は無事な者と入れ替われ!」
呆然としながらも騎士たちが動き始めた。
身体に沁み込んだ動きがそうさせるのか、あっという間に陣形が再構築されていく。
対する蒼鱗の魔物は。
バリッ。
バキッ。
地面に落ちた剣の半身を踏み砕きながら歩いている。
バキッ。
バキッ。
再構築された前衛に突っ込んでくる。
ガッ!
ガン!
ガリッ!
魔物との攻防再開だ。
「「ファイヤーボール!」」
「「ストーンボール!」」
前衛の剣撃に加え後衛からは魔法も発射。
剣を振るう騎士を避けながら魔物に着弾していく。
ガンッ!
ガンッ!
「「ストーンアロー!」」
ドガン!
剣と魔法の多重攻撃。
この急場での見事な連係だ。
ガッ!
ガン!
ダッ!
ガリ!
本当に素晴らしい。
それなのに。
「「「くっ!」」」
「「「くそっ!」」」
駄目なのか?
効かないのか?
ガン!
ガンッ!
ドガン!
バリ!
バリッ!
バリン!
剣は魔物をとらえ続け。
響いてくる剣音も凄まじい。
それでも、蒼鱗の魔物は平然としたもの。
止まってくれない。
「っ!」
このままでは陣が保たない。
崩壊してしまう。
「エリシティア様!」
ウォーライルが私を庇うように体を寄せてきた。
「退いて……」
口から言葉が出かけたその時。
「ォォォ」
なっ!
蒼鱗の魔物が後ろに跳んだ?
「ォォォオオ」
さらに跳ねるように後退していく。
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