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第12章 激闘編
当惑
<エリシティア視点>
「痛くねえ? ほんとか?」
「うむ」
「さっきも言ったように、痛きゃ痛いと教えてくれよ」
「……分かった」
「……」
「……」
だめだ。
思考がまとまらない。
愚かな考えが溢れてくる。
「はあ~、やっぱ疲労が溜まってるよなぁ」
「……」
「本調子といかねえのも当然だぜ」
違う、そうじゃない。
いや、そうなのか?
「こりゃ、戻った方が良さそうだ」
「……」
「横になって少しでも休んでくれよ、なっ、姫さん」
この状態で眠れると?
まったく眠気を感じないのに?
が、それでも、今はギリオンと離れて寝所に。
「よーし、戻ろうぜ」
「……うむ」
*****************************
結局、透過状態になったエビルズマリスをあと一歩のところで逃してしまい、平原に残された俺と剣姫、そして白金髪シャリエルンと金髪魔法使い。とりあえず剣をおさめ話し合いをすることになったのだが……。
この後エビルズマリスは再び姿を現すのか?
現れるとしたらいつなのか?
現れるまでここで待機すべきなのか?
そもそもエリシティア様の行方は?
本当に異界に連れ去られたのか?
生死は?
などと、お互いに答えの出ない内容ばかりが口をついて出てしまう。
「困ったな」
「……ええ」
当然空気も悪くなるというもの。
そうすると。
「いったい、どうすんだ?」
苛立ちを抑えられない者も出てくる。
鬱憤を吐き出す者も。
「ああ??」
と言って唾を吐いたのは赤髪の剣士ティアルダ。
「根拠もねえのに、このまま待機ってか?」
こっちは茶髪剣士ドロテア。
2人の剣士を含め、倒れていた冒険者全員が既に意識を取り戻している。
「まあ、まあ、ティアルダさんもドロテアさんも少し落ち着きましょうよ」
「なんだと、ラルス!」
「だから、少し冷静に……」
「できるわけねえだろ。目を覚ましたらこの状況なんだぞ」
「……」
「アイスタージウスの手勢もそこにいんのによ」
「ティアルダの言う通り。こっから奴らと戦うとなると頭が痛いぜ」
「大丈夫です」
3人に割って入ったのは金髪魔法使い。
「大丈夫って何がだ、エフェ?」
「副長?」
「まず、あちらからは仕掛けてこないはず」
「……ほんとかよ?」
「ええ。そうですよね、団長?」
「うむ、彼ら2人のおかげでな」
「「……」」
「理解したのなら、騒ぐのはここまでにするように」
白金髪シャリエルンの言葉にティアルダとドロテアが口を閉ざす。
これで対話を再開できそうかな。
と思ったところで。
シャリエルンの後方の大気が歪んでいる?
「では、話の続きを」
「待ってください」
「ん?」
「アリマ、そうなのか?」
「……おそらくは」
エビルズマリスの消失後、まだ僅かな時間しか経っていない。
やつは数刻は戻れないはず。
あの異界ではそうだった。
「ほう、今回は色々と勝手が違うようだな」
「……ええ」
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