30年待たされた異世界転移

明之 想

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第12章 激闘編

圧倒的

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 消えてしまった。
 氷も紫電も……。

「っ!」

 炎で氷矢を融かし消すのはまだ理解できる。
 が、雷撃まで消し去れるものなのか?
 それにあの操作は……。

 隙なんて微塵もないじゃないか。


「次だ、アリマ! アイスアロー!」

 そう、そうだな。
 魔法壁同様、やり直せばいい。

「雷撃!」

「アイスアロー!」

「雷撃!」

 俺とシャリエルンの連撃、四連撃を受けてみろ。

「フレイム」

 が、またしても。
 あっけなく一瞬でフレイムの前に霧散してしまった。

「……っ!」

 駄目だ。
 今は惚けている場合じゃない。
 紫電が駄目なら、違う魔法を試すだけ。

「ストーンボール!」
「ストーンボール!」

 まずは原始的な大型石弾。

「アイスランス!」

 シャリエルンも魔法に切り替えてきた。

「ストーンボール!」
「ストーンボール!」

「アイスロー!」

 石弾に氷槍、氷矢の六連弾。
 さすがに、この対応は難しいはず。

「フレイム」

 難しいよな?

「フレイム!」

 涼しい顔で放たれたフレイム2発。
 白炎に囚われた氷と石が……。

 ジュッ!
 ジュウゥゥゥ!

 嘘だろ?

 氷だけじゃない石までもが融け、いや、昇華されていく。
 その後数秒。
 わずか数秒で全てが消えてしまった。

「「……」」

 少女の圧倒的な力量に、シャリエルンと俺の動きが止まってしまう。

「ふふ、悪くない」

「「……」」

「まだまだ、だがな」

 少女の言葉通り。
 防御壁も構築していない敵に対して、魔法攻撃を通すことができない。
 それどころか、少女の身近くに魔法を届かせることすら叶わない。

「それで、次はどうする?」

「「……」」

「まさかこの程度とは言わぬよな?」

 少女の顔に浮かぶのは余裕の色。
 こちらの仕掛けを誘うように微笑みかけてくる。

「しっかりと力を出してもらわねば困るぞ」

「「……」」

「ともに一流の冒険者なのであろう?」

 挑発、それとも単なる好奇心?
 少女の考えは読めないものの、余力があることだけは確か。
 体力も魔力も……。


「アリマ!」

 対するシャリエルンの顔は歪んでいる。

「剣だ」

 それでも、彼女の瞳に宿る闘志は不変。
 諦念など微塵も見えない。


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