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第12章 激闘編
無理
<エリシティア視点>
問題なく戦えるというギリオン。
今すぐ前線に跳び出しそうな勢いだ。
「姫さん!」
その様子を見ていると信じたくはなる。
ただ、これまでの経緯を考えると……。
「ヴァルター、どう思う?」
ギリオンに尋ねても返ってくる答えは同じだろう。
なら、ヴァルターに聞く方がいい。
「完調ではないですが、回復傾向にあることは間違いありません」
それは私にも分かる。
ただ、現時点では良好な状態であっても激しく動けばどうなる?
「昨日より状態も良さそうですし、ある程度は」
「……問題なく戦えると?」
「短時間で通常の戦いでしたら」
そう、か。
「だから、やれるつってんだろ」
「……」
この交戦が短時間で終わるとは限らない。
またギリオンが常識的な戦い方をするとも思えない。
やはり、安全策をとるなら戦闘は避けるべき。
とはいえ、今の話を聞いていたギリオンが止まるのか?
膠着した戦局を見ていられるのか?
無理だろうな。
「オレは前に出るぞ!」
「止めても無駄、か」
「ああ」
「……分かった。だが、過負荷は避けるんだぞ」
「おう、任せてくれ」
調子のよい返事をしてくれる。
「じゃあ姫さん、行ってくらぁ」
「うむ」
「ついて来いよ、ヴァルター!」
ヴァルターの返事を待たずに、駆け出すギリオン。
あっという間に魔法壁の後ろ、リリニュスとウォーライルの傍に到着してしまった。
「待たせたな」
「ギリオン!」
「ギリオン殿……平気なのですね?」
「平気どころじゃねえ、完璧快調万全だぜ」
「万全、ですか」
「おうよ」
「……」
「んで、リリニュス、壁はどんくらいもつ?」
「2斉射程度なら平気だ。破られても、再構築すればいい」
「上からの爆散は?」
「壁を高くすれば防げる」
「なら、しばらくは問題ねえな。つっても、まあ、勝機を見出すにゃあ」
「出るのか?」
「それしかねえのは、リリニュスも分かってんだろ」
「敵陣に着く前に矢を受けることになるぞ?」
「一撃程度なら盾と剣で何とでもなる。オレとヴァルターならよ」
「ヴァルター殿も?」
「もちろん、だよなあ?」
「うむ」
「まっ、一度敵陣に入りゃ、こっちのもんだぜ」
「……」
「よーし、次の斉射を防いだら突撃すっぞ」
「了解だ」
「次ですか?」
「おう、何射も待つ意味はねえからな」
「ならば、我らも出ましょう」
「いんや、ウォーライルと騎士は待機してくれ。爆散する中駆けんのは2人の方がやりやすいからよ」
「……」
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