ゲイのエッチなお兄さん

回路メグル

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本編2

ポリネシアンセックスのために、期間限定の恋人ごっこ【14】ー恋人6日目ー

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【恋人六日目 -ポリネシアンセックス五日目-】



 朝起きて、二人とも下着姿であることに照れながらおはようのキスをした。

「ユキくん。今日もかわいいね。大好きだよ」
「ん……セイジさんも、朝から素敵。大好き」

 完全に恋人同士らしく、相手が愛しくてたまらない熱っぽいキスに熱っぽい視線だ。
 
 あぁ、朝からなんて幸せなんだ。

 でも……

「いよいよ今日だね」

 ユキくんはいつもの色っぽい笑顔だが、いつもよりもかわいく見えて……。
 高嶺の花のみんなのアイドルではなく、俺のことが好きな俺の恋人だからそう見えるんだろう。
 日に日に人生の最高の瞬間を更新している気がする。
 幸せだ。
 幸せな反面、挿入してしまったら……このポリネシアンセックスが終わってしまったらこの恋人関係も終わってしまうんだと思うと、幸せとのあまりの落差に背筋がぞっとした。
 
「んっ……セイジさん」

 つい、腕の中のユキくんの体を強く抱きしめてしまうと、ユキくんは求められていると思ったのか、くすぐったそうに体をよじる。

「俺も、早くしたい……今、セイジさんとセイジさんのペニスのことしか考えられない……」

 俺の体に擦り寄ってくるユキくんの体はあつい。
 声も甘い。

「セックスがしたくてたまらないことなんてよくあるけど……セックスっていうか、セイジさんが欲しいって高まっているのは初めてで、なんか……」

 俺の顔を見上げる笑顔は、凄まじくエロい。

「俺たち、絶対に最高のセックスできるね?」

 ごくり、と情けないほどあからさまに唾をのんだ。
 今までユキくんとセックスできる時はいつも「最高だ」「嬉しい」「楽しみだ」「興奮する」なんてことに加えて「ユキくんをしっかり満足させないと」「次も選んでもらえるように最高のセックスをしないと」というプレッシャーも感じていた。
 でも今日は違う。

「あぁ」

 不思議と自信がわいた。
 そうだ。
 最高のセックスになる。
 ユキくんは本心は解らないが、セックスのためにもきちんと恋人同士の気持ちを作ってくれている。
 四日間、体もしっかり焦らした。
 今日のセックスは必ずユキくんが今までに体験したことのないセックスにできるはずだ。

「きっと今までに味わったことのない最高のセックスになるよ」

 俺の自信に満ち溢れた言葉に、ユキくんも喉を鳴らした。
 きっとすごいセックスができる。
 だから……これ以上はないというセックスができれば……。

 もしかしたら、この関係も……?

 淡い期待を抱きながら、ベッドから降りた。


      ◆


 ポリネシアンセックス五日目のセックスは午前中からゆっくり行うのがいいと言われている。
 ごく軽い朝食をとって、ぬるいシャワーを浴びて、部屋を薄暗くして、スマホもマナーモードにした。

 リラックスして、セックスだけに……目の前の相手だけに集中できる状況。

 いよいよだ。

「ユキくん」
「セイジさん……ん」

 全裸でベッドにあがり、全身ぴったりと重ね合うように抱きしめる。
 まずはゆっくり抱き合って気分を高めて……

「俺、この五日でセイジさんの体覚えちゃったよ」
「え?」

 ユキくんが俺の背中、肩甲骨から二の腕にかけてを撫でていく。

「ここの窪みの形、筋肉の張り具合、ほくろの位置……」

 もうほとんど消えてしまっている二の腕に付けてくれたキスマークの辺りにキスをされて、ユキくんの手の平は肘、腕、手首、指先と撫でていく。

「腕の太さも、体毛の濃い場所も、指の長さも……」

 俺の指に自分の指を絡めてぎゅっと握り、口元に引き寄せると軽くキスをされた。

「覚えちゃったよ」
「ユキくん……!」

 楽しそうに……でも、これからの行為を明らかに期待している顔でそんなことを言われれば心臓が痛いくらいに鷲掴みにされた。
 俺だけがユキくんの体にじっくり触れられて喜んでいるのだと思っていたから。

「俺も、ユキくんの体で色々発見したよ。皮膚の薄い場所」
「あ♡」

 鎖骨の肩よりの部分に口付けると、ユキくんが甘い声をあげた。
 
「興奮するとすぐに赤くなるところ」
「んん♡」
「じっくり触っていたらくすぐったくなるところ」
「んー……あ♡」

 耳の後ろに口づけ、脇腹の肋骨の浮いた場所を撫でる。
 俺が意識的にどこかに触れるたびにユキくんは気持ちよさそうに、そして嬉しそうに反応を返してくれる。
 それがもう……たまらない。

「新しい、いいところ」
「はぅ♡」

 太ももの薄いキスマークの名残を指先でなぞると、少し背を反らせて体を震わせた。
 たまらない。
 本当に、もう、たまらない。
 たくさんの男が触ってきたユキくんの体だけど、こんなにじっくり、くまなく触れたのは俺だけで、きっと一番知っているのも俺だ。
 そう思うとたまらない。

「はぁ、セイジさん……他も触って。いつも触ってくれるところも♡」

 握ったままだった手を、ユキくんの左胸に押し当てられる。
 今日までまともに触れずにいた場所だ。

「あぁ」
「あ♡ あぁ、あ!」

 指の腹で優しく撫でただけで、ユキくんの顔がとろけた。
 感度が良い。
 いつもセックス中は気持ちよさそうに快感を拾うユキくんだが、今日はやはり様子が違う。
 きっとここに触れた男は多い。
 でも、俺が今までのどの男よりもここでユキくんをよがらせているはずだ。

「あぁ、ユキくんのエッチな声、腰にクるな。もっと聞かせて?」
「あ、あっ、ん、あ♡ んんん♡」

 胸を撫でたまま、もう片方の手で背中、むちっとした腰回り、柔らかく引き締まった尻と感触を楽しむように撫でて、揉んでいく。

「アナル、触っていい?」
「うん♡ うん♡ 触って欲しい♡」
「じゃあ触るね。……ずっと触りたかった」
「あぅ! あ、あ……あぁ!」

 洗って、少しだけローションを絡めてあるアナルに指先を入れた。
 いつものとろとろに用意されたアナルではない。
 今日はポリネシアンセックスだから、最低限の洗浄で、慣らすのは俺がする約束だ。
 こんなことをさせてもらえるのも嬉しくて、まだ狭いユキくんのアナルを堪能するようにゆっくり指を奥へと進める。
 ゆっくり味わって、丁寧に広げてあげたいのに……

「あ、あぁ……嬉しっ……セイジさんの指だぁ……♡」
「っ……!」

 嬉しそうにとろけた顔でそんなことを言われれば……動きが性急になってしまう。
 だって仕方がないだろう?
 俺だってここ数日でもう、体も心も限界なんだ。

「ユキくん、俺の指もっと入れさせて? セックスの準備しよう?」
「うん。あ、ぅ、ん、あ……あ、あ! だめ、それ、だめ!」

 ユキくんは頷いてくれたものの、指を進めると急に慌てて俺の体を押し返す。

「だめ?」
「だ、だめ……」

 顔を横に振るユキくんの声が震える。
 セックス中に「だめ♡」ではなく本気の「だめ」は珍しい。
 でも、この「だめ」はおそらく大丈夫だ。

「前立腺なのに?」
「ひぃッ! あ、アァッ! だめ、あ、つよ、あ、それ、あ、だめイっちゃ、だめ!」

 焦らされて焦らされてやっと触れられた前立腺はすさまじい快感のようで、ユキくんが必死に首を振って俺の胸板を叩く。
 あぁ、かわいい。余裕のないユキくん、かわいい。
 
「じゃあ、もう少し入り口で慣らすね」
「はぁ……あ、……うん……」
「でも、後で俺のペニスで前立腺ごりごりするの、楽しみだね?」
「っ……! う、うん♡」
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