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第5章 旅の話
第95話 一方通行(3)
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だって、魔王さん一回もイってない。
気持ちよさそうじゃない。
「え?」
「魔王さんも、イってくれないと、俺……どんなに気持ち良くても満たされない」
「ライト……?」
なんで解らないの?
魔王さん、何のためにセックスしてるの?
「気持ちいいのがいいだけなら俺、勝手にオナニーするし」
吐き捨てるように言うと、魔王さんは言葉を詰まらせる。
「魔王さんも気持ちよくなって、俺のアナルであんあん喘いじゃって、たまんなくなって射精してくれなきゃ、俺、満足できない」
何で魔王さんが急にこんなセックスをしたのか解らないけど……
「こんな、俺だけ気持ちいいのは、セックスじゃない!」
「……っ……」
キツめの口調で言うと、魔王さんは更に悲しそうに……ほとんど泣きそうな顔で唇を噛んだ。
だから、違う。そうじゃない。
魔王さんを責めたいんじゃなくて……。
「いつもしてくれるセックスが良い。キスしながら、魔王さんが気持ちよくなっちゃう腰振りして……」
俺から魔王さんの首に両手を絡める。
エッチな笑顔も向けてあげたいけど……ちょっと難しいか。なるべく表情を緩めて、魔王さんの頬に唇を寄せる。
「ライト……?」
「気持ちよさそうな顔して、コンドーム外れそうになるくらいたっぷり射精してよ……」
頭を撫でると、魔王さんの上半身が俺の体に近づいてくれる。
ほら。体温感じる。この方が良い。
「セックス、しようよ」
唇を啄んでぎこちなく笑うと、魔王さんはほとんど泣きながら俺の唇を啄む。何度も、何度も、角度を変えて、何度も。
「ん、んっ、ん、あ、ん」
「ライト……っ……ライト、はぁ……ライト……!」
「ん……んむ……ん、はぅ……」
キスがだんだん深くなって、舌が絡んで、ねちっこくなって、魔王さんの腰振りも始まる。
「あ、ん、む、んん、ん!」
気持ちいい。
最奥じゃないけど、魔王さんの大きいから前立腺擦れるのも気持ちいいし、普通に幅の広いストロークになると奥にも響くし、これで充分気持ちいい。
キスする余裕もあるし、魔王さんの気持ちよさそうな声も、顔も、堪能できるし。
「あ、あ、っ、ほらぁ。これの方がいい……きもち…ン、い……すき……」
やっとちゃんと笑えると、魔王さんも泣きそうな顔のまま笑顔になってくれた。
うん……よかった。
「ん……っ……俺、これがいい、このセックスがいい、魔王さんと一緒にきもちよくなるの、好き」
抱きしめる腕の力を強くすれば、魔王さんもすっぽりと俺の体を大きな体で包み込むように抱きしめてくれる。
あぁ、いい。魔王さん感じる。いい。
「ライト……好きだ……ライトが、好きで、好きで、仕方が無いんだ」
「うん。俺もだよ……魔王さん、好き……ん、あ! すき」
「あ……くっ……ライト、はぁ……好きだ……ライト、好きなんだ……ライト……!」
「ん、む、ぅ、く、ん!」
あ、またキスだ。腰の動きも速い……!
「ん、あ、ライト……あぁ、ライト……!」
「ん、ん、んむ、く、ぅ、んんんっ!」
いつになく魔王さんが名前をたくさん呼んで、好きだって沢山言ってくれて、気持ちよさそうに喘いでくれて……俺のリクエスト通り、キスをしながら気持ちよさそうに腰を振ってくれて……コンドーム越しだけど、俺の中で射精したのが解った。
「あ、あ……あぁ……魔王さん、イって、くれてる……中で、どくどくいってるの、うれしい……きもちいい……」
俺、もう四回射精してメスイキもしたから射精できないんだけど……でも……。
「このセックス……すき……このセックスじゃなきゃ……もう満たされない」
最高に、頭の奥までじんわりと多幸感が広がって、自然と蕩けた笑顔になっていたと思う。
身体も頭も、もうとろけそうで……とろけていて……。
「ライト?」
ふわふわする……。
「ライト……っ、ライト……」
あれ? 魔王さん……?
泣いてる?
なんで泣くの? このセックス嫌だった?
「なかない……で……――」
魔王さんを笑顔にしたいのに、俺の意識はもう、もたなかった。
気持ちよさそうじゃない。
「え?」
「魔王さんも、イってくれないと、俺……どんなに気持ち良くても満たされない」
「ライト……?」
なんで解らないの?
魔王さん、何のためにセックスしてるの?
「気持ちいいのがいいだけなら俺、勝手にオナニーするし」
吐き捨てるように言うと、魔王さんは言葉を詰まらせる。
「魔王さんも気持ちよくなって、俺のアナルであんあん喘いじゃって、たまんなくなって射精してくれなきゃ、俺、満足できない」
何で魔王さんが急にこんなセックスをしたのか解らないけど……
「こんな、俺だけ気持ちいいのは、セックスじゃない!」
「……っ……」
キツめの口調で言うと、魔王さんは更に悲しそうに……ほとんど泣きそうな顔で唇を噛んだ。
だから、違う。そうじゃない。
魔王さんを責めたいんじゃなくて……。
「いつもしてくれるセックスが良い。キスしながら、魔王さんが気持ちよくなっちゃう腰振りして……」
俺から魔王さんの首に両手を絡める。
エッチな笑顔も向けてあげたいけど……ちょっと難しいか。なるべく表情を緩めて、魔王さんの頬に唇を寄せる。
「ライト……?」
「気持ちよさそうな顔して、コンドーム外れそうになるくらいたっぷり射精してよ……」
頭を撫でると、魔王さんの上半身が俺の体に近づいてくれる。
ほら。体温感じる。この方が良い。
「セックス、しようよ」
唇を啄んでぎこちなく笑うと、魔王さんはほとんど泣きながら俺の唇を啄む。何度も、何度も、角度を変えて、何度も。
「ん、んっ、ん、あ、ん」
「ライト……っ……ライト、はぁ……ライト……!」
「ん……んむ……ん、はぅ……」
キスがだんだん深くなって、舌が絡んで、ねちっこくなって、魔王さんの腰振りも始まる。
「あ、ん、む、んん、ん!」
気持ちいい。
最奥じゃないけど、魔王さんの大きいから前立腺擦れるのも気持ちいいし、普通に幅の広いストロークになると奥にも響くし、これで充分気持ちいい。
キスする余裕もあるし、魔王さんの気持ちよさそうな声も、顔も、堪能できるし。
「あ、あ、っ、ほらぁ。これの方がいい……きもち…ン、い……すき……」
やっとちゃんと笑えると、魔王さんも泣きそうな顔のまま笑顔になってくれた。
うん……よかった。
「ん……っ……俺、これがいい、このセックスがいい、魔王さんと一緒にきもちよくなるの、好き」
抱きしめる腕の力を強くすれば、魔王さんもすっぽりと俺の体を大きな体で包み込むように抱きしめてくれる。
あぁ、いい。魔王さん感じる。いい。
「ライト……好きだ……ライトが、好きで、好きで、仕方が無いんだ」
「うん。俺もだよ……魔王さん、好き……ん、あ! すき」
「あ……くっ……ライト、はぁ……好きだ……ライト、好きなんだ……ライト……!」
「ん、む、ぅ、く、ん!」
あ、またキスだ。腰の動きも速い……!
「ん、あ、ライト……あぁ、ライト……!」
「ん、ん、んむ、く、ぅ、んんんっ!」
いつになく魔王さんが名前をたくさん呼んで、好きだって沢山言ってくれて、気持ちよさそうに喘いでくれて……俺のリクエスト通り、キスをしながら気持ちよさそうに腰を振ってくれて……コンドーム越しだけど、俺の中で射精したのが解った。
「あ、あ……あぁ……魔王さん、イって、くれてる……中で、どくどくいってるの、うれしい……きもちいい……」
俺、もう四回射精してメスイキもしたから射精できないんだけど……でも……。
「このセックス……すき……このセックスじゃなきゃ……もう満たされない」
最高に、頭の奥までじんわりと多幸感が広がって、自然と蕩けた笑顔になっていたと思う。
身体も頭も、もうとろけそうで……とろけていて……。
「ライト?」
ふわふわする……。
「ライト……っ、ライト……」
あれ? 魔王さん……?
泣いてる?
なんで泣くの? このセックス嫌だった?
「なかない……で……――」
魔王さんを笑顔にしたいのに、俺の意識はもう、もたなかった。
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