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第7章 その後の二人 / 魔力切れと覚悟の話
再会(5)
しおりを挟む「ライト……はぁ……久しぶり、なのに……こんな刺激的な……はぁ……あぁ、はぁ……」
「ん、あ、あ、ああ、あ!?」
まだオーガズム、引いてないのに。
やばい。ずっと、ずっときもちいい。
ずっと深い、うれしい、でも、やばい!
「あ、ちょ、あ、あ!」
深くならないように、奥まで入れやすい角度にならないように、腕に力入れて密着しようと思うのに、もう、腕の力が入らない。首に回しているというか、引っかかっているだけだ。
嬉しいけど、求められるの、気持ちいいの、嬉しいけど、ちょっとこれ、あ、だめ。
あ、そうだ。
「あ、ま、まおうさ、きす、キスしたい、キスぅ……!」
獰猛だけど気持ちよさそうな顔で腰を振る魔王さんが、俺の言葉に笑顔になる。
「キスか、あぁ」
「んっぅ!」
すぐに俺の体を抱えなおして、大きな掌で太ももの付け根から尻辺りを支えて、もう片方の手で背中を抱き寄せてくれる。
上半身がくっついて、中に埋まったものの角度が変わった。
「ん、あ、はぁ……」
ゆっくり、ねっとり、何度も角度を変えて、舌で撫でまわして、濃厚なキスをたっぷりしてくれて……あれ?
「あ、あ? あ、や、やだ、まおうさん、これ、あ、折角注いでもらったのに……!」
角度が変わったからか、注いでもらった精液が結合部から床に数滴落ちてしまった。
勿体ない。
悲しいくらい勿体ない。
しかも、魔王さんがちょっと腰を動かすたびに……。
「あ、あぅ、あ、まお、さ、こ、これ、精液、零れちゃう。いや、嫌! 魔王さんの、精液、こぼれるの嫌!」
ずっと欲しかった精液なのに。やっともらえたのに。
悲しくてパニックになりかけながら首を振ると、魔王さんは優しく……でも腰の動きは止めてくれないまま唇を啄んだ。
「はぁ、ははっ、そうか。かわいい……かわいいな……」
魔王さんの「かわいい」は嬉しいけど、今はだめ。精液、零れるの辛い。
俺からねだった体位なのに。
いつの間にか涙までこぼしながら、なりふり構わず首を振る。
「魔王さん、ごめん。ごめんね。この体位、もう嫌。精液零れるの、悲しい。魔王さんの精液、やっと、やっともらえたのにぃ……」
「はぁ、かわいい……ライト、そうだな。すまない。もうベッドへ行く。ベッドで、零れた分も、たくさん注ぐ……!」
「たくさん? やった!」
魔王さんの精液が沢山もらえる!
その言葉がすでに嬉しくて、一瞬で涙でぐずぐずの顔が笑顔になったと思う。
「くっ……! あぁ、もう……ライト、掴まっていろ!」
「ん?」
あれ? ベッド行くって……。
言われるまましっかりしがみついたけど……え?
「んぐっ!?」
「くっ」
繋がったまま、魔王さんがベッドへ向けて歩き始めた。
あ、うそ。
一回抜くと思ったのに。
俺、そんなに軽い?
え、ちょっと、これ、あ!
「あぁ! あ、あ、おっ、あ、く、ぐ、あ、あぁ、あ、ひっ、ぐ、う、あ!」
一歩。
一歩進むごとに、ずんって!
腰突き上げるより、やばい。
「ふぅ、はぁ……くっ」
魔王さんも、進むたびに色っぽい声を漏らして……っていうか、これ、本当、本当に、やばいって。やばい。
ベッドまで、寝室まで、あと何歩?
「あ、あぁ! あ、や、あ、あん!」
ゆっくり慎重に歩いてくれるのは優しさなんだと思うけど、これ……これ……。
……イきそう。
「あ、だめ、あ、い、イっ! あ! あぅ、く!」
ベッドに背中が付いたのと、射精してしまったのがほぼ同時だと思う。
「んっ……はぁ……これでイったのか? かわいいな……ライト、すごくかわいい……!」
「ん、んーー……っ!」
繋がったままベッドに体を降ろされて、魔王さんもそのままベッドに乗りあがって、正常位になる。
いつものセックスの体勢。
でも、なんか……今日は、なんかちがう。
久しぶりだから? ベッドに来るまでに沢山イかせてもらったから?
引ききらない快感が全部蓄積されていて……。
「今日は、ここも可愛がってやれていないのに」
「え?」
魔王さんが、俺のこと大好きでたまらないって蕩けそうな顔でキスをしてくれるのは最高に幸せなんだけど……中に埋まった硬い物が、また射精に向けて動き始めたのも嬉しいんだけど……でも……!?
「あ、ちょ、あ、そこ、あん、いいから、そこより、精液、精液注いで!」
魔王さんが俺のペニスを優しく扱く。
確かに今日はまだそこ触ってもらってないけど、後ろでイったし、今日は俺の快感よりも、精液……魔王さんの精液……なのに!
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