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番外編1 ●●が怖い執事長の話
最高のペット様
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セックスをされてからのお二人は、ますます仲睦まじく、距離が縮まったように見えた。
間違いなく嬉しいことではあるが、よく解らない。
ライト様は魔王様のことを気に入っておられるようではあるが、それでも魔王様からの愛の方が確実に大きいのに。
ライト様は、三年契約だからここにいるのに。
自分より大きな愛を向けられることが……愛されることが、怖くないのか?
恋人でも、伴侶でもない相手に体を求められることは怖くないのか?
私は……愛されることも、体を求められることも、怖くて仕方が無いのに。
◆
私が勝手にモヤモヤすることはあっても、魔王様とライト様の仲はただただ順調だった。
……と言うよりも、ライト様がすごすぎた。
まず驚いたのは、魔王様が黒髪を嫌うからと、髪色を変えてくださったことだ。
信じられなかった。
自分の持って生まれたものを変えるなんて。
それに、魔力で体を作り替えるなんて。
……眷属化を彷彿とする恐ろしい行為なのに。
ライト様の慈悲と覚悟に理解が追い付かなかった。
……ライト様に魔王様が黒髪が苦手である理由をご説明するために、心の中に閉じ込めている「嫌な思い出」が顔をのぞかせたが……ライト様があまりにもお優しくてかわいくて、嫌な思い出もどこかへ行ってしまった。
かわいいは正義だ。
◆
次に驚いたのは、私の元の姿を見せても怖がらなかったことだ。
本来人間は、はるか昔に魔族が眷属化を悪用した際の恐怖心が体に刻まれている。人型に近い姿はマシだが、元の……原始の姿になると、人間は遺伝子レベルで怖がってしまうはずだ。
昔の魔族が人間に対してそれだけのことをしたのだから仕方がない。
だが……。
ライト様は怖がらなかった。
異世界から来られているからか?
いや、それだけではない。ライト様は「ローズウェルさんだって、元の姿を見せるのは嫌なはずなのにね。魔王さんのために優しいね」と……私の気持ちに寄り添ってくれた。姿かたちではなく、「本質」を見ている気がした。
ペットとして「かわいい!」と思っていたライト様だが……この辺りから「尊敬」の念も増えていったように思う。
◆
その後も、魔王様のためにダサい服を着てくださったり、魔王様を元気づけるために料理を作ってくださったり、パーティーでは天才的な立ち回りを見せたり……。
かわいい!
すごい!
天才!
最高のペット様だ!
と思う反面、不思議で仕方が無かった。
なぜ魔王様のためにここまでしてくれるのか。
ただの三年契約のペットなのに。
三年経てば出ていくのに。
たった三年のためにサービスしすぎではないかと。頑張りすぎではないかと。
だがこの不思議は、すぐに解消された。
なんと、ライト様が三年以上……一生、このお城にいてくださることになったのだ。
一人に一生を捧げるなんて、なかなかできることではない。
親子や夫婦でしかできないようなことだ。
それをしてくれるなんて……
ここでやっと、ライト様は私が想像する以上に魔王様のことがお好きなのだと、少し納得がいった。
間違いなく嬉しいことではあるが、よく解らない。
ライト様は魔王様のことを気に入っておられるようではあるが、それでも魔王様からの愛の方が確実に大きいのに。
ライト様は、三年契約だからここにいるのに。
自分より大きな愛を向けられることが……愛されることが、怖くないのか?
恋人でも、伴侶でもない相手に体を求められることは怖くないのか?
私は……愛されることも、体を求められることも、怖くて仕方が無いのに。
◆
私が勝手にモヤモヤすることはあっても、魔王様とライト様の仲はただただ順調だった。
……と言うよりも、ライト様がすごすぎた。
まず驚いたのは、魔王様が黒髪を嫌うからと、髪色を変えてくださったことだ。
信じられなかった。
自分の持って生まれたものを変えるなんて。
それに、魔力で体を作り替えるなんて。
……眷属化を彷彿とする恐ろしい行為なのに。
ライト様の慈悲と覚悟に理解が追い付かなかった。
……ライト様に魔王様が黒髪が苦手である理由をご説明するために、心の中に閉じ込めている「嫌な思い出」が顔をのぞかせたが……ライト様があまりにもお優しくてかわいくて、嫌な思い出もどこかへ行ってしまった。
かわいいは正義だ。
◆
次に驚いたのは、私の元の姿を見せても怖がらなかったことだ。
本来人間は、はるか昔に魔族が眷属化を悪用した際の恐怖心が体に刻まれている。人型に近い姿はマシだが、元の……原始の姿になると、人間は遺伝子レベルで怖がってしまうはずだ。
昔の魔族が人間に対してそれだけのことをしたのだから仕方がない。
だが……。
ライト様は怖がらなかった。
異世界から来られているからか?
いや、それだけではない。ライト様は「ローズウェルさんだって、元の姿を見せるのは嫌なはずなのにね。魔王さんのために優しいね」と……私の気持ちに寄り添ってくれた。姿かたちではなく、「本質」を見ている気がした。
ペットとして「かわいい!」と思っていたライト様だが……この辺りから「尊敬」の念も増えていったように思う。
◆
その後も、魔王様のためにダサい服を着てくださったり、魔王様を元気づけるために料理を作ってくださったり、パーティーでは天才的な立ち回りを見せたり……。
かわいい!
すごい!
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最高のペット様だ!
と思う反面、不思議で仕方が無かった。
なぜ魔王様のためにここまでしてくれるのか。
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だがこの不思議は、すぐに解消された。
なんと、ライト様が三年以上……一生、このお城にいてくださることになったのだ。
一人に一生を捧げるなんて、なかなかできることではない。
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それをしてくれるなんて……
ここでやっと、ライト様は私が想像する以上に魔王様のことがお好きなのだと、少し納得がいった。
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