魔王さんのガチペット

回路メグル

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番外編1 ●●が怖い執事長の話

真実(5)

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「お待たせ、ローズウェルさん」

 入り口まで魔王様を見送っていたライト様に促されて、またソファに向かい合って着席する。
 ライト様はいつでもにこにこかわいい笑顔でご機嫌でかわいくてかわいいが……魔王様と触れ合った後は一層かわいい。
 衝撃的な真実とウオルタの気持ちを知ってしまった今、こんなにもかわいいライト様に教えて頂きたいことはもう……これしかなかった。

「ライト様……私はずっと、愛されることが怖かった。でも……あなたを見ていると」

 ライト様と魔王様の笑顔を見ていると……

「愛されることは……喜ばしいこと……ですか?」

 普段から愛されることが好きだとおっしゃっているライト様にこんなことを聞いても、「うん、そうだよ」と明るい笑顔で返事をしてくださるだけだと思った。
 それでも、確信を得たいから尋ねたのだが……。

「それを聞いてくるってことは、ローズウェルさんは愛される喜び知らないんだよね? 本当勿体ない!」
「え?」
「俺は戦時中のことを知らないから好き勝手言うけどね」

 ライト様は笑顔ではなく、少し真剣な顔で私と向き合った。

「ローズウェルさんを襲った兵士は、ローズウェルさんを愛したんじゃないと思うよ」
「え? 愛では……ない?」

 愛の言葉を口にしていた。
 セックスは一方的だとしても好きな相手とすることだ。
 ……違うのか?

「うん。その兵士さんが満足したかったか救われたかった……じゃない? 俺、愛するのも愛されるのも大好きだから、愛に対しての評価基準は厳しいよ」

 ライト様の物差しでは、あれは……愛ではない……。

「兵士さんがローズウェルさんのことを愛していたのかもしれないけど、その行為自体は愛じゃない。自己満足。偽りの愛。そんなのを愛と思うのは愛に対して失礼」
「偽りの……? 失礼……?」

 私が苦しんだ愛と、ライト様が楽しんでいる愛は違う……ということか?

「だから、ローズウェルさんは、本当の愛に気付いていないというか……まだ知らないんじゃない? もったいないなぁ。俺の基準で騎士団長さんの愛は、たぶんちゃんと愛だから、騎士団長さんからの愛を一回素直に受け入れてみたら?」
「ですが……私はまだ、ウオルタのことが好きかどうかは……」

 そもそも、愛を受け入れるというのが解るような解らないような……。

「愛されてみて『違うな』って思ったらごめんなさいでいいし、『これいい!』って思ったら恋人でいいんじゃない? 難しく考えることないよ」

 難しく考えすぎていた……のか?
 
「まずは、騎士団長さんと話してみたら? 騎士団長さんの本当の気持ちは、騎士団長さんしか知らないんだし」

 そうか……いや、そうだ。
 なぜ私は本人に聞かなかったんだろう。
 周りに、「ウオルタはローズウェルが好き」と確証を与えて欲しかったんだろう。
 それはきっと……おそらく私は……

「手伝い、いる?」
「いえ……まずは自分でやってみて……困ったらまた相談させて頂いてもよろしいですか?」
「もちろん。俺ね、愛されるの大好き。愛するのも大好き。あと……」

 ライト様が身を乗り出して私の顔を覗き込んだ。

「大好きな人が愛されているのも大好き」
「ライト様……」
「ローズウェルさん。俺が好きな『愛されること』をローズウェルさんにも知って欲しい」

 ライト様のかわいい笑顔に釣られて、私も表情が緩んだ。

「……はい!」
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