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第9章 その後の世界 / 新しい仲間と遊びの話
しつこい(1)
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「魔王さん、イユリちゃんのことだけど……」
イユリちゃんとミチュチュちゃん、ギルドマスターさんを見送った夜。
俺の部屋で一緒に夕食を食べたあとの、お茶を片手にソファでゆっくりする時間。
昨日はあまり一緒にいられなかったからか、いつもよりも魔王さんの距離が近い。
「難しいことなのに俺のお願いをきいてくれてありがとう」
「別に……前例がなかっただけで、おかしいことではないだろう。だが、以前なら人間の村以外の魔族の生活圏で、人間のペットが人間を雇用して城で働かせるなんて訳のわからないこと、理解しようとも思わなかった。ライトと過ごすうちに、人間は愛玩動物というだけではないのはわかった。今回のことも……わかった」
「ふふっ。俺の『人間』っていう種族のこと、たくさん理解してくれてありがとう」
魔王さんの腕に抱き着いて笑顔で顔を覗き込むけど……うーん。やっぱり顔が曇っているな。
俺、こんなにかわいくお礼を言ったのに。
ここはやっぱり、「心配しないでね、魔王さんとの時間は減らさないし、今回のことでもっと好きになったよ」って安心させてあげないと。
「それに……」
俺が口を開くより先に、魔王さんが悔しそうに視線を逸らす。
「ライトに寂しい思いをさせている自覚はあった。イユリ様がきてくれれば、にぎやかになるな」
ん? なんだろう……
「寂しい? 毎日魔王さんと会えるし、お城のみんなも優しくていい人ばかりだし、来客もあるし、寂しいなんて思ってないよ?」
嘘じゃない。毎日楽しい。
魔王さんが忙しくて会えない日はちょっと寂しいけど……
「……だが、ここには魔族しかいない」
「たまに、人間の村に遊びに行っているよ? オファちゃんのところにも」
この世界の人間って俺と考え方が違う部分が多いから、人間同士の方が気が合うってことでもないけど。感覚の合う友達と言えばエルフの国のイルズちゃんがいるし、ミチュチュちゃんや最近のオファちゃんも話しやすい。
定期的に遊びに行ったり会議の付き添いで会ったり、数ヵ月に一回程度だけど、大人の友達付き合いってこんなものじゃない?
「だが……」
うーん?
なんで否定しても、否定しても、魔王さんの顔はどんどん曇って、泣きそうになってしまうんだろう。
「導王のところのオファ様は、定期的に里帰りをしているときいた」
「あぁ、うん。そうみたいだね」
そんなの、四年くらい前から聞いていたよね? 今更?
「ライトも本当は……弟に会いたいのだろう」
「……その話は、何回もしたよね?」
この世界に呼ばれてすぐのころや、元の世界に戻れることがわかったとき、大切な弟と離れ離れになったことを謝られたり、弟のそばにいたいのではないかと言われたり……そのたびに弟よりも魔王さんのそばにいたいって伝えたのに? まだ言うの? 俺、ちゃんと魔王さんを選んだのに。
「あぁ、わかっている、ライトが大事な大事な弟よりも俺を選んでくれたことは、この人生のなによりの喜びで……ライトの気持ちもわかっている。だが……」
魔王さんが悔しそうに歯を食いしばって……力が入りすぎて、唇も、声も、震えている。
「俺は、ライトから二度も弟を奪ったようなものだ」
「え? あ……あぁ……」
一度目はこの世界に呼んだことだよね?
二度目は……
「俺が、ライトの忠告を聞かず、オファ様の命を優先したから……」
そのことか。
「うーん……それももう、十分謝ってもらったよ? 見殺しにしていたら後味悪かったと思うし、結果的にいろいろといいこともあったし、俺は納得してる。それに、魔王さんのそういう、誰の命も取りこぼさない、みんなを幸せにしたいと思う優しいところ、大好きだよ」
四年ほど前、導王様のペットの人間「オファちゃん」が大怪我をして、この世界の医療技術では助けられないから、俺が付き添って元の世界の病院で治療してもらったんだけど……
最初に魔王さんから「ライトのいた世界に連れて行けば、助かる可能性はあるか?」と聞かれたときに、一回は断ったんだよね。
だって、一人をこの方法で助けたら、今後何人も「助けてください」って言ってくるかもしれない。
その人たち全員を助けるのは無理。
元の世界と行き来する魔法はまだ研究段階で、「元の世界で生まれた人間」の俺がいないと発動できない。魔族は向こうの世界に存在しない種族だから行くことができない。
一回魔法を発動させるために、貴重な魔法石がたくさん必要で……金額に直すと平均的な年収を超えるとか。
誰にでもしてあげられることじゃないのに、オファちゃんにだけしてあげるのは……残酷かもしれないけど、やっちゃいけないことだと俺は思った。
でも、魔王さんは……「俺が責任をとるから頼む」って。
俺が諦めてしまう部分も、いつも全力で取り組む魔王さんは、甘いなと思うけど……俺にはない優しさに感心した。
もちろん、優しいだけじゃなくて、オファちゃんを特別に連れて行ったことに関しても、ちょうど始まった「魔王の国と導王の国の共同研究の一環」なんて言い訳をつけて世間を納得させてくれた。導王の国とも仲良くなった。
オファちゃんが元の世界の勉強してくれるのも助かっている。
間違いではなかったと、思う。
「いや、俺の考えが浅かった。大事な友達の大事なペットだからと……もし自分が逆の立場だったらと……一国の王としてではなく、個人の感情で動いて……ライトの大事な機会を奪ってしまった」
「それは……その時はわからなかったから仕方ないし、わかっていても……した方がよかったと思うよ」
もともと「体への負荷がかかる魔法なので、使用は数年に一度が望ましい」とは聞いていたけど、あの時、魔力補給とか報告とかもあって三ヵ月ほどの間に三往復したことで、体に影響が出てしまった。
魔法の仕組みとか、魔力とか、まったくわからないんだけど、二つの世界を行き来したせいで、俺の存在があやふやになってしまって、肉体から「存在を司る力」という魔力の一種……俺の解釈では「魂」みたいなものが肉体とくっつきにくくなっているというか、はがれかけ? ファイさんには「一〇本の糸で繋がっていたものが二本になるような感覚です」と言われた。
時間がたてば回復するらしいけど、この力がこれ以上弱くなると存在を保てないとか……それって死? 怖すぎる。
「可能性はきいていた。俺が想像していた何倍も負担の大きい魔法だったんだ……すまない」
もとのように繋がりが強くなるには最低一五年と言われた。
一五年間、元の世界に行けない。
弟に会えない。
俺は魔王さんと同じ寿命になったから平気だけど、弟は普通に歳を取るから……一五年後なら弟は二人とも四〇歳くらい?
心配はしないと思うけど……一五年もあれば結婚、出産、転職、引っ越し、ケガや病気……何かあったときにそばで支えてあげられないのはもどかしい。
でも、そんなのとっくに覚悟が決まっていた。
もっともっと前、この世界に来てすぐは、もう一生元の世界に戻れないと思っていたし。
その時に比べれば、一五年後だとしても帰れるなんてラッキー。
俺の中では、そう決着がついているのに。
魔王さんにも俺の気持ちは伝えたのに。
「だから、仕方ないって。俺はもう納得しているし、正解だったよ。四年前に説明したこと忘れた?」
「忘れていない。だが……」
魔王さんがやっと顔を上げた。
「イユリ様に対する、ライトの『兄』らしい顔を見ると……俺は、ライトからこの顔を奪ってしまったのだと思うと、申し訳なかった」
「……」
そこか……
「とても、楽しそうな顔をしていた。俺に向けてくれる愛情とは違って……いや、あの顔を俺にも向けてほしいというわけではない。ライトのくれる愛情には満足している。だが……本当に……本当にライトは、よき兄なのだと……ライトのそういう魅力的な部分を、俺は……」
「……」
なるほどね。
確かに弟みたいでかわいいとは思ったし、「お兄ちゃん」するのは好きだけど……なんでそこを結び付けちゃうかな?
魔王さん優しすぎる。
優しくて、繊細で、俺を気遣ってくれて嬉しい。
魔王さんのいいところ。大好き!
でも……
これは少し強く言わないと引きずっちゃうやつだな。
キツイ言い方をするのは好きじゃないけど、荒治療するしかないか……
「すまないっ……!」
「しつこい」
魔王さんが泣きそうな声を絞り出して頭を下げてくれるけど、できるだけ不機嫌そうに、頬を膨らませて言い切る。
「っ……!」
魔王さんが頭を下げたままビクっと体を震わせた。
ごめんね。俺のこんな怖い声、聞き慣れていないよね。
でも、魔王さんを笑顔にするために、今日はこれでいく。
イユリちゃんとミチュチュちゃん、ギルドマスターさんを見送った夜。
俺の部屋で一緒に夕食を食べたあとの、お茶を片手にソファでゆっくりする時間。
昨日はあまり一緒にいられなかったからか、いつもよりも魔王さんの距離が近い。
「難しいことなのに俺のお願いをきいてくれてありがとう」
「別に……前例がなかっただけで、おかしいことではないだろう。だが、以前なら人間の村以外の魔族の生活圏で、人間のペットが人間を雇用して城で働かせるなんて訳のわからないこと、理解しようとも思わなかった。ライトと過ごすうちに、人間は愛玩動物というだけではないのはわかった。今回のことも……わかった」
「ふふっ。俺の『人間』っていう種族のこと、たくさん理解してくれてありがとう」
魔王さんの腕に抱き着いて笑顔で顔を覗き込むけど……うーん。やっぱり顔が曇っているな。
俺、こんなにかわいくお礼を言ったのに。
ここはやっぱり、「心配しないでね、魔王さんとの時間は減らさないし、今回のことでもっと好きになったよ」って安心させてあげないと。
「それに……」
俺が口を開くより先に、魔王さんが悔しそうに視線を逸らす。
「ライトに寂しい思いをさせている自覚はあった。イユリ様がきてくれれば、にぎやかになるな」
ん? なんだろう……
「寂しい? 毎日魔王さんと会えるし、お城のみんなも優しくていい人ばかりだし、来客もあるし、寂しいなんて思ってないよ?」
嘘じゃない。毎日楽しい。
魔王さんが忙しくて会えない日はちょっと寂しいけど……
「……だが、ここには魔族しかいない」
「たまに、人間の村に遊びに行っているよ? オファちゃんのところにも」
この世界の人間って俺と考え方が違う部分が多いから、人間同士の方が気が合うってことでもないけど。感覚の合う友達と言えばエルフの国のイルズちゃんがいるし、ミチュチュちゃんや最近のオファちゃんも話しやすい。
定期的に遊びに行ったり会議の付き添いで会ったり、数ヵ月に一回程度だけど、大人の友達付き合いってこんなものじゃない?
「だが……」
うーん?
なんで否定しても、否定しても、魔王さんの顔はどんどん曇って、泣きそうになってしまうんだろう。
「導王のところのオファ様は、定期的に里帰りをしているときいた」
「あぁ、うん。そうみたいだね」
そんなの、四年くらい前から聞いていたよね? 今更?
「ライトも本当は……弟に会いたいのだろう」
「……その話は、何回もしたよね?」
この世界に呼ばれてすぐのころや、元の世界に戻れることがわかったとき、大切な弟と離れ離れになったことを謝られたり、弟のそばにいたいのではないかと言われたり……そのたびに弟よりも魔王さんのそばにいたいって伝えたのに? まだ言うの? 俺、ちゃんと魔王さんを選んだのに。
「あぁ、わかっている、ライトが大事な大事な弟よりも俺を選んでくれたことは、この人生のなによりの喜びで……ライトの気持ちもわかっている。だが……」
魔王さんが悔しそうに歯を食いしばって……力が入りすぎて、唇も、声も、震えている。
「俺は、ライトから二度も弟を奪ったようなものだ」
「え? あ……あぁ……」
一度目はこの世界に呼んだことだよね?
二度目は……
「俺が、ライトの忠告を聞かず、オファ様の命を優先したから……」
そのことか。
「うーん……それももう、十分謝ってもらったよ? 見殺しにしていたら後味悪かったと思うし、結果的にいろいろといいこともあったし、俺は納得してる。それに、魔王さんのそういう、誰の命も取りこぼさない、みんなを幸せにしたいと思う優しいところ、大好きだよ」
四年ほど前、導王様のペットの人間「オファちゃん」が大怪我をして、この世界の医療技術では助けられないから、俺が付き添って元の世界の病院で治療してもらったんだけど……
最初に魔王さんから「ライトのいた世界に連れて行けば、助かる可能性はあるか?」と聞かれたときに、一回は断ったんだよね。
だって、一人をこの方法で助けたら、今後何人も「助けてください」って言ってくるかもしれない。
その人たち全員を助けるのは無理。
元の世界と行き来する魔法はまだ研究段階で、「元の世界で生まれた人間」の俺がいないと発動できない。魔族は向こうの世界に存在しない種族だから行くことができない。
一回魔法を発動させるために、貴重な魔法石がたくさん必要で……金額に直すと平均的な年収を超えるとか。
誰にでもしてあげられることじゃないのに、オファちゃんにだけしてあげるのは……残酷かもしれないけど、やっちゃいけないことだと俺は思った。
でも、魔王さんは……「俺が責任をとるから頼む」って。
俺が諦めてしまう部分も、いつも全力で取り組む魔王さんは、甘いなと思うけど……俺にはない優しさに感心した。
もちろん、優しいだけじゃなくて、オファちゃんを特別に連れて行ったことに関しても、ちょうど始まった「魔王の国と導王の国の共同研究の一環」なんて言い訳をつけて世間を納得させてくれた。導王の国とも仲良くなった。
オファちゃんが元の世界の勉強してくれるのも助かっている。
間違いではなかったと、思う。
「いや、俺の考えが浅かった。大事な友達の大事なペットだからと……もし自分が逆の立場だったらと……一国の王としてではなく、個人の感情で動いて……ライトの大事な機会を奪ってしまった」
「それは……その時はわからなかったから仕方ないし、わかっていても……した方がよかったと思うよ」
もともと「体への負荷がかかる魔法なので、使用は数年に一度が望ましい」とは聞いていたけど、あの時、魔力補給とか報告とかもあって三ヵ月ほどの間に三往復したことで、体に影響が出てしまった。
魔法の仕組みとか、魔力とか、まったくわからないんだけど、二つの世界を行き来したせいで、俺の存在があやふやになってしまって、肉体から「存在を司る力」という魔力の一種……俺の解釈では「魂」みたいなものが肉体とくっつきにくくなっているというか、はがれかけ? ファイさんには「一〇本の糸で繋がっていたものが二本になるような感覚です」と言われた。
時間がたてば回復するらしいけど、この力がこれ以上弱くなると存在を保てないとか……それって死? 怖すぎる。
「可能性はきいていた。俺が想像していた何倍も負担の大きい魔法だったんだ……すまない」
もとのように繋がりが強くなるには最低一五年と言われた。
一五年間、元の世界に行けない。
弟に会えない。
俺は魔王さんと同じ寿命になったから平気だけど、弟は普通に歳を取るから……一五年後なら弟は二人とも四〇歳くらい?
心配はしないと思うけど……一五年もあれば結婚、出産、転職、引っ越し、ケガや病気……何かあったときにそばで支えてあげられないのはもどかしい。
でも、そんなのとっくに覚悟が決まっていた。
もっともっと前、この世界に来てすぐは、もう一生元の世界に戻れないと思っていたし。
その時に比べれば、一五年後だとしても帰れるなんてラッキー。
俺の中では、そう決着がついているのに。
魔王さんにも俺の気持ちは伝えたのに。
「だから、仕方ないって。俺はもう納得しているし、正解だったよ。四年前に説明したこと忘れた?」
「忘れていない。だが……」
魔王さんがやっと顔を上げた。
「イユリ様に対する、ライトの『兄』らしい顔を見ると……俺は、ライトからこの顔を奪ってしまったのだと思うと、申し訳なかった」
「……」
そこか……
「とても、楽しそうな顔をしていた。俺に向けてくれる愛情とは違って……いや、あの顔を俺にも向けてほしいというわけではない。ライトのくれる愛情には満足している。だが……本当に……本当にライトは、よき兄なのだと……ライトのそういう魅力的な部分を、俺は……」
「……」
なるほどね。
確かに弟みたいでかわいいとは思ったし、「お兄ちゃん」するのは好きだけど……なんでそこを結び付けちゃうかな?
魔王さん優しすぎる。
優しくて、繊細で、俺を気遣ってくれて嬉しい。
魔王さんのいいところ。大好き!
でも……
これは少し強く言わないと引きずっちゃうやつだな。
キツイ言い方をするのは好きじゃないけど、荒治療するしかないか……
「すまないっ……!」
「しつこい」
魔王さんが泣きそうな声を絞り出して頭を下げてくれるけど、できるだけ不機嫌そうに、頬を膨らませて言い切る。
「っ……!」
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ごめんね。俺のこんな怖い声、聞き慣れていないよね。
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