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【後日談】
俺だって溺愛したい【9】
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「……」
顔を上げると、浅野さんは興奮が隠せないとろんとした目のまま、困ったように笑った。
「……」
足音の主は、恐らく個室ではなく小便器の方で立ち止まって用を足しているようだ。
「……」
まだ?
まだだめか?
どうしよう……もうイけそうだったのに。
こんな、イく寸前の、あと一突きでイけるみたいな状態で止まるの、やばい。
イきたい。
でも、今イったら絶対に声出る。
バレる。
だめだ。
でも、もう、体もだめだ。
大きな快感の波が、今、一線を超えそう。
だって、支えてもらっていても、俺の中、気持ちいいところにも、浅野さんの大きいのがあたって、熱くて、俺の耳元にも、ぐっと我慢している浅野さんの微かな息遣いが感じられて、俺を抱きしめる手も力がこもっていて、余裕ないのわかる。
浅野さんも我慢してる。
イきたくなってる。
俺も。
まだ?
まだか?
早く。
早く。
早くイかせてほしい。
浅野さんので、奥、もう一回だけ思い切り突いて、射精させて欲しい。
イきたい。
イきたい。イきたい。イきたい。
イきたい。
――タッタッタッ
あ。
手を洗う音がした後、足音が遠ざかっていった。
しばらく声を潜めていても、扉の向こうには気配が無い。
もう、いい?
いいよな?
な?
「あ、あさのさ、ん!」
ボリュームは落としたけど、震える声で必死に先を促す。
「っ……桜田さん……!」
「んんっ!」
浅野さんが下から思い切り俺の体を突き上げる。
浅野さんも我慢していたんだ。動きがめちゃくちゃ強い。
強くて、奥に、ずんって。きた。
すごいやつ、きた!
「ん、んんん!」
イった。
頭の中真っ白になるほどイった。
背中をのけぞらせながら射精すると、浅野さんの腕の力が一層強くなる。
この腕好き。
しかも、あ、中、出てる……。
そういえば、コンドームしてない。
生だ……出てるんだ……一番深いところにぐりぐり先端を擦り付けてえぐって、すごい。こんな深いところに射精されるの、なんか……すごい。
「あ……はぁ……それ……」
だめ。
だめなのに。
こんな場所で……もうだめなのに。
「中……」
俺、男だし、中出しで喜んじゃだめなのに。
「うっ……桜田さん……?」
だめなのは解っているのに。
両腕で浅野さんに懸命にしがみついてしまう。
「浅野さん……中、気持ち良くて……」
浅野さんの腕の中が気持ち良くて、誰がいつ来るか解らないドキドキ感もあって、アナルに埋まったままのものも、奥に放たれた精液も、気持ち良くて……。
「浅野さん……」
「っ……!」
はしたないけど、自分から浅野さんの唇を貪って、中で萎えてしまったものを無茶苦茶に締め付ける。
「どうしよう、おさまらない……」
こんなに盛って、浅野さん引く?
浅野さんは、もう勃たない?
心配に思いながら顔を覗き込んでいると、浅野さんは射精後の荒い息を整えないまま、緩く笑ってくれた。
「桜田さんからこんなに求めてもらえるの、嬉しいです」
「んっ……ッ!」
浅野さんからも唇を啄んでくれて、体の向きが変わったと思うと、浅野さんは俺と向かい合って繋がったまま洋式トイレに腰を下ろした。
不安定な体勢でずっと強張っていた体の力が抜ける……と、結合は深くなる。
「んッ!」
「実は、今までも桜田さんに触れて勃ってしまった時に、このトイレで抜いてから帰っていたんです」
足を抱え上げていた手が、背中や頭を優しく撫でてくれる。
ん……この手つき、好きなやつ。
「いつも一人寂しく抜いていたトイレで、桜田さんとこんなことができるの、最高です」
いつもの大型犬のような太陽のようなかわいく爽やかな笑顔だけど、言っていることは全然かわいくもないし爽やかでもない。
急に何を言い出すんだ……?
「んっ!」
「桜田さん……本当は電車の中で、いつも我慢するの大変でした。何度も何度も桜田さんの中をぶち犯す妄想しました。でも……」
あ、中の、また硬く……!
っていうか、なんか、ちょっと怖いこと言ってないか?
「我慢したお陰で、今、最高に幸せです!」
「んんんッ!」
腰をがっちりと掴まれて、浅野さんに下から思い切り突き上げられる。
だめだ。
こうなったらもう、俺の頭は働かない。
声を抑えるだけで理性が限界。
「桜田さん、はぁ……桜田さん……!」
「ん、ぁ、んっ!」
やっぱり、浅野さんは痴漢だったんじゃ……と思わなくはない。
でも、それに慣れてしまって……救われて……同じくらい変態行為を楽しんでしまっているのは俺だ。
それに、こんなにも浅野さんを楽しませることが嬉しいなんて……。
一方的にしてもらうだけじゃなくて、俺も浅野さんを愛せるの、最高だ。
溺愛される喜びも、溺愛する喜びも、最高だ。
「ん……俺も、幸せ……」
嬉しくてたまらなくて、俺から、いつも浅野さんがしてくれるように唇や頬に何度も何度もキスをすると、浅野さんは顔を真っ赤にしてぎゅっと俺の体を抱きしめなおす。
「!? さ、さくらださん、今、そんな煽ったら……!」
「んんんっ!」
こんな場所なのに、浅野さんが一層激しく腰を振る。
こんな激しいの、人が来たら絶対すぐにばれる。
でも……
「ん、いい……っ!」
どんな場所だって浅野さんの腕の中は最高に気持ち良くて、最高に安心して、最高に幸せだ。
痴漢みたいな行為から始まった関係なんて、おかしいかもしれないけど……。
俺たち、結構お似合いなカップルだと思う。
HAPPY END
顔を上げると、浅野さんは興奮が隠せないとろんとした目のまま、困ったように笑った。
「……」
足音の主は、恐らく個室ではなく小便器の方で立ち止まって用を足しているようだ。
「……」
まだ?
まだだめか?
どうしよう……もうイけそうだったのに。
こんな、イく寸前の、あと一突きでイけるみたいな状態で止まるの、やばい。
イきたい。
でも、今イったら絶対に声出る。
バレる。
だめだ。
でも、もう、体もだめだ。
大きな快感の波が、今、一線を超えそう。
だって、支えてもらっていても、俺の中、気持ちいいところにも、浅野さんの大きいのがあたって、熱くて、俺の耳元にも、ぐっと我慢している浅野さんの微かな息遣いが感じられて、俺を抱きしめる手も力がこもっていて、余裕ないのわかる。
浅野さんも我慢してる。
イきたくなってる。
俺も。
まだ?
まだか?
早く。
早く。
早くイかせてほしい。
浅野さんので、奥、もう一回だけ思い切り突いて、射精させて欲しい。
イきたい。
イきたい。イきたい。イきたい。
イきたい。
――タッタッタッ
あ。
手を洗う音がした後、足音が遠ざかっていった。
しばらく声を潜めていても、扉の向こうには気配が無い。
もう、いい?
いいよな?
な?
「あ、あさのさ、ん!」
ボリュームは落としたけど、震える声で必死に先を促す。
「っ……桜田さん……!」
「んんっ!」
浅野さんが下から思い切り俺の体を突き上げる。
浅野さんも我慢していたんだ。動きがめちゃくちゃ強い。
強くて、奥に、ずんって。きた。
すごいやつ、きた!
「ん、んんん!」
イった。
頭の中真っ白になるほどイった。
背中をのけぞらせながら射精すると、浅野さんの腕の力が一層強くなる。
この腕好き。
しかも、あ、中、出てる……。
そういえば、コンドームしてない。
生だ……出てるんだ……一番深いところにぐりぐり先端を擦り付けてえぐって、すごい。こんな深いところに射精されるの、なんか……すごい。
「あ……はぁ……それ……」
だめ。
だめなのに。
こんな場所で……もうだめなのに。
「中……」
俺、男だし、中出しで喜んじゃだめなのに。
「うっ……桜田さん……?」
だめなのは解っているのに。
両腕で浅野さんに懸命にしがみついてしまう。
「浅野さん……中、気持ち良くて……」
浅野さんの腕の中が気持ち良くて、誰がいつ来るか解らないドキドキ感もあって、アナルに埋まったままのものも、奥に放たれた精液も、気持ち良くて……。
「浅野さん……」
「っ……!」
はしたないけど、自分から浅野さんの唇を貪って、中で萎えてしまったものを無茶苦茶に締め付ける。
「どうしよう、おさまらない……」
こんなに盛って、浅野さん引く?
浅野さんは、もう勃たない?
心配に思いながら顔を覗き込んでいると、浅野さんは射精後の荒い息を整えないまま、緩く笑ってくれた。
「桜田さんからこんなに求めてもらえるの、嬉しいです」
「んっ……ッ!」
浅野さんからも唇を啄んでくれて、体の向きが変わったと思うと、浅野さんは俺と向かい合って繋がったまま洋式トイレに腰を下ろした。
不安定な体勢でずっと強張っていた体の力が抜ける……と、結合は深くなる。
「んッ!」
「実は、今までも桜田さんに触れて勃ってしまった時に、このトイレで抜いてから帰っていたんです」
足を抱え上げていた手が、背中や頭を優しく撫でてくれる。
ん……この手つき、好きなやつ。
「いつも一人寂しく抜いていたトイレで、桜田さんとこんなことができるの、最高です」
いつもの大型犬のような太陽のようなかわいく爽やかな笑顔だけど、言っていることは全然かわいくもないし爽やかでもない。
急に何を言い出すんだ……?
「んっ!」
「桜田さん……本当は電車の中で、いつも我慢するの大変でした。何度も何度も桜田さんの中をぶち犯す妄想しました。でも……」
あ、中の、また硬く……!
っていうか、なんか、ちょっと怖いこと言ってないか?
「我慢したお陰で、今、最高に幸せです!」
「んんんッ!」
腰をがっちりと掴まれて、浅野さんに下から思い切り突き上げられる。
だめだ。
こうなったらもう、俺の頭は働かない。
声を抑えるだけで理性が限界。
「桜田さん、はぁ……桜田さん……!」
「ん、ぁ、んっ!」
やっぱり、浅野さんは痴漢だったんじゃ……と思わなくはない。
でも、それに慣れてしまって……救われて……同じくらい変態行為を楽しんでしまっているのは俺だ。
それに、こんなにも浅野さんを楽しませることが嬉しいなんて……。
一方的にしてもらうだけじゃなくて、俺も浅野さんを愛せるの、最高だ。
溺愛される喜びも、溺愛する喜びも、最高だ。
「ん……俺も、幸せ……」
嬉しくてたまらなくて、俺から、いつも浅野さんがしてくれるように唇や頬に何度も何度もキスをすると、浅野さんは顔を真っ赤にしてぎゅっと俺の体を抱きしめなおす。
「!? さ、さくらださん、今、そんな煽ったら……!」
「んんんっ!」
こんな場所なのに、浅野さんが一層激しく腰を振る。
こんな激しいの、人が来たら絶対すぐにばれる。
でも……
「ん、いい……っ!」
どんな場所だって浅野さんの腕の中は最高に気持ち良くて、最高に安心して、最高に幸せだ。
痴漢みたいな行為から始まった関係なんて、おかしいかもしれないけど……。
俺たち、結構お似合いなカップルだと思う。
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感想ありがとうございます!
溺愛したいのシチュエーションは、このテーマなら絶対に入れたいシーンだったので
何度も読んで頂いているとのこと、書いたかいがありました!!
次回作もしっかり楽しんでもらえるものができるよう、準備して書いていきたいと思います。
頑張ります!!
感想ありがとうございます!
書きたいシチュエーションをたくさん詰め込んだお話だったので、
最後まで楽しく読んで頂けて本当に嬉しいです!!
桜田さんの心配もありがとうございます。無事に幸せな姿を書ききれました!
次回作もしっかり準備して書いていきたいと思います!がんばります!!
感想ありがとうございます!
イレギュラーな出会い方のお話でしたが、最後までしっかり読んで頂けて本当にありがとうございます!
だんだん浅野さん無しじゃいられなくなるところも、エロシーンも、書きたいことを沢山詰め込んだ
楽しく書いた作品だったので、一緒に最後まで楽しんで頂けてとても嬉しいです!!
次回作もしっかり用意して書いていきます!!がんばります!!