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第三章~お披露目~
百四十七話
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その日のお風呂上り、ぼくはプレゼントのリサーチをするべく、リビングのソファで寛ぐ宏兄に近づいた。
「宏兄、宏兄」
「ん?」
宏兄はすぐに読んでいた本を閉じて、テーブルに伏せてくれた。体ごと向き直って、「どうした?」ってほほ笑んでくれる。
ぼくは、なんだかくすぐったい気持ちで、隣に座ると、話を切り出した。
「ちょっと、相談がありまして……」
「おう。なんだ」
「お義母さんにお誕生日のプレゼント、贈りたいねん。宏兄とぼくの二人からってことで。いいかな?」
「ダメなわけないじゃないか……! ありがとうな」
宏兄は大きな笑みを浮かべて、わしわしと頭を撫でてくれた。ぼくは、ホッとする。
「よかったあ……それでね。どんなプレゼントにしよう? 何か、好きなものとか……衣類……も、趣味があるけど。お花とか、食べものもいいかなって、思ったんやけど……」
ぼくは、後ろ手に持っていたポメラを出し、「プレゼント企画」のファイルを開いた。今日、綾人に聞いた、お義母さんの情報をまとめてあるねん。――宏兄に画面を見て貰って、相談する。
綾人が言うには……お義母さんは、和服の似合う優しいひとで。
すごく多趣味で、シュノーケリングから、けしごむハンコまで、色々習ってはるんやて。最近は、フラワーアレンジと自転車にとくに凝ってはるそう。お料理は作るより食べに行く派で、老舗も話題のお店もお好き。
「ちなみに、綾人のところは、サイクルウェア一式にするんやって!」
「おお。綾人君、いいチョイスだなー」
「ねっ。やから、うちは自転車以外で! 宏兄、お義母さんの好みとか、教えて欲しいんよ」
お義母さんは、「好き」をたくさん持ってはるひと。きっと、道具にしろ嗜好品にしろ……色んなこだわりがあるやろうから、情報収集が大切やんね。
――お邪魔にならんのはもちろんとして。やっぱり、喜んでもらいたいもん。
お嫁さんとしての、初のミッションですから。
ふんすと意気込んで、宏兄を見上げると――すっごい、にこにこしてる。
「そうだなあ。成が選んだものなら、なんでも嬉しいと思うけどな」
「……も~、お世辞はいいのっ。お役立ちな情報をください!」
「ははは」
宏兄は、天然さんなんやから。
両腕を振り上げて、ぷんぷんしていると宏兄は笑う。
「本気なんだけどなあ。うーん、そうか……」
テーブルに置いてあったスマホを取り、宏兄は何やら操作したかと思うと、画面を見せてくれた。
覗き込んで、「わあ……!」と感激の声が漏れる。
それは一枚の写真で、被写体は大きな食器棚やった。そこには、ティーセットが所せましと並んでて。画面を拡大させてもらうと、ティーポットに急須、ティーカップや湯飲みにコーヒーマグまで、ずらり。一目でわかる高級ブランドから、キャラクターまで色んな種類があるみたい。
「これは……?」
「母さんのコレクション。あの人、究極のニワカなんで、色々試してはすぐ次に行くんだけどさ。ティーセットと着物だけは、ずっと集めてるみたいなんだよな」
「へええ」
聞けば、こんな棚がまだ何台もあるそう。めっちゃ大好きやん。
ぼくは身を乗り出して、その写真を見つめた。
「そっか……! ティーセットやったら、気に入ってもらえるよね! コレクションは、増えれば増えるほど嬉しいもん」
ぱっ、と両手を打ち合わせる。すると、宏兄はからかうような笑顔を浮かべた。
「成も、「小説やったらなんでも嬉しいよ」、って言うもんなー」
「うっ……好きなんやもん!」
つんつんと頬をつつかれて、照れくさくなる。だって、お誕生日に本が増えたら嬉しいやん。
「よしっ。そうときまれば……素敵なティーセット見つけよう!」
「あと、なんか良い感じの茶っ葉を見繕っとくか」
「賛成!」
宏兄が、笑顔で手を上げる。ぼくも、満面の笑みを浮かべて、ハイタッチした。
「宏兄、宏兄」
「ん?」
宏兄はすぐに読んでいた本を閉じて、テーブルに伏せてくれた。体ごと向き直って、「どうした?」ってほほ笑んでくれる。
ぼくは、なんだかくすぐったい気持ちで、隣に座ると、話を切り出した。
「ちょっと、相談がありまして……」
「おう。なんだ」
「お義母さんにお誕生日のプレゼント、贈りたいねん。宏兄とぼくの二人からってことで。いいかな?」
「ダメなわけないじゃないか……! ありがとうな」
宏兄は大きな笑みを浮かべて、わしわしと頭を撫でてくれた。ぼくは、ホッとする。
「よかったあ……それでね。どんなプレゼントにしよう? 何か、好きなものとか……衣類……も、趣味があるけど。お花とか、食べものもいいかなって、思ったんやけど……」
ぼくは、後ろ手に持っていたポメラを出し、「プレゼント企画」のファイルを開いた。今日、綾人に聞いた、お義母さんの情報をまとめてあるねん。――宏兄に画面を見て貰って、相談する。
綾人が言うには……お義母さんは、和服の似合う優しいひとで。
すごく多趣味で、シュノーケリングから、けしごむハンコまで、色々習ってはるんやて。最近は、フラワーアレンジと自転車にとくに凝ってはるそう。お料理は作るより食べに行く派で、老舗も話題のお店もお好き。
「ちなみに、綾人のところは、サイクルウェア一式にするんやって!」
「おお。綾人君、いいチョイスだなー」
「ねっ。やから、うちは自転車以外で! 宏兄、お義母さんの好みとか、教えて欲しいんよ」
お義母さんは、「好き」をたくさん持ってはるひと。きっと、道具にしろ嗜好品にしろ……色んなこだわりがあるやろうから、情報収集が大切やんね。
――お邪魔にならんのはもちろんとして。やっぱり、喜んでもらいたいもん。
お嫁さんとしての、初のミッションですから。
ふんすと意気込んで、宏兄を見上げると――すっごい、にこにこしてる。
「そうだなあ。成が選んだものなら、なんでも嬉しいと思うけどな」
「……も~、お世辞はいいのっ。お役立ちな情報をください!」
「ははは」
宏兄は、天然さんなんやから。
両腕を振り上げて、ぷんぷんしていると宏兄は笑う。
「本気なんだけどなあ。うーん、そうか……」
テーブルに置いてあったスマホを取り、宏兄は何やら操作したかと思うと、画面を見せてくれた。
覗き込んで、「わあ……!」と感激の声が漏れる。
それは一枚の写真で、被写体は大きな食器棚やった。そこには、ティーセットが所せましと並んでて。画面を拡大させてもらうと、ティーポットに急須、ティーカップや湯飲みにコーヒーマグまで、ずらり。一目でわかる高級ブランドから、キャラクターまで色んな種類があるみたい。
「これは……?」
「母さんのコレクション。あの人、究極のニワカなんで、色々試してはすぐ次に行くんだけどさ。ティーセットと着物だけは、ずっと集めてるみたいなんだよな」
「へええ」
聞けば、こんな棚がまだ何台もあるそう。めっちゃ大好きやん。
ぼくは身を乗り出して、その写真を見つめた。
「そっか……! ティーセットやったら、気に入ってもらえるよね! コレクションは、増えれば増えるほど嬉しいもん」
ぱっ、と両手を打ち合わせる。すると、宏兄はからかうような笑顔を浮かべた。
「成も、「小説やったらなんでも嬉しいよ」、って言うもんなー」
「うっ……好きなんやもん!」
つんつんと頬をつつかれて、照れくさくなる。だって、お誕生日に本が増えたら嬉しいやん。
「よしっ。そうときまれば……素敵なティーセット見つけよう!」
「あと、なんか良い感じの茶っ葉を見繕っとくか」
「賛成!」
宏兄が、笑顔で手を上げる。ぼくも、満面の笑みを浮かべて、ハイタッチした。
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