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第六章~鳥籠の愛~
三百九十八話【SIDE:玻璃】
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嬉しい再会は、ついにお開きとなった。
「野江さん、成己さん。本当に、ありがとうございました……!」
私は、野江ご夫妻に深々と礼をする。
長い時間を話し込んでいたらしく、お店の中には私達しかいなかった。すっかり陽は傾いて、お店の窓から、オレンジの光が差し込んできている。
「いえいえ。たいしたお構いも出来ませんで」
「また今度、ゆっくりいらして下さいね」
野江さんは鷹揚に微笑み、成己さんはほわほわと両手を振ってくれた。
「成己さん……」
彼のほがらかな笑みを見ていると、胸にぐっと感謝が迫ってくる。私は、思わず小さな手を取り、ぎゅっと握りしめた。
「……玻璃さん?」
「本当に、ありがとうございました。全部、成己さんのおかげなんです。元気が出たのも、宍倉さんと再会できたのも……この恩は、決して忘れません」
成己さんが、高橋さんの読書会に誘われていたから。親切にしてくださったから、こんなにも嬉しい出来事があったんだもの。
「ありがとう」――大きなはしばみ色の目を、ありったけの感謝を込めて見つめた。
呆気に取られていた成己さんは、にっこりと大きな笑みを浮かべた。
「ふふ。そんな風に言ってもろて、なんか照れちゃいますっ。こちらこそありがとうございます」
「へへ……」
にこにこと笑い合っていると、「こほん」と咳払いが聞こえた。
そちらを見れば、宍倉さんが苦笑している。
「若様。そろそろ戻られませんと、門限が……」
「あっ……」
思わず、苦虫を噛みつぶしたような顔になる。
家に帰ると、護衛どもに「どこにいた」としつこく詮索される羽目になるだろう。正直、凄くうざい。まったく気は進まないけれど……
――これからは上手くあしらっていかなきゃ、だよね。
私はいずれ、蓑崎家を継ぐアルファ。おっさん二人くらい、口八丁で黙らせらんないでどーすんだって話なんだよな。
まあ……そう思えるようになったから、オッケーでしょ。
「玻璃さん……大丈夫?」
「はい!」
私は、心配そうな成己さんに大きく頷いてみせた。
この人は――今までは、兄が不義理をした人で。野江さんの奥さんという情報しかなかった。今は……宍倉さんを助けてくれた人であり、私自身の恩人だ。
「成己さん。今度は、桜庭の話をしに来ますね」
「……はい、ぜひっ!」
私の言葉に、心から嬉しそうに成己さんは笑ってくれた。
晴れやかな気持ちで笑い返し、思う。
――私は、受けた恩は必ず返します。そのためには、いつも側に居られるようにならなくっちゃね。
とりあえず、友人になるところからだね!
私は、宍倉さんと何か話している野江さんに、心のなかで手を合わせた。
「野江さん、成己さん。本当に、ありがとうございました……!」
私は、野江ご夫妻に深々と礼をする。
長い時間を話し込んでいたらしく、お店の中には私達しかいなかった。すっかり陽は傾いて、お店の窓から、オレンジの光が差し込んできている。
「いえいえ。たいしたお構いも出来ませんで」
「また今度、ゆっくりいらして下さいね」
野江さんは鷹揚に微笑み、成己さんはほわほわと両手を振ってくれた。
「成己さん……」
彼のほがらかな笑みを見ていると、胸にぐっと感謝が迫ってくる。私は、思わず小さな手を取り、ぎゅっと握りしめた。
「……玻璃さん?」
「本当に、ありがとうございました。全部、成己さんのおかげなんです。元気が出たのも、宍倉さんと再会できたのも……この恩は、決して忘れません」
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「ありがとう」――大きなはしばみ色の目を、ありったけの感謝を込めて見つめた。
呆気に取られていた成己さんは、にっこりと大きな笑みを浮かべた。
「ふふ。そんな風に言ってもろて、なんか照れちゃいますっ。こちらこそありがとうございます」
「へへ……」
にこにこと笑い合っていると、「こほん」と咳払いが聞こえた。
そちらを見れば、宍倉さんが苦笑している。
「若様。そろそろ戻られませんと、門限が……」
「あっ……」
思わず、苦虫を噛みつぶしたような顔になる。
家に帰ると、護衛どもに「どこにいた」としつこく詮索される羽目になるだろう。正直、凄くうざい。まったく気は進まないけれど……
――これからは上手くあしらっていかなきゃ、だよね。
私はいずれ、蓑崎家を継ぐアルファ。おっさん二人くらい、口八丁で黙らせらんないでどーすんだって話なんだよな。
まあ……そう思えるようになったから、オッケーでしょ。
「玻璃さん……大丈夫?」
「はい!」
私は、心配そうな成己さんに大きく頷いてみせた。
この人は――今までは、兄が不義理をした人で。野江さんの奥さんという情報しかなかった。今は……宍倉さんを助けてくれた人であり、私自身の恩人だ。
「成己さん。今度は、桜庭の話をしに来ますね」
「……はい、ぜひっ!」
私の言葉に、心から嬉しそうに成己さんは笑ってくれた。
晴れやかな気持ちで笑い返し、思う。
――私は、受けた恩は必ず返します。そのためには、いつも側に居られるようにならなくっちゃね。
とりあえず、友人になるところからだね!
私は、宍倉さんと何か話している野江さんに、心のなかで手を合わせた。
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