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第4話 アルティメットソード
しおりを挟む一度でも気を抜いてしまえば、その痛みに沈みそうになる。
心臓辺りから感じていた異変に、熱と痛みが伴い始めていた。
「くそ…何だこれ…」
痛みの理由は分からない。ただ、次第に強くなっているように感じる。
果たして、この痛みはいつ治るのだろうか?
俺は痛みの正体を、この時はまだ知らずにいた…
◆◇◆◇
「な、なんだって!?この森に、そんなやばい奴が棲み着いているのか!?」
俺は、族長ルバの話に耳を疑った。
「はい。今より、1カ月ほど前になるでしょうか…突然、空が赤くなったと思ったら、空より漆黒の鎧を身に纏った男が、降りて来たのです。」
族長ルバは、重苦しい口振りだ。
それ程に、やばい奴ということなのだろうか?
「その男は、この1カ月で、少なくともこの里のエルフを、10人ぐらいは殺しています。理由はわかりません。ただ、突然里に現れては、次々と殺していくのです。しかも、女ばかりを。」
「な、なんだそいつ!?」
とんでもなく、悪い奴じゃないか!
しかも女のエルフばかりを、だと?
じゃあ…
俺は背後に控えていた、リリーナへと視線を移した。
リリーナは、今にも泣き出してしまいそうには震えていた。
さっき、リリーナの言っていた理由はこれか…
俺は、迷うことはなく、族長ルバに言った。
「族長、俺がその男を倒す。」
「ほ、ほんとですか!?」
族長ルバは、嬉しそうに尋ねて来た。
俺は頷いて、ガッツポーズを見せる。
「当たり前だろ?困ってる奴がいるのに、それを見ないふりするだなんて、俺にはできない!だから、俺に任せてくれ!」
「ス、スバル…。」
族長ルバは泣いて、俯いた。
おいおい、何も泣くことないだろう?
「スバル…あなたはやはり、我々エルフ族の伝承に伝わる、伝説の冒険者のようですね。」
「あ、なんかさっき、リリーナもそんなこと言っていたっけ?で、何なんだその、伝承ってのは?」
俺は族長ルバに尋ねてみた。すると、族長ルバは目元の涙を拭って、腰に下げた銀色の剣を俺へと差し出す。
「遥か昔、このエルフ族の里に災いが降りかかった時、どこからともなく、一人の青年が現れて、エルフ族の里を救ったと言われています。その時、青年はこう言い残して、去っていたようなのです。『いつかまた、災厄が降りかかった時は、俺がまた助けにくる』と。そして、この剣、アルティメットソードは、その時にも青年がこのエルフ族の里に置いていった、至宝の剣なのです!冒険者スバルよ、今こそこの至宝の剣を、返す時が来たと、私はそう思っています。」
「…何か、凄い話だな。ん?てか、じゃあ、その伝承の青年とやらが、俺ってこと!?」
「分かりません。ただ、そう言ってもいいのではないかと、私はそう思っております。」
な、なんだってー!?
じゃあ、俺がこのアルティメットソードとかいう、いかにも強そうな剣を手にしていいと!?
「受け取って下さい、スバル。あなたが伝承の者じゃないにしろ、我々エルフ族は、あなたにこの剣を託します。お願いです、エルフ族の里を、救って下さい!」
----------------/追記/--------------
作者、泥水すする(26)です!
すみません!タイトルがずっと、「異世界転生」ではなく、「異性転生」になっていました・・・
ずっと気付かぬにすみません。また、過度な期待をさせてしまったのならすみません!
この話は、ただのなんて事のない「異世界転生」もののお話です・・・
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