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第7話 現実
しおりを挟むああ、そういうこと、だったのか…
俺たちは初めから、神の造った盤上の上で、踊らされていたという、ただそれだけの事だったのか…
この痛みも、この苦しみも、神がこの時の為に残した、そんなものに過ぎないって、そういうことなのかよ…
俺達を殺し合わせて、それを見てほくそ笑んでいるって、つまりはそういうことなのか?
こんなの、あんまりだろ…
もう身体中が痛い。早く楽になりたい。
だから、俺は親友のお前に殺されたとしても、恨んだりしない。
むしろ、同情するよ。お前は後、何回も何回も、俺と同じようには苦しむ事になるんだろうからな…
はは、何だこれ…
なぁ、最後ぐらい、一思いに逝かせてくれよな…
お前なら、やってくれるよな?
だって、俺達、親友だもんな?
なぁ…
スバル。
◆◇◆◇
「な、何で…」
言葉に詰まる。もしかしてこれは夢で、次の瞬間にも覚めるんじゃないかと、そう思った。
でも、そんなことはなかった。
現実は現実のまま、剣を握る感触も、鼻につく異様な臭気も、こめかみを伝う冷や汗も、夢じゃない。
現実だった。
そして、目の前にいるそいつも、夢じゃないと、口に出さずとも、そう言っているような、そんな気がした。
俺はそいつを、よく知っていた。
すっかり老けこんでいるし、顔中シワだらけだが、俺はそいつの事をよく知っていた。
だって俺たちは幼馴染で、親友だったから。
「…なぁ、スバル。俺たち、どうして、こんな事になっちまったんだろうな?」
そいつは俺に、尋ねてきた。
「は、はは…待て、待て待て待て…何だよ、どうなってるんだよ…」
「俺も初めは、お前と同じような感じだったよ。もしかしたら、これは夢で、寝たら次の日、またあの世界に戻ってるんじゃないかって、ずっと、それだけを願っていた。でも、そんなことはなかった。だから、俺はこの世界で戦うしかなかった。いつかお前達と、また笑えるように…そんな未来を、俺は願っていたから…だから…」
「な、何だよそれ!?何なんだよ一体!意味わかんねーよ!ちゃんと説明しろ!」
俺は激しく戸惑っていた。だから、認めたくなかったんだと思う。認めてしまったら、終わりだと終わったから、だからずっと否定していたんだと思う。
「どういうことか説明しろ、タケヒコ!?」
俺の目の前にいるのは、確かにタケヒコで間違いはなかった。
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