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第8話 戦闘
しおりを挟むスバルが戸惑っている。
当然だ。
今の俺の、変わり果てた姿を見て驚かない方がおかしい。
でも、現実を受け入れなきゃ、きっとお前は後で後悔する事になる。
だから頼む、スバル。俺の話を聞いてくれ。
そして、その手で、俺を楽にしてくれ…
◆◇◆◇
エルフ族の里を襲っていたのは、今俺の目の前にいる、老けたタケヒコだった。
でも待て、よくよく考えて、そんな事ってあるか?
大体、タケヒコはこんなジジイじゃない!
「おい、お前はもしかして、タケヒコに成りすました、魔物なんじゃないだろうな!?」
「…魔物だと?俺が?おいスバル、それは本気で言っているのか?お前には、俺の事が分からないのか?」
老けたタケヒコはどうやら、怒っているみたいだった。
意味が分からない。別に俺は、間違ったことなんて一つも言っていない。
そうだ、俺は正しい。
確かに、老けたタケヒコが俺の目の前にいるのは事実だ。だが、それがタケヒコ本人だって、誰がどう証明できる?
だってさ、親友の俺にだって、分からないんだぜ?そんな親友の俺にも分からないこの老けたタケヒコが、本物のタケヒコなわけない!
絶対に、そうに違いない!
だから俺は、老けたタケヒコと、戦うことにした。
アルティメットソードを握り締めて、剣先を、タケヒコに向けた。
「おい偽タケヒコ!よくも、俺たちの友情に泥を塗るような真似をしてくれたな!?タダじゃおかねーぞ!?」
俺は、偽タケヒコに、そう叫んでやった。
すると、偽タケヒコは悲しそうな目で、俺を見ていた。
「スバル、お前…その剣…」
「この剣は、俺がお前を倒すために、エルフ族から授かった、伝説の剣だ!」
「い、今すぐその剣を捨てろ!俺の事は別に殺してくれて構わないから…だから!」
何を言い出すかと思いきや、このアルティメットソードを捨てろだと?
怪しい。怪しすぎる!
多分、偽タケヒコは、俺がこのアルティメットソードを手放した瞬間にも、殺しにくるに違いない!
「ん?さてはお前…このアルティメットソード目当てに、エルフ族の里を襲ったんじゃないだろうな?」
「違う!違うんだスバル!聞いてくれ!」
偽タケヒコが何やら言い訳をしたいらしい。
見苦しい奴め。今すぐに消してやる。
「いくぞ、偽タケヒコ!勝負だ!」
俺はタケヒコに向かって、剣を振り上げた。
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