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第4章 騒乱と死闘
7話 戦火
しおりを挟む敵の全て排除が終わった。
終わって、辺りを見回した。
そこは常人であれば目を覆い隠してしまいたくなるような惨状で、地面一体を細々とした肉塊と化した人間だったものがゴロゴロと転がっていた。
まさに地獄絵図。
握り締めた刃から滴る血の雫。ポタポタと、それは止めどなく地面に落ちていく。
結局、俺は何を得るには叶わなかった。
ただ死体を築き上げてだけで、敵の計画どころかノブナガの居場所さえも分からずじまい。
どれ程の数がいるかも分からない、反乱軍の一派を葬ったところで、何の意味もない。
ただ得たものがあるとすれば、それは覚悟。
最早迷う事を失った、徹底した悪意だ。
ノブナガは死体を操り、死者を思いの儘には利用する外道だ。
少なくともノブナガはこの場にいる肉塊と化した屍累々を殺したということである。
俺もまたそんなノブナガが操っていた屍達を破壊した。
どこまでも無情に、非道に、修羅と化して、全てを葬り去った。
それでノブナガに追い付いたとは思わない。
思わないが、以前の俺よりは大分マシになったことだろうよ。
「よし、行くか…」
そうして俺はアジトを後にする事にした。
これ以上ここにいたって何ら意味がないと思ったからである。
お前は今どこにいるノブナガ。
貴様もまた俺と同じくデスゲームの参加者なのか?
だったらクラスはなんだ?
【knight__騎士】、【The Guardian__守護者】【witch__魔法師_】、【bishop__聖職者】、【queen__クイーン】、【king__キング】、【ace__エース】…そのどれかだとして、お前はどうしてラクスマリア王国を狙う?
やはり名前通り、この異世界で天下統一でも狙っているつもりでいるかな?
はたまた狙いは俺だったのか?
どうしてだ、ノブナガ。
貴様はどうして姿を隠す。
何がしたい、何が目的だ。
『お前は今、どこにいる?』
「…嘘だろ、おい」
アジトを出て、俺は自身の目を疑った。
疑って、夢なら覚めろと、そう思った。
ただ思ったところで現実は現実にして、どこまでも非常な現実として、俺の目に戦火が映す。
ルコンドの方角から、黒々とした煙が上がっていた。それは建物を覆った夥しい程の火がそうさせているようで、見ると、視界に入るありとあらゆる建物からは異常な火柱が上がっていた。
それは正しく戦火、つい一時間程前まではあんなにも平穏だったルコンドの街並みが、瞬く間に崩壊しているのが理解できた。
遠目から見てこうなのだから、近くに行けばもっと悲惨な光景が広がっていることだろう。
そして、俺の目に最も恐れていた惨劇が映っていた。
「……は、はははは、はは…」
楽しいわけでもないのに、俺の口からは自然と乾いた笑い声が溢れていた。また認めたくない筈なのに、現実を受け止めようとしているどうまでも冷静な俺がいた。
豪炎に包まれたラクスマリア城は、どうしようなく、俺の目から焼き付いて離れなかった。
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