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第4章 騒乱と死闘
11話 ノブナガ
しおりを挟む「何だよ、いきなりやり合おうてのかい?全く、節操のない人だネ…君は…」
小馬鹿するようにノブナガは言った。
言って、蔑むようには俺を見下す。
どこまでもムカつく野郎だ。
「なら…自己紹介でもしようか?俺の名前はたけし。お前をこれから殺す男だ」
俺は自己紹介という名の戦線布告をノブナガに突き付けた。
突き付けて、剣を構える。
聞きたい事は山程にある。あるのだが、それよりもノブナガに抱いた憎しみと殺意だけが俺をそうさせた。
「奴を殺せ」と、自身が自身に命令していた。
「そうか、たけし…くく、成る程ネ…」
「…」
「まぁ落ち着けよ。君の大事な大事なお姫様の安否が気がかりではないのかい?」
「……殺したんだろ、どうせ」
「さぁ、どうだろうかネ?」
肩を震わせてはそう言って笑うノブナガ。
自分から聞いておきながら、その答えを濁す。それだけで既に、ノブナガという青年の悪どさが身に染みて伝わった。
だったら、問答無用ーーー俺は瞬時に[スキル]を発動。
----------------------------
【通常スキル】
・エリアスリーパー
[概要]
空間を切断、再結合し、瞬間的なる空間移動を可能にしたスキル。その空間移動速度はレベルによって比例する。
----------------------------
ノブナガとの距離を一気に詰めて、玉座に座るノブナガへと剣を突き出した。
グサリと、確かな手応えを感じて、俺の剣は物の見事にノブナガの心臓部を貫いた。
貫いて、グリグリとは剣を捻じ込ませる。そこには確実に仕留めるという俺の明確な意思が込められていた。
これ程に呆気なく決まった一撃。普通の人間なら次の瞬間にも口から血を吹き出し、苦痛に顔を歪ませてもおかしくはない場面に於いてーーーノブナガは優位そうな笑みを崩す事をしなかった。
つまりは、そういうこと。
「…はは、痛いなぁ、もう」
効いていない。
だったらーー
「なら、これならどうだ?」
俺は即座に手を前に出した。
出して、ノブナガの頭を鷲掴みにしようと掌を広げる。
[スキルドレイン]にてノブナガの力を奪おうかと考えて、俺は咄嗟に[スキルブレイク]に選択肢を変更。
[スキルブレイク]の方が相手に苦痛を与える事ができると、俺は考えた。
考えて、俺の行動は失敗に終わる。
「させないよ?」
ノブナガが静かにそう言った刹那、グワンと脳内が揺れた。
揺れて、俺の体は宙を舞う。そのまま大きくノブナガとの距離を離されていく。そのまま地面に叩きつけれて、全身を激しい鈍痛が襲った。
すぐ様体制を直し、ノブナガへと向きなおる。
何があった?
「こんなにも呆気なく終わってもツマラナイだろう?折角のデスゲームなんだ、楽しくいこうじゃないか…ねぇ、たけし?」
デスゲーム、ノブナガが確かにそう言った。
聞き間違いなんかじゃない。
つまり、ノブナガはやはりーーー
「やはり、お前も異世界転生者か…」
「はははは、当たり前だろ?まさか何も知らずにここに来たわけでもあるまいに」
最もだ。
今この瞬間、俺の疑念は確信へと変わった瞬間だった。
「始めっから…俺が目的だった、そういうことか?」
「もちろん。それ以外に何がある?」
ノブナガは椅子から腰を話して、ゆったりとした動作では俺に向かって歩き出した。
ガシャリ、ガシャリと金属の擦れる音を鳴らして、そのことから黒いマントの下に鎧を着込んでいる事が伺えた。
然程身長の高くないその姿、筋肉質ともみえない。
なれどそのその立ち姿には圧倒的な威厳を放っていた。
その姿からして、かなりの強者であることが理解できる。
俺は[スキル]心眼を発動。
ノブナガの[ステータス]を確認した。
ステータス展開中…
----------------------------
class:bishop
【ノブナガ】
LV : 50
HP : <6○996
MP : ×87^7
AT$×$3 : %#\々×…
D♪€:<F :
MAT : …3
M°〒635 : 7°4€*×
【装備】
※現在の閲覧権限で閲覧できません。
【称号スキル】
※現在の閲覧権限で閲覧できません。
【魔法スキル】
※現在の閲覧権限で閲覧できません。
【固有スキル】
※現在の閲覧権限で閲覧できません。
【通常スキル】
※現在の閲覧権限で閲覧できません。
----------------------------
大体は閲覧権限がなかったり、何故か文字化けしていて大した情報さえも分からない。
ただ俺よりも上のレベリングと、ノブナガのデスゲームに於けるクラスだけははっきりと理解できた。
「…bishop、だと?」
殺した死体を意のまま操るような外道がbishop…何だそれ、無茶苦茶過ぎる。
「…ほう、すごい。もしかして君は、相手の[ステータス]を覗く事ができると、つまりはそういうことかい?」
すごい、だと?
「…お前には出来ないのか?これが?」
「当たり前だろ?そもそもだ、そんな破格の[スキル]を君が使える方が異常すぎるよ…いいなぁ、恵まれているな、君は…」
ノブナガは少しだけ怨めしそう言って、ため息を吐いた。
「僕はこんなにも努力して頑張ってきたというのにも関わらず、君はたった少しの期間でそれ程の力を手に入れている。まさに不条理、まさに非道理。たけし、君は…」
そう言いかけて、ノブナガの口は止まった。
止まって、思いつめたようには俯いて、片手にて顔を抑え包んだ。
その様子から、思いつめた感じがヒシヒシと伝わった。
そうして徐ろに顔を上げると、鋭い眼光では俺をきつく睨む。
「いいなぁ…jokerは…」
ボソリと、呟いた。
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