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一章
拘束
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「いらっしゃいませっす!」
すっとお茶を入れお客さんに提供するノス。
「注文いいかい?」
「はいっす!」
テイカーを使いこなし、素早く注文を取る。
1週間ほど経った頃には、ノスの動きはそこそこよくなっていた。
「オーダー入りますっす」
「あいよ!」
厨房にあるオーダー確認表に薄め牛丼並と指示せれている。
これはエルフやウィッチなどの味覚が非常に優れている種族のためのもの。
これが予想以上にうまくいき、客足は順調に伸びていた。
「長崎くん大丈夫かい?」
「あっ、ああ」
遠山に声をかけられはっと意識を取り戻す長崎。
長崎はここに来てからずっと働き詰めだった。2週間働き続け、ほとんど休みをとっていない。誰の目にも疲弊しているのは明らかだ。
「そういえば唐揚げだったな。今すぐ揚げる」
「あー長崎くん量が多いよ!!」
「えっ!? あ」
フライヤーにいれられた多くの唐揚げたち。注文の2個に対して入れられたのは10個。
「本当に大丈夫かい? 今日は休んだらどうだい? 僕もある程度は作れるようにはなったし。もしわからなかったら君に聞きに行くよ」
「そうだな。今日はやすませてもらおうかな」
「た、大変っす! 今すぐきてほしいっす!」
フロアから恐ろしく焦った様子のノスが厨房に入ってくる。
「どうしたノス」
「そ、それが王立騎士団が長崎さんを拘束すると!」
王立騎士団と言われてもどんなものか想像もつかない長崎。とりあえず手を洗い、面へ出る。
すると甲冑を身にまとったまるで中世ヨーロッパに出てきそうなthe騎士みたいな奴らが長崎を出迎える。
そしてそのリーダー格と思しき1人が口を開く。
「我らは王立騎士団! 責任者長崎。一緒に王前へと来てもらおう」
かーんと手に持っている大きな槍を地面に突き立てる。
「理由は?」
長崎は周りを見渡す。
お客さんがいない。きっとこいつらが払ったのだろうと大方検討はつく。
「無許可営業。そして納税違反だ」
「無許可に納税違反か。身に覚えがないな」
「ちょっとちょっと、長崎くん。こっちこっち」
フロアの影で遠山が手招きをしている。
長崎はゆっくりと遠山の方へと近づき腰をかがめる。
「もしかしてこの前頼んでいた王前営業報告、それに納税をしてないんじゃないのかい?」
「頼まれてたっけ?」
「ほらほら、一週間前ほどに」
うーん、と必死に思い出す長崎。
「そう言えばそんな話を聞いたような、聞かなかったような」
「長崎君! しっかりしてよ。大事なことだって言ったよねっ?」
「す、すまない遠山さん」
「何をこそこそしている貴様ら!」
リーダー格の騎士が再び威嚇がてら槍をかーんと鳴らす。
「いやぁ、すいません。王前営業報告、並びに納税はただちに取り計らいますので、今日ばかりはなんとか引いてくれませんかね?」
さすがといわんばかりの防衛省の遠山。こういうトラブルの対処には慣れているといった口調。
しかしそんな遠山の提案は引き受けられることはなく、
「ならん! 我々はこうして出向いてきているのだ。我々の威信にかかわるのだ。今日は長崎を拘束させてもらう。やれ」
リーダー格の騎士が合図をすると騎士たちが一斉に動き出す。
「さあ来てもらおう」
3、4人の騎士があっという間に長崎の身柄を拘束する。
そして長崎は牛食異世界一号店から姿を消した。
すっとお茶を入れお客さんに提供するノス。
「注文いいかい?」
「はいっす!」
テイカーを使いこなし、素早く注文を取る。
1週間ほど経った頃には、ノスの動きはそこそこよくなっていた。
「オーダー入りますっす」
「あいよ!」
厨房にあるオーダー確認表に薄め牛丼並と指示せれている。
これはエルフやウィッチなどの味覚が非常に優れている種族のためのもの。
これが予想以上にうまくいき、客足は順調に伸びていた。
「長崎くん大丈夫かい?」
「あっ、ああ」
遠山に声をかけられはっと意識を取り戻す長崎。
長崎はここに来てからずっと働き詰めだった。2週間働き続け、ほとんど休みをとっていない。誰の目にも疲弊しているのは明らかだ。
「そういえば唐揚げだったな。今すぐ揚げる」
「あー長崎くん量が多いよ!!」
「えっ!? あ」
フライヤーにいれられた多くの唐揚げたち。注文の2個に対して入れられたのは10個。
「本当に大丈夫かい? 今日は休んだらどうだい? 僕もある程度は作れるようにはなったし。もしわからなかったら君に聞きに行くよ」
「そうだな。今日はやすませてもらおうかな」
「た、大変っす! 今すぐきてほしいっす!」
フロアから恐ろしく焦った様子のノスが厨房に入ってくる。
「どうしたノス」
「そ、それが王立騎士団が長崎さんを拘束すると!」
王立騎士団と言われてもどんなものか想像もつかない長崎。とりあえず手を洗い、面へ出る。
すると甲冑を身にまとったまるで中世ヨーロッパに出てきそうなthe騎士みたいな奴らが長崎を出迎える。
そしてそのリーダー格と思しき1人が口を開く。
「我らは王立騎士団! 責任者長崎。一緒に王前へと来てもらおう」
かーんと手に持っている大きな槍を地面に突き立てる。
「理由は?」
長崎は周りを見渡す。
お客さんがいない。きっとこいつらが払ったのだろうと大方検討はつく。
「無許可営業。そして納税違反だ」
「無許可に納税違反か。身に覚えがないな」
「ちょっとちょっと、長崎くん。こっちこっち」
フロアの影で遠山が手招きをしている。
長崎はゆっくりと遠山の方へと近づき腰をかがめる。
「もしかしてこの前頼んでいた王前営業報告、それに納税をしてないんじゃないのかい?」
「頼まれてたっけ?」
「ほらほら、一週間前ほどに」
うーん、と必死に思い出す長崎。
「そう言えばそんな話を聞いたような、聞かなかったような」
「長崎君! しっかりしてよ。大事なことだって言ったよねっ?」
「す、すまない遠山さん」
「何をこそこそしている貴様ら!」
リーダー格の騎士が再び威嚇がてら槍をかーんと鳴らす。
「いやぁ、すいません。王前営業報告、並びに納税はただちに取り計らいますので、今日ばかりはなんとか引いてくれませんかね?」
さすがといわんばかりの防衛省の遠山。こういうトラブルの対処には慣れているといった口調。
しかしそんな遠山の提案は引き受けられることはなく、
「ならん! 我々はこうして出向いてきているのだ。我々の威信にかかわるのだ。今日は長崎を拘束させてもらう。やれ」
リーダー格の騎士が合図をすると騎士たちが一斉に動き出す。
「さあ来てもらおう」
3、4人の騎士があっという間に長崎の身柄を拘束する。
そして長崎は牛食異世界一号店から姿を消した。
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