血染めの復讐劇

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第3話 企てる。

彼女の力。

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視界を覆う光が晴れ彼女は恐る恐る目を開ける。
しかし目の前に見えるもの、感じるもの、そのどれにも変わりはなかった。

「…?今の光は一体、」

疑問に思った彼女が呟くように言葉にした。
、そう言うからには何か変わっているものだと思っていたのに。
彼女には驚く程変化を感じられなかった。

「これで契約が完了じゃ。この妾と契約したのだから、誇るとよいぞ。」

自信に満ちた態度で口元に孤を緩く描きながら綴は言う。
しかし、彼女には少し納得が行かなかった。

「…私、何も変わっていないのだけれど…これで本当に契約したの?」

「嗚呼、契約した。しかし、何も変わっておらぬ事は無い。」

綴の言葉に首を傾げる。
そんな彼女を横目に綴は口を開く。

「其方は今、妾が直接手を下さぬ限り死なぬ身体となった。」

「!?」

その言葉に彼女は驚きを隠せなかった。
当然だ。何も変わっていないと思っていたのに、突如として半不死へと変わっていたのだから。

「そうせぬと、易々と死んでしまう輩が多くてのぅ…生きたままの魂を食えぬのじゃ。死んだ後の魂も食せぬ事は無いが、やはり生きたまま抜く方がうまいでの。妾の力を貸すからには…それ相応の見返りはきちんと貰わなくてはなるまいて。」

怪しげに微笑む綴。それに一瞬臆するも彼女は問うた、己の中の疑問を。

「…貴方にはどんな力があって何が出来るの?そんなに自信満々で、偉そうなんだから、それ相応の事は出来るのよね?」

問われた綴はくつくつと笑う。

「当たり前じゃろうて、妾の位は高い。力も、力の源である霊力も、他の者とは比べ物にならないであろう。しかし、その話は今は良かろう。其方に話しても分かるまいて。」

少し小馬鹿にしたような口調に彼女は少しばかり不服な表情を浮かべるも、お構い無しと綴は続ける。

「力の話しじゃったかえ。これに関しては、話そう。妾の力でたてる作戦も聞いて欲しいからの。」

楽しそうに綴は笑う。
よく笑うその表情に彼女は不思議と安心感を得ていた。
なのだと。心強く、復讐は失敗しないと。そう感じていた。
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