血染めの復讐劇

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第4話 始まる。

彼女は害う。

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彼女は体育館へと向かう。
体育館は校舎から渡り廊下で繋ぎ、校舎の済に設置されている。
入口はやや奥に設置されているため、死角は多くなっている。

体育館へと着くと、彼女は中を覗くもそこは既に誰も居らず、綴の用意した武器がいくつか余っているだけである。

「…となると、校舎かな」

そう呟くと校舎へと向かう為に踵を返した。
すると、入口左手側の壁際から隠れていた人が姿を現す。

手には小型の拳銃が握られ、姿を表した瞬間引き金を引いた。
その銃口は彼女の足を狙い、放たれる。

弾は真っ直ぐ彼女へと向かい、左の太腿へと直撃した。
その瞬間反対側から数人現れ、マシンガンと思わしきものを連射する。
最初に現れた拳銃を持つ人はその場に座り込み、縮こまっていた。

マシンガンの弾は彼女を何度も撃ち抜く。
それを放つ彼等は無我夢中だった。

そして、誰かが打つのを辞めると次第に全員辞め、銃口を下げる。
恐る恐る、ゆっくりと。

彼女はそれに合わせるようにゆっくりと倒れていく。
地面に完全に伏せた様子を見て、銃を放った彼等の誰かがやったと零す。

それに続いて皆で喜んだ。
人一人を殺して喜ぶ、何とも異様な光景だが、それもこのような状況では致し方ないのかもしれない。

しかしながら、これで終わる筈など当然無い。
倒れた彼女の身体が、彼らにとっては遺体である筈の体がぴくりと動く。

それに気付いた一人が突然言葉を失い、他の者達はその人を不思議そうに見た。
すると、視線の端で動いたのだ。先ほど殺したはずの彼女が。

ドロドロと血を流しながら、ゾンビのように。

「…嗚呼、結構痛いものね。傷の治りはそんなに早くないし、避けた方がいいかしら。」

立ち上がりながらそんな事を口にする彼女、そんな彼女を彼等は化け物といい、必死に逃げようとする。
腰が抜け、無様に逃げる人もいる。

まるで虫のようね。彼女がぽつりとそんな事を零したと思えば、這う様に無様に逃げていた人の首が飛んでいた。

「わぉ、切れ味抜群ね。一瞬じゃない、」

楽しそうに飛んだ首を踏み潰し、逃げた彼等を追う。
そして背後から一人、また一人と切りつけていく。

血を流し、呻きながら倒れていく生徒。
それを踏みながら、彼女は進む。

校舎へと向かう道のりで、また一人。
入った校舎の中で、また一人。
入ってすぐに会った部屋で、また一人。

彼女はどんどんと人を殺し進んだ。
あるものは鈍器で頭を潰され、あるものは紐状のものは首を絞められ、あるものは水道で窒息させられ、あるものは焼殺され。
彼女の進む道には死体と血で出来た道が出来ていた。

そして、殆どの生徒や教師を殺し終えたであろう時、とある教室で彼女は出会った。

「…あっ、」

見つかった事に小さく声をもらし、見るからに怯える女子生徒と、それを庇うように前に立つもやはり少し震える男子生徒。

「…瑠璃、啓吾…」

そう、この悲劇の引き金となった出来事の中心人物。
幼馴染の藤島瑠璃とその想い人、松下啓吾だった。
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