15 / 22
第4話 始まる。
彼女は害う。
しおりを挟む
彼女は体育館へと向かう。
体育館は校舎から渡り廊下で繋ぎ、校舎の済に設置されている。
入口はやや奥に設置されているため、死角は多くなっている。
体育館へと着くと、彼女は中を覗くもそこは既に誰も居らず、綴の用意した武器がいくつか余っているだけである。
「…となると、校舎かな」
そう呟くと校舎へと向かう為に踵を返した。
すると、入口左手側の壁際から隠れていた人が姿を現す。
手には小型の拳銃が握られ、姿を表した瞬間引き金を引いた。
その銃口は彼女の足を狙い、放たれる。
弾は真っ直ぐ彼女へと向かい、左の太腿へと直撃した。
その瞬間反対側から数人現れ、マシンガンと思わしきものを連射する。
最初に現れた拳銃を持つ人はその場に座り込み、縮こまっていた。
マシンガンの弾は彼女を何度も撃ち抜く。
それを放つ彼等は無我夢中だった。
そして、誰かが打つのを辞めると次第に全員辞め、銃口を下げる。
恐る恐る、ゆっくりと。
彼女はそれに合わせるようにゆっくりと倒れていく。
地面に完全に伏せた様子を見て、銃を放った彼等の誰かがやったと零す。
それに続いて皆で喜んだ。
人一人を殺して喜ぶ、何とも異様な光景だが、それもこのような状況では致し方ないのかもしれない。
しかしながら、これで終わる筈など当然無い。
倒れた彼女の身体が、彼らにとっては遺体である筈の体がぴくりと動く。
それに気付いた一人が突然言葉を失い、他の者達はその人を不思議そうに見た。
すると、視線の端で動いたのだ。先ほど殺したはずの彼女が。
ドロドロと血を流しながら、ゾンビのように。
「…嗚呼、結構痛いものね。傷の治りはそんなに早くないし、避けた方がいいかしら。」
立ち上がりながらそんな事を口にする彼女、そんな彼女を彼等は化け物といい、必死に逃げようとする。
腰が抜け、無様に逃げる人もいる。
まるで虫のようね。彼女がぽつりとそんな事を零したと思えば、這う様に無様に逃げていた人の首が飛んでいた。
「わぉ、切れ味抜群ね。一瞬じゃない、」
楽しそうに飛んだ首を踏み潰し、逃げた彼等を追う。
そして背後から一人、また一人と切りつけていく。
血を流し、呻きながら倒れていく生徒。
それを踏みながら、彼女は進む。
校舎へと向かう道のりで、また一人。
入った校舎の中で、また一人。
入ってすぐに会った部屋で、また一人。
彼女はどんどんと人を殺し進んだ。
あるものは鈍器で頭を潰され、あるものは紐状のものは首を絞められ、あるものは水道で窒息させられ、あるものは焼殺され。
彼女の進む道には死体と血で出来た道が出来ていた。
そして、殆どの生徒や教師を殺し終えたであろう時、とある教室で彼女は出会った。
「…あっ、」
見つかった事に小さく声をもらし、見るからに怯える女子生徒と、それを庇うように前に立つもやはり少し震える男子生徒。
「…瑠璃、啓吾…」
そう、この悲劇の引き金となった出来事の中心人物。
幼馴染の藤島瑠璃とその想い人、松下啓吾だった。
体育館は校舎から渡り廊下で繋ぎ、校舎の済に設置されている。
入口はやや奥に設置されているため、死角は多くなっている。
体育館へと着くと、彼女は中を覗くもそこは既に誰も居らず、綴の用意した武器がいくつか余っているだけである。
「…となると、校舎かな」
そう呟くと校舎へと向かう為に踵を返した。
すると、入口左手側の壁際から隠れていた人が姿を現す。
手には小型の拳銃が握られ、姿を表した瞬間引き金を引いた。
その銃口は彼女の足を狙い、放たれる。
弾は真っ直ぐ彼女へと向かい、左の太腿へと直撃した。
その瞬間反対側から数人現れ、マシンガンと思わしきものを連射する。
最初に現れた拳銃を持つ人はその場に座り込み、縮こまっていた。
マシンガンの弾は彼女を何度も撃ち抜く。
それを放つ彼等は無我夢中だった。
そして、誰かが打つのを辞めると次第に全員辞め、銃口を下げる。
恐る恐る、ゆっくりと。
彼女はそれに合わせるようにゆっくりと倒れていく。
地面に完全に伏せた様子を見て、銃を放った彼等の誰かがやったと零す。
それに続いて皆で喜んだ。
人一人を殺して喜ぶ、何とも異様な光景だが、それもこのような状況では致し方ないのかもしれない。
しかしながら、これで終わる筈など当然無い。
倒れた彼女の身体が、彼らにとっては遺体である筈の体がぴくりと動く。
それに気付いた一人が突然言葉を失い、他の者達はその人を不思議そうに見た。
すると、視線の端で動いたのだ。先ほど殺したはずの彼女が。
ドロドロと血を流しながら、ゾンビのように。
「…嗚呼、結構痛いものね。傷の治りはそんなに早くないし、避けた方がいいかしら。」
立ち上がりながらそんな事を口にする彼女、そんな彼女を彼等は化け物といい、必死に逃げようとする。
腰が抜け、無様に逃げる人もいる。
まるで虫のようね。彼女がぽつりとそんな事を零したと思えば、這う様に無様に逃げていた人の首が飛んでいた。
「わぉ、切れ味抜群ね。一瞬じゃない、」
楽しそうに飛んだ首を踏み潰し、逃げた彼等を追う。
そして背後から一人、また一人と切りつけていく。
血を流し、呻きながら倒れていく生徒。
それを踏みながら、彼女は進む。
校舎へと向かう道のりで、また一人。
入った校舎の中で、また一人。
入ってすぐに会った部屋で、また一人。
彼女はどんどんと人を殺し進んだ。
あるものは鈍器で頭を潰され、あるものは紐状のものは首を絞められ、あるものは水道で窒息させられ、あるものは焼殺され。
彼女の進む道には死体と血で出来た道が出来ていた。
そして、殆どの生徒や教師を殺し終えたであろう時、とある教室で彼女は出会った。
「…あっ、」
見つかった事に小さく声をもらし、見るからに怯える女子生徒と、それを庇うように前に立つもやはり少し震える男子生徒。
「…瑠璃、啓吾…」
そう、この悲劇の引き金となった出来事の中心人物。
幼馴染の藤島瑠璃とその想い人、松下啓吾だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる